手配直前に「3tで足りるか/4tに上げるか」で迷う場面は珍しくありません。判断を外すと、積載不足・作業半径不足・アウトリガーが張り出せない・進入や駐車が成立しない、という形で当日停止が起きやすくなります。
結論は、無理をしないなら、余裕が必要な現場は4t、成立条件が明確なら3tです。 3t/4tはクレーン性能そのものではなく、車両側の余裕(積載・安定性・作業成立の確実性)を考えるためのラベルとして扱うのが安全です。
この記事では、スペックの羅列ではなく「無理なく成立するか」を軸に、3tで限界になりやすい条件と4tを選ぶべき判断ラインを整理します。4tユニックの前提(車格・積載・運用の考え方)を整理してから判断したい場合は、4tユニックとはで基礎を確認すると、現場条件との突合がしやすくなります。荷・作業半径・進入/駐車・アウトリガー設置・法令の順で確認すれば、自分の現場条件で3t/4tのどちらを選ぶべきかを根拠付きで確定できます。
著者情報:ユニック車ガイド編集部(現場段取り・安全確認の観点で編集)
監修条件(重要):免許区分・資格・法令に関わる最終判断は、車両個体の車検証、クレーン定格荷重表、現場条件を前提に、レンタル会社/運送会社/現場責任者と突合して確定します。
- ✅ 吊り可否はクレーン仕様(定格荷重表・作業半径)で必ず別途確認する
- ✅ 進入・駐車・アウトリガー設置が成立しなければ作業は不可になる
- ✅ 免許・資格・法令は車両個体の車検証と作業内容で最終判断する
- ✅ 現場情報が不足するほど保守的に4t側で検討する
まず何で迷う?3t/4tの“違い”で誤解しやすいポイント
3t/4tは「クレーンの強さ」ではなく「車両側の余裕」のラベル
3tユニックと4tユニックの違いは、クレーン装置そのものの強さだけで決まる話ではありません。現場での実務判断では、3t/4tを「車格・積載・取り回し・安定性の余裕差」として扱うとミスが減ります。
- ✅ 3t:条件が明確なら成立しやすいが、余裕が小さい場面で限界が出やすい
- ✅ 4t:余裕を取りやすく、当日停止リスクを下げる方向に寄せやすい
吊り可否は別軸:定格荷重表×作業半径で決まる
「3tだから吊れる/4tなら安心」という判断は危険です。吊り上げの可否は、クレーンの定格荷重表と作業半径の組み合わせで決まります。3t/4t表記だけで吊り能力を断定しないことが最優先です。
- ✅ 確認する順番:作業半径 → 定格荷重表 → 荷の重量(吊り具含む)
- ⚠️ 半径が伸びるほど許容荷重は小さくなりやすい
当日停止を生む典型トラブル(先に把握)
- ✅ 積めない:総重量・荷姿・分割可否の見落とし
- ✅ 入れない:進入路の最狭部や曲がり角で詰む
- ✅ 半径不足:吊り位置が遠く、荷重表で成立しない
- ✅ 張り出せない:アウトリガー設置スペースや地盤が成立しない
結論と判断軸:無理をしない選び方(優先順位)

判断の中心は「当日停止リスクを最小化できるか」
3tか4tかの選定で最も重要なのは、作業が当日止まらない状態を作れるかです。余裕を含めて成立するかを中心に置くと、無理な手配を避けられます。
- ✅ 比較の軸:余裕を含めて成立するか(積載・半径・進入/駐車・張り出し)
- ✅ 現場情報が不足するほど、保守的に成立条件を詰める必要がある
判断の順番(5ステップ)
迷いを減らすために、確認の順番を固定します。順番を守ると、3t/4tの議論が具体化しやすくなります。
- ✅ 1:荷(総重量・荷姿・分割可否)
- ✅ 2:半径(吊り位置と作業半径)→定格荷重表
- ✅ 3:進入・駐車(入る/停める/交通規制)
- ✅ 4:アウトリガー設置・地盤(張り出しスペース/敷板/水平)
- ✅ 5:法令・資格(車検証と作業内容で突合)
短い仮決めルール(迷ったら)
- ✅ 情報不足・余裕が必要な現場:4t寄りで検討する
- ✅ 条件が明確・軽量・狭所中心:3tで検討できる
