【トラッククレーンとオールテレーンクレーンの違い】性能比較

トラッククレーンとオールテレーンクレーンの車格と現場での使われ方の違いが伝わる写真 トラッククレーン

工事規模や現場条件が少し変わるだけで、「どのクレーンを手配すべきか」で迷いやすくなります。過剰手配はコスト増、能力不足は当日の作業中止につながるため、現場責任者ほど慎重になりがちです。

結論(最短):中小・機動性重視はトラッククレーン、大規模・高能力重視はオールテレーンクレーン。
判断軸(最重要):一次判断は「必要な吊上能力 × 作業半径」。最大吊上能力の数字だけで決めると失敗しやすいです。
この記事で判断できること

  • ✅ 現場要件(荷重・作業半径・揚程)から、どちらが適合しやすいか
  • ✅ トラッククレーンで代替できる範囲/代替しにくい境界
  • ✅ 手配前に潰すべき設置・回送・安全確認ポイント
著者情報(編集方針)
ユニック車ガイド編集部(現場選定・手配支援)は、中小建設・設備工事の判断者が、過剰手配と作業不可を避けるために「性能×現場条件」を安全前提で整理して意思決定できるように編集しています。本記事はスペックの羅列よりも、選んではいけないケースの線引きと、手配前に必要な確認項目の提示を優先します。
※免許・法令・作業可否は車両条件や作業条件で変わるため、最終確認は元請の安全基準・現場ルール・レンタル会社・メーカー仕様に従ってください。
クイック診断(3択)
  • ✅ 荷が重い・半径が大きい・大規模現場が中心 → オールテレーンクレーン寄り
  • ✅ 中規模まで・現場間移動が多い・手配の汎用性を優先 → トラッククレーン寄り
  • ✅ 要件が曖昧・半径が未確定・設置スペースが不安 → 先に「荷重×半径×揚程」を整理してから候補選定
  1. まず何が違う?(迷いの正体と全体像)
    1. 現場で混同しやすい2つの誤解
    2. この記事で使う用語と前提(安全に読むための前置き)
  2. 結論と判断軸(最短で選ぶ)
    1. 結論(summaryConclusionを噛み砕く)
    2. 一次判断(Primary Axis)=「必要な吊上能力と作業半径」
    3. 要件が曖昧な時の聞き取り項目(手配前に埋める)
    4. 二次判断(Secondary Axis)=移動性・設置スペース・コスト
  3. 性能比較(できること/できないことを線引き)
    1. 走行・移動の違い(公道走行・回送の考え方)
    2. 作業能力の違い(吊上能力・作業半径・安定性)
    3. 設置条件の違い(アウトリガー・占有面積・地盤)
    4. 代替できる範囲/代替できない境界(選んではいけないケースを先に)
  4. 選び方・比較・実践(チェックリスト/比較表/失敗例→回避策)
    1. 3分で決めるチェックリスト(現場で使う版)
    2. 失敗例→回避策(必須)
    3. 最終確認の手順(現場で迷わないフロー)
  5. 費用感(レンタル/購入/外注の考え方)
    1. レンタルが現実的になりやすい条件
    2. 購入検討が出やすい条件(一般論)
    3. 外注(クレーン作業一式)に寄せる判断
    4. 費用で失敗しないコツ
  6. 安全・法規・資格の注意(条件付きで安全に)
    1. この章で扱う範囲(断定しない宣言)
    2. 現場で必ず確認すべき項目
    3. 手配時にレンタル会社へ伝える情報(事故予防の実務)
  7. FAQ(短く即答)
    1. トラッククレーンとラフター/オルターはどう違う?
    2. 最大吊上能力が同じならどっちでもいい?
    3. 狭い現場は必ずトラッククレーン?
    4. 当日になって「吊れない」を防ぐには?
    5. レンタル見積で比較するときの注意点は?
  8. まとめ & CTA(要点→次の行動)
  9. 出典・参考情報

まず何が違う?(迷いの正体と全体像)

 必要な吊上能力と作業半径を軸にトラッククレーンとオールテレーンクレーンを選ぶ判断軸の文字なし図解

現場で混同しやすい2つの誤解

  • ✅ 「どっちが上位機種か」で単純比較してしまい、現場条件との相性を見落とす
  • ✅ 「公道を走れるなら同じ」と考えて、設置条件(アウトリガー・地盤)と作業範囲(半径)を軽視する
迷いの正体は、性能差そのものよりも「現場要件(荷重・半径・揚程)」と「現場制約(設置・回送・占有)」のどちらを優先すべきかが曖昧な点にあります。

この記事で使う用語と前提(安全に読むための前置き)