- ⚠️ 最終確定は「現場条件×車検証×定格荷重表×事業者突合」で行う
能力差(積載×作業半径)を分けて考える
運ぶ能力:荷の総重量・荷姿・分割可否で差が出る
運搬面での差は、総重量だけでは決まりません。荷姿が大きい、分割できない、複数便にしたくないなどの条件が重なるほど、車両側の余裕が効いてきます。
- ✅ 3tで成立しやすい:荷が軽量で分割できる/搬入計画が固まっている
- ✅ 4tが必要になりやすい:重量物・一体物/追加便が許されない/段取り遅れが許容されない
吊る能力:クレーン仕様(定格荷重表)で差が出る
吊り上げの成立は、車両の3t/4t表記ではなく、クレーン装置の定格荷重表と作業半径で決まります。作業半径が伸びるほど成立条件は厳しくなりやすい点に注意が必要です。
- ✅ 吊り荷の重量は「荷+吊り具(ワイヤ・シャックル等)」で見る
- ✅ 吊り位置が離れるほど、荷重表上の許容荷重が小さくなりやすい
- ⚠️ 荷重表が確認できない段階で「吊れる」と判断しない
3tが厳しくなりやすい“典型ライン”
3tで厳しくなるのは、単独の要素ではなく「余裕を削る条件」が重なる場面です。次の条件が重なるほど、4t側で成立条件を詰める判断が安全です。
- ✅ 重量物・一体物で分割できない
- ✅ 吊り位置が遠く、作業半径が伸びる
- ✅ 障害物があり、車両を寄せられない
- ✅ アウトリガー張り出しが制限される
4tのメリットが出やすい場面
4tは、余裕を取って当日停止リスクを下げたいときにメリットが出やすい選択肢です。安全余裕・段取りの確実性・手戻り低減という観点で検討すると判断が揺れにくくなります。
- ✅ 現場情報が不完全で、当日調整が起きやすい
- ✅ 作業を止められない(待機・再手配が致命的)
- ✅ 安全余裕を確保したい(地盤・張り出し・障害物が不安)
サイズ・取り回し・進入条件:入れるか/停められるか
進入条件の違いを先に潰す(幅・高さ・切り返し・上空障害)
車両を上げても、現場に入れない・停められないなら作業は成立しません。寸法の暗記よりも、詰みやすい条件を先に洗い出す方が実務的です。
- ✅ 最狭部の道路幅・曲がり角・切り返しスペース
- ✅ 高さ制限(低い架線・樹木・庇・門型)
- ✅ 上空障害(電線・看板・軒先)
狭小現場の考え方:3tが有利な条件/4tで詰む条件
狭小現場では、取り回しの良さが優先になる場面があります。4tを選んでも、進入と駐車が成立しないなら意味がありません。進入制約が強い場合は、成立条件を優先して再評価します。
- ✅ 3tが有利:住宅街の狭い進入路/駐車余裕が小さい/切り返しが厳しい
- ⚠️ 4tで詰みやすい:停車位置が確保できない/交通規制が取れない/張り出し余裕がない
写真がなくても詰める情報セット
現場写真がない場合でも、情報セットが揃えば事業者と具体的に詰められます。情報不足を放置すると、当日停止リスクが上がります。
- ✅ 間口(搬入口)と最狭部の道路幅
- ✅ 駐車位置(停める場所)と作業スペース
- ✅ 吊り位置と据付位置(距離と障害物)
- ✅ 上空障害(電線・樹木・庇)
安全性・安定性:アウトリガー/地盤で差が出る場面
基準は「作業できる」より「安全に安定してできる」
無理をしない選び方では、作業成立よりも安全に安定して成立するかを重視します。張り出し不足・地盤不明・水平不良がある場合は、作業中止判断に直結します。
- ✅ アウトリガーが張り出せないなら作業は不可になりやすい
- ⚠️ 地盤が弱い・沈み込みが疑われる場合は保守的に判断する
アウトリガー設置の成立条件
アウトリガー設置は、張り出しスペースだけでなく、敷板・水平・沈み込みの懸念まで含めて成立させる必要があります。
- ✅ 張り出しスペースが確保できる(障害物・段差の確認)
- ✅ 敷板が必要な地盤かを判断する(未舗装・盛土・雨天後)
- ✅ 水平が取れる(傾斜・段差・路肩の沈み込み)