  • 🧩 吊上能力:クレーンが吊れる重量。重要なのは最大値より「その作業半径で何t吊れるか」
  • 🧩 作業半径:旋回中心から吊り荷までの水平距離。半径が伸びるほど吊れる重量は下がりやすい
  • 🧩 揚程:吊り上げ高さ。障害物や建物高さで必要値が変わる
  • 📌 “性能比較”は現場要件に合うかを判断する比較であり、作業可否の最終判断は現場ルール・法令・メーカー仕様に従う
誤解 正しい見方(本記事の軸)
最大吊上能力が大きい方が万能 必要半径で吊れるかが先。能力表で「半径→吊れる重量」を確認
公道を走れるなら同じ 回送計画(経路・時間帯・誘導)と設置条件(アウトリガー・地盤)をセットで見る

結論と判断軸(最短で選ぶ)

結論(summaryConclusionを噛み砕く)

トラッククレーンとオールテレーンクレーンは、単なる能力差ではなく性能思想が異なります。機動性と汎用性を重視して現場に合わせやすいのがトラッククレーン、大規模現場で求められる吊上能力や作業半径の要求に対応しやすいのがオールテレーンクレーンです。

一次判断(Primary Axis)=「必要な吊上能力と作業半径」

一次判断は、現場要件を数字にすることから始まります。要件が固まれば、候補は自然に絞れます。
  • ✅ 吊り荷重量:最大重量(梱包・治具・玉掛け具含む)を基準にする
  • ✅ 最大作業半径:設置位置から吊り位置までの水平距離を基準にする
  • ✅ 揚程:吊り上げ高さと障害物(屋根・架線・足場)を前提にする
荷重・半径・揚程のどれかが不明な状態で「何tクラス」とだけ指定すると、当日の段取り替えや手配変更が起きやすくなります。

要件が曖昧な時の聞き取り項目(手配前に埋める)

  • 🔍 荷の形状:長尺・偏荷重・吊り点の位置で必要能力が変わる
  • 🔍 玉掛け方法:吊り具の種類・本数で荷重と姿勢が変わる
  • 🔍 障害物:屋根越し・足場越しは半径と揚程が増えやすい
  • 🔍 設置位置:敷地内のどこに据えるかで半径が決まる

二次判断(Secondary Axis)=移動性・設置スペース・コスト

  • ✅ 移動:現場間移動の頻度、回送のしやすさ、搬入経路の制約
  • ✅ 設置:アウトリガー展開余地、占有面積、地盤条件(敷板・養生)
  • ✅ コスト:稼働頻度に見合うか、過剰手配の回避、工程遅延リスク込みで比較
判断フロー(要件→候補→確認→確定)
  1. 荷重・作業半径・揚程を整理する
  2. 候補(トラッククレーン/オールテレーンクレーン)を一次判断で絞る
  3. 設置・回送・占有・安全条件を二次判断で詰める
  4. レンタル会社へ条件をセットで伝え、能力表と現地下見で最終確定する

性能比較(できること/できないことを線引き)

走行・移動の違い(公道走行・回送の考え方)

比較は「移動できる/できない」ではなく、移動計画が立てやすい/立てにくいで考えると現場判断に直結します。回送は経路・時間帯・誘導体制・通行条件などが工程リスクを左右します。
  • ✅ 現場間移動が多い場合は、回送段取りが工程を圧迫しやすい
  • ✅ 搬入経路の幅・曲がり・高架・重量制限は早めに確認する

作業能力の違い(吊上能力・作業半径・安定性)

最大吊上能力の比較だけでは、実務の可否判断になりません。重要なのはその作業半径で何t吊れるかです。能力表は「最大」よりも「半径が伸びた時の低下」を見ると手配ミスが減ります。
  • ✅ 作業半径が1〜2m伸びるだけで、吊れる重量が大きく変わる場合がある
  • ✅ 安定性はアウトリガー展開と地盤条件が揃って初めて成立する

設置条件の違い(アウトリガー・占有面積・地盤)

設置条件は「置けるか」よりも、計画通りの半径・姿勢が取れるかがポイントです。アウトリガーが十分に展開できない場合、能力表通りの作業ができない可能性が高まります。
  • ⚠️ 狭小現場はアウトリガーが開かず、必要半径が取れない失敗が起きやすい
  • ✅ 敷板・養生・支持力確認は、設置可否と事故予防の前提になる
判断軸 トラッククレーン(一般的な傾向) オールテレーンクレーン(一般的な傾向)
一次判断:吊上能力×作業半径 中規模までの要件に合わせやすい。半径要件が厳しい場合は要確認。 大規模現場で求められる要件に対応しやすい。半径・揚程の要求が厳しいときに選択肢になりやすい。
移動・回送計画 現場条件と回送段取りのバランスが取りやすい場合がある。 回送条件が工程に影響しやすい。経路・時間帯・誘導など事前確認が重要。
設置スペース・地盤 狭小地は相性が良い場合があるが、アウトリガー展開条件は必ず確認。 占有が大きくなる場合がある。地盤・養生・周辺規制を含めて計画が必要。
手配のしやすさ 一般論として選択肢が取りやすいケースがある(地域・レンタル会社の保有状況に依存)。 台数・条件により調整が必要になりやすい。早めの相談が安全。

代替できる範囲/代替できない境界(選んではいけないケースを先に)

トラッククレーンで代替できるかどうかは、能力の大小ではなく要件の厳しさ設置・回送の制約で決まります。
  • ⚠️ 半径が大きいのに「最大吊上能力」だけで判断している → 当日「その半径で吊れない」リスクが高い
  • ⚠️ アウトリガー展開が十分に取れない可能性がある → 計画通りの能力が出ない可能性がある
  • ✅ 要件が軽めで、設置と移動の段取りを優先したい → トラッククレーンが適合しやすい場合がある
  • ✅ 大規模・高能力・半径要求が厳しい → オールテレーンクレーンを候補に入れるのが安全側

選び方・比較・実践(チェックリスト/比較表/失敗例→回避策)

 最大吊上能力だけで判断して半径や設置回送で失敗するリスクを示す文字なし図解

3分で決めるチェックリスト(現場で使う版)

  • ✅ 吊り荷の最大重量(吊り具含む)は何tか
  • ✅ 最大作業半径は何mか(設置位置から吊り位置まで)
  • ✅ 揚程はどれくらい必要か(屋根・足場・障害物込み)
  • ✅ 設置位置にアウトリガー展開スペースは確保できるか
  • ✅ 地盤支持力と敷板・養生の要否は確認できているか
  • ✅ 搬入経路(幅・曲がり・高さ・重量制限)に問題はないか
  • ✅ 稼働頻度は単発か継続か(工程の柔軟性はあるか)
比較観点 トラッククレーン オールテレーンクレーン 要確認ポイント
吊上能力(半径で見る) 中規模要件で適合しやすい場合がある 高能力・大半径要件に対応しやすい場合がある 能力表で「該当半径の吊上能力」を確認
作業半径・揚程 条件次第で対応可能 厳しい要求に対応しやすい 障害物越えで半径が増えないか
移動・回送 段取りが取りやすい場合がある 条件により段取りが重指向になりやすい 経路・時間帯・誘導・通行条件
設置スペース 狭小地で適合する場合がある 占有が大きくなる場合がある アウトリガー展開幅、旋回範囲、周辺規制

失敗例→回避策(必須)

失敗例 なぜ起きるか 回避策(手配前にやること)
半径を見ずに最大吊上能力だけで選定し、実半径で吊れず作業中止 能力表の読み方が「最大」中心になり、該当半径の能力確認が抜ける 作業半径から能力表で逆算し、余裕率を見込む。障害物越えで半径が増える前提を置く
アウトリガーが開けず、計画通りの設置ができない 現地寸法と占有条件の確認不足。養生・敷板の想定漏れ 現地写真と寸法取りを実施し、アウトリガー展開・敷板・通行帯を含めて手配前に確認
回送条件を甘く見て当日遅延し、工程が崩れる 経路・時間帯・誘導体制・通行条件の詰め不足 回送・搬入計画(経路、時間帯、誘導)を先に押さえ、工程にバッファを持たせる

最終確認の手順(現場で迷わないフロー)

  1. 要件整理:荷重・作業半径・揚程・障害物を確定する
  2. 候補決定:一次判断で機種帯を絞る(トラッククレーン/オールテレーンクレーン)
  3. レンタル会社へ確認:能力表で成立するか、回送・設置条件の前提を共有する
  4. 現地下見:アウトリガー・敷板・養生・搬入経路を現場で確定する
  5. 手配確定:工程・安全体制(合図者・立入禁止)まで含めて確定する

費用感(レンタル/購入/外注の考え方)

レンタルが現実的になりやすい条件

  • ✅ 単発工事で稼働が読めない
  • ✅ 大規模機は保有メリットが出にくい(保管・整備・稼働計画が重い)
  • ✅ 段取り(回送・設置・安全管理)込みで、外部の知見を使いたい

購入検討が出やすい条件(一般論)

  • ✅ 稼働頻度が高く、同種工事が継続して発生する
  • ✅ 運用体制(保守・保管・日常点検・手配の社内ルール)が整っている
  • 📌 導入可否は機種・業務形態・法規要件で変わるため、事前に関係者で確認する