転倒リスクを下げたいときの選び方
転倒リスクを下げたい場合は、車両を上げる以外にも「配置の見直し」「作業方法の見直し」を同時に検討する方が安全です。
- ✅ 4t側で余裕を取り、成立条件を詰める
- ✅ 停車位置・吊り位置を変更して作業半径を短くする
- ✅ 敷板・養生・地盤対策を前提にする
選び方・比較・実践:チェックリスト/比較表/失敗例→回避策

手配前チェックリスト(業者へ渡す用テンプレ)
手配前に情報を揃えると、3t/4tの議論が「成立条件の突合」になり、当日停止リスクが下がります。テンプレとしてそのまま使えます。
- ✅ 荷:総重量/荷姿/分割可否/吊り点/吊り具
- ✅ 半径:吊り位置→据付位置/障害物/寄せられる距離
- ✅ 進入:道幅(最狭部)/曲がり角/段差/勾配/高さ制限
- ✅ 駐車:停車位置/作業スペース/交通規制の要否
- ✅ 地盤:舗装/未舗装/沈み込み懸念/敷板の要否
| 比較項目 | 3tユニック | 4tユニック |
|---|---|---|
| 運搬(積載・荷姿) | 条件が明確なら成立しやすい。余裕が小さい場面で限界が出やすい。 | 余裕を取りやすい。追加便や手戻りを減らす方向に寄せやすい。 |
| 吊り(別軸) | 定格荷重表×作業半径で成立確認が必須(3t表記で断定しない)。 | 同様に荷重表で確定。余裕を見込むほど成立条件を詰めやすい。 |
| 取り回し・進入 | 狭所で有利になりやすい。進入制約が強い現場で検討しやすい。 | 余裕は取れるが、進入・駐車が成立しないと作業不可。条件突合が重要。 |
| 安定性・安全余裕 | 張り出し・地盤・水平の影響を受けやすい場面がある。 | 余裕を確保しやすい方向に寄せられる。安全余裕を取りたい場面で有利。 |
| 費用(総コスト) | 基本料金だけで判断すると、追加便・待機で高くなる場合がある。 | 条件次第で合理的。停止リスクや手戻り低減を含めて比較する。 |
| 当日停止リスク | 条件が曖昧なまま手配すると上がりやすい。 | 余裕確保で下げやすいが、進入/駐車/張り出しが成立しないと不可。 |
失敗例→回避策(最低3パターン)
- ⚠️ 失敗例:3tで追加便が発生した
✅ 回避策:荷の総重量・荷姿・分割可否を先に確定し、追加便リスク込みで総コスト比較する - ⚠️ 失敗例:3tで作業半径不足になった
✅ 回避策:吊り位置から作業半径を見積り、定格荷重表で成立確認してから車両を確定する - ⚠️ 失敗例:アウトリガーが張り出せず中止になった
✅ 回避策:設置スペース・地盤・敷板の要否を事前に確認し、停車位置や方法を見直す前提で詰める
迷ったときの保守的ルール(運用ルール化)
情報不足は停止リスクを増やします。3tで無理をしやすい条件を先に整理してから判断したい場合は、3tユニックが向かないケースで典型パターンを確認すると、手配前チェックリストの詰めが具体化します。
- ✅ 情報不足の場合は4t側で成立条件を詰める
- ✅ 進入制約が強い場合は成立条件(入る/停める/張り出せる)を最優先に再評価する
費用感:レンタル/チャーター/購入/外注をどう比べるか
費用は「基本料金+追加便+待機+手戻り+人員+リスク」で比較
3t/4tの費用差は条件で変動します。基本料金だけで判断すると、追加便・待機・再手配のコストで逆転する場合があります。
- ✅ 3tが安く見えて高い:追加便が発生/半径不足で段取りが崩れる/待機が出る
- ✅ 4tが得になりやすい:停止させられない現場/手戻りを減らしたい/安全余裕を取りたい
見積りの揃え方(条件を揃えて比較)
比較の前提が揃っていないと、3t/4tの見積りは判断に使いにくくなります。荷・半径・進入/駐車・作業時間の前提を揃えて依頼します。
- ✅ 荷(重量・荷姿・分割可否)
- ✅ 作業半径(吊り位置と据付位置の関係)
- ✅ 進入/駐車条件(停車位置と交通規制の要否)
- ✅ 作業時間(待機が出やすい要素の有無)
購入/外注の考え方(一般化しすぎない)
購入か外注かは、稼働頻度と運用体制で判断が変わります。保管・点検・資格体制・代替手段まで含めて検討します。
- ✅ 稼働頻度が低い場合は外注が合理的になりやすい
- ✅ 資格体制・点検体制が整わない場合は外注で安全側に寄せやすい
- ✅ 外注時は手配前チェックリストの共有が最重要になる
法規・資格・確認手順(YMYL:グレーを作らない)
免許・資格は断定でなく「確認手順」で確定する
免許・資格・法令は、一般論で言い切るとミスが生まれます。車両個体の車検証と、実際の作業内容を前提に確認して確定します。
- ✅ 運転(車両側):車検証で確認する
- ✅ 吊り作業(作業側):定格荷重表と作業内容で突合する
- ⚠️ 不明点は事業者へ確認し、グレーのまま進めない
車検証で見るポイント(運転に関わる)
運転要件の判断は、車検証の記載と車両個体の条件で変わる可能性があります。車両区分・車両総重量・最大積載量の確認を軸にし、判断が不明な場合は事業者へ確認します。
- ✅ 車両区分(免許区分に関係する場合がある)
- ✅ 車両総重量(運転要件の判断材料)
- ✅ 最大積載量(過積載リスクを避ける基礎)
作業に関わる確認(クレーン操作・玉掛け)
クレーン操作や玉掛けの要件は、作業内容と機材条件で判断が変わります。クレーン仕様(荷重表)・吊り具・作業方法を事業者と突合し、現場の運用で確定します。
- ✅ クレーン仕様(定格荷重表)で成立確認を行う
- ✅ 吊り具と吊り荷重量(吊り具込み)を揃える
- ✅ 作業方法(停車位置・半径・安全対策)を合わせる
最終確定の手順(短い手順書)
- ✅ 1:車検証で車両条件を確認する
- ✅ 2:定格荷重表と作業半径で吊り成立を確認する
- ✅ 3:進入/駐車/アウトリガー設置が成立するか現場条件で確認する
- ✅ 4:事業者と突合し、成立範囲で手配を確定する
「必ず大丈夫」という保証はできません。成立条件を揃えた上で、当日停止リスクを下げる方向に詰めることが重要です。
FAQ
3tと4t、結局どっちが吊れますか?
吊りは3t/4t表記では決まりません。クレーンの定格荷重表と作業半径、吊り荷重量(吊り具含む)で成立を確認します。
迷ったら4tにしても問題ありませんか?
余裕を取る判断は合理的ですが、進入・駐車・アウトリガー設置が成立しない場合は作業不可になります。成立条件を先に突合して確定します。
荷が軽いのに4tを勧められました。なぜですか?
荷の重量だけでなく、作業半径・停車位置・張り出し制約・安全余裕が理由になる場合があります。半径と荷重表、設置条件を合わせて判断します。
3tで対応できる上限はどこですか?
荷・作業半径・進入/駐車・アウトリガー設置が同時に成立する範囲が上限になります。車両個体差があるため、車検証と定格荷重表で確定します。
費用差はどのくらいですか?
条件で変動します。基本料金だけでなく、追加便・待機・手戻りを含めた総コストで比較します。
現場写真がない場合の詰め方はありますか?
間口、最狭部の道路幅、駐車位置、吊り位置と据付位置、上空障害の情報セットを揃えると、事業者と成立条件を具体的に詰められます。
まとめ+CTA
要点は3つです。
- ✅ 3t/4tは車両側の余裕差であり、吊り可否は荷重表×作業半径で別に確定する
- ✅ 判断は「荷・半径・進入/駐車・アウトリガー/地盤・法令」が同時に成立するかで行う
- ✅ 情報不足ほど停止リスクが増えるため、保守的に成立条件を詰めて確定する
次に取る行動
🧭 手配前チェックリスト(荷・半径・進入/駐車・アウトリガー/地盤・法令/資格)を埋めて事業者に共有し、車検証と定格荷重表で最終確定します。


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