外注(クレーン作業一式)に寄せる判断

  • ✅ 計画・安全管理・オペ手配の負荷が大きい
  • ✅ 工程遅延ややり直しが許されない(大規模・重要工程)
  • ✅ 現場条件が難しい(狭小、障害物越え、地盤不安、回送条件が厳しい)

費用で失敗しないコツ

  • ✅ 「最安」より「工程遅延・やり直しリスク込み」で比較する
  • ✅ 追加費用が出やすい前提(回送条件、誘導、敷板、夜間・時間指定)を先に確認する
  • ✅ 見積比較は同じ前提条件(荷重・半径・設置条件・時間帯)で揃える

安全・法規・資格の注意(条件付きで安全に)

この章で扱う範囲(断定しない宣言)

免許・法令適用・作業可否は、車両条件・作業条件・現場ルールで変わります。本記事では安全側に倒すための確認項目手配時の伝達テンプレを示します。最終判断は元請の安全基準、レンタル会社、メーカー仕様に従ってください。

現場で必ず確認すべき項目

カテゴリ 確認ポイント
作業計画 荷重・半径・揚程、玉掛け方法、合図方法、作業手順
人・動線 立入禁止、合図者配置、誘導体制、第三者動線の分離
設置 アウトリガー設置、敷板・養生、地盤支持力、傾斜・段差
環境 風・天候、周辺障害物(架線・建物・足場)、作業時間帯

手配時にレンタル会社へ伝える情報(事故予防の実務)

条件を一括で伝えると、能力表確認・回送計画・現地下見が進みやすくなります。
項目 伝える内容(例)
荷重 最大重量(吊り具・治具含む)、偏荷重の有無
作業半径 設置位置から吊り位置までの距離、障害物越えの有無
揚程 吊り上げ高さ、建物高さ、足場・屋根越し条件
設置条件 アウトリガー展開余地、地盤状況、敷板・養生の要否
搬入・回送 搬入経路、時間帯、誘導の必要性、周辺規制
作業時間 作業開始・終了、工程上の制約、待機の有無

FAQ(短く即答)

トラッククレーンとラフター/オルターはどう違う?

結論:どれも現場に入って吊る機械ですが、走行・設置・能力の考え方が異なります。補足:比較は「荷重×半径」と「搬入・設置条件」を揃えて判断すると整理しやすいです。

最大吊上能力が同じならどっちでもいい?

結論:同じとは限りません。補足:必要な作業半径での吊上能力、アウトリガー展開、地盤条件、回送条件が揃って初めて「同等に使える」と判断できます。

狭い現場は必ずトラッククレーン?

結論:必ずではありません。補足:狭小現場ではアウトリガー展開と旋回範囲が制約になるため、現地寸法と作業半径を先に確定してから判断するのが安全です。

当日になって「吊れない」を防ぐには?

結論:半径から能力表で逆算し、設置条件まで含めて確定します。補足:荷重・半径・揚程・障害物・アウトリガー展開・地盤をセットでレンタル会社へ伝えると手配ミスが減ります。

レンタル見積で比較するときの注意点は?

結論:前提条件を揃えないと比較になりません。補足:回送・誘導・敷板・時間指定・下見の有無など、追加費用が出やすい項目を同条件で確認すると差が見えます。
迷ったときのチェック(3つ)
  • ✅ 作業半径が未確定なら、先に設置位置と吊り位置を固定して半径を出す
  • ✅ 能力は最大値ではなく「その半径で吊れる重量」で確認する
  • ✅ アウトリガー展開と地盤条件が不安なら、現地下見を前提に相談する

まとめ & CTA(要点→次の行動)

要点(3行)
  • ✅ 一次判断は「必要な吊上能力 × 作業半径」で決める
  • ✅ 次に「移動性・設置スペース・地盤・コスト」で絞り込む
  • ✅ 迷ったら「選んではいけないケース」に当てはまるかで逆判定する
次の行動(CTA)
まずはチェックリスト(荷重・作業半径・設置条件・搬入経路)を埋めた上で、レンタル会社へ「この条件で可能か」をセットで相談してください。条件が揃うほど、能力表確認・回送計画・現地下見がスムーズになり、当日の作業中止リスクを下げられます。

出典・参考情報

労働安全衛生に関する行政情報の入口。クレーン作業の安全確認先として参照しやすい公的サイト。
安全衛生の教育・資料がまとまる機関。現場の確認項目や安全管理の考え方整理に役立つ。
建設・土木分野の技術情報を扱う公的研究機関。施工計画や現場条件整理の参考にしやすい。
規格情報の入口。用語整理や関連規格の確認が必要な場合の参照先として有用。

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