【トラックの行政処分】違反点数と処分内容

運送事業の書類管理とトラック車庫の雰囲気で行政処分の緊張感を示す写真風イメージ トラック基礎

トラックの行政処分を確認するときは、運転者個人の免許点数と、貨物自動車運送事業者に付される違反点数を分けて考える必要があります。この2つは対象者、点数の計算方法、処分内容が異なる制度です。

一般貨物自動車運送事業者や特定貨物自動車運送事業者の違反点数は、原則として処分日車数10日車までごとに1点へ換算され、事業者ごと、地方運輸局の管轄区域単位で累積されます。累積期間は原則3年間ですが、所定の条件をすべて満たす営業所については2年で消滅する例外があります。

ただし、処分内容が累積点数だけで決まるわけではありません。全運転者に対して点呼を全く実施していない場合や、営業所の全車両について定期点検整備を全く実施していない場合など、累積点数にかかわらず原則30日間の事業停止となる重大な違反もあります。

運転者の点数と会社の点数を分けて処分内容を確認する流れ

個別の処分は、違反内容、初違反か再違反か、処分歴、対象営業所、違反車両数、事業者による下命・容認の有無などによって変わります。通知書や監査結果を受け取っている場合は、記事内の数値だけで処分を確定せず、地方運輸局や運輸支局などへ確認してください。

この記事で分かること

  • 運転免許の違反点数と運送事業者の違反点数の違い
  • 処分日車数から違反点数へ換算する方法
  • 事業停止や許可取消しとなる主な数値基準
  • 点呼、過積載、勤務時間、点検整備に関する代表的な処分日車数
  • 監査や行政処分の通知を受けたときの確認手順
著者情報
ユニック車ガイド編集部。トラックの現場で必要となる法令、車両条件、確認手順を、実務で判断しやすい形に整理しています。
監修・確認に関する方針
本記事は行政処分制度の一般的な説明であり、個別案件の処分を確定するものではありません。通知書、監査結果、違反条項、処分歴、営業所の状況によって扱いが異なります。個別案件は、地方運輸局、運輸支局、警察、道路管理者、弁護士、行政書士などの適切な窓口へ確認してください。
  1. トラックの行政処分は3つの制度を区別する
    1. 運転者個人の免許停止・免許取消し
    2. 運送事業者の車両使用停止・事業停止・許可取消し
    3. 通行禁止・重量制限等の違反は別枠で確認する
  2. 貨物自動車運送事業者の行政処分の種類
    1. 警告・勧告と行政処分の違い
    2. 自動車等の使用停止
    3. 事業停止
    4. 許可取消し
  3. 違反点数は処分日車数10日車までごとに1点
    1. 処分日車数とは
    2. 違反点数の計算例
    3. 違反点数は管轄区域単位で管理される
    4. 累積期間は原則3年間
    5. 条件を満たす場合の2年間の例外
  4. 数値で確認|事業停止・許可取消しの基準
    1. 累積30点以下で270日車以上の場合
    2. 累積31点以上で180日車以上の場合
    3. 累積51~80点の事業停止
    4. 累積81点以上の許可取消し
  5. 累積点数にかかわらず事業停止になる重大違反
    1. 全運転者への点呼を全く実施していない場合
    2. 全車両の定期点検を全く実施していない場合
    3. 運行管理者・整備管理者が不在の場合
    4. 勤務時間等基準告示が著しく守られていない場合
  6. 違反項目別の処分日車数
    1. 点呼未実施・点呼実施不適切
    2. 点呼記録の違反
    3. 過積載の引受け・指示・監督不足
    4. 勤務時間等基準告示違反
    5. 日常点検・定期点検の未実施
  7. 運転免許の違反点数と事業者の違反点数は別
    1. 前歴なしでは6~14点が停止、15点以上が取消しの基本例
    2. ドライバーの違反が会社の処分につながる場合
  8. 通行条件違反を防ぐための確認先
    1. 通行禁止標識を確認する
    2. 標識の数値が何を示すか確認する
    3. 高さ・幅・重量の制限を確認する
  9. 行政処分や監査の通知を受けたときの確認手順
  10. FAQ(よくある質問)
    1. トラックの行政処分でいう違反点数とは何ですか?
    2. 処分日車数10日車は何点になりますか?
    3. 違反点数は何年間累積されますか?
    4. 何点で事業停止や許可取消しになりますか?
    5. ドライバーの免許点数と会社の違反点数は同じですか?
    6. 点呼未実施や過積載はどのような処分になりますか?
  11. まとめ
  12. 出典・参考情報

トラックの行政処分は3つの制度を区別する

運転者と運送事業者の違反点数から行政処分までの確認手順

トラックに関する違反では、運転者、運送事業者、使用者など、処分を受ける対象が異なる場合があります。最初に次の3区分を整理しておくと、点数や処分内容の混同を防げます。

確認する制度 主な対象 点数・処分の考え方 主な結果 主な確認先
運転免許の点数制度 ドライバー個人 交通違反や交通事故の点数を過去3年間で累積 免許停止、免許取消し 都道府県公安委員会、警察
運送事業者の行政処分制度 一般貨物自動車運送事業者、特定貨物自動車運送事業者など 違反ごとの基準日車等を合計し、処分日車数と違反点数を算定 自動車等の使用停止、事業停止、許可取消し 国土交通省、地方運輸局、運輸支局
通行禁止・重量制限等の違反 違反内容により運転者、使用者、運送事業者など 道路交通法、道路法、車両制限令などの個別基準で判断 免許点数、使用制限、運送事業者への行政処分等につながる場合がある 警察、道路管理者、地方運輸局など

運転者個人の免許停止・免許取消し

運転者個人に対する点数制度は、道路交通法上の交通違反や交通事故を対象とする制度です。交通違反ごとの基礎点数、事故の付加点数、過去3年間の累積点数、行政処分歴などにより、免許停止や免許取消しが判断されます。

運送事業者の車両使用停止・事業停止・許可取消し

一般貨物自動車運送事業者等に対する行政処分では、点呼、運行管理、過積載防止、勤務時間管理、点検整備などの違反が対象になります。違反ごとに基準日車等が定められ、それらを合計した処分日車数を基に、自動車等の使用停止や違反点数が算定されます。

貨物軽自動車運送事業者にも行政処分基準の一部が準用されますが、事業停止などの適用方法には読替えがあります。一般貨物自動車運送事業者等と完全に同じ制度と考えず、該当する基準を個別に確認する必要があります。

通行禁止・重量制限等の違反は別枠で確認する

通行禁止標識、重量制限、高さ制限、特殊車両通行許可などは、それぞれの法令や標識の条件を先に確認します。その違反が確認された後、運転者の免許点数や運送事業者の行政処分へどのようにつながるかを分けて判断します。

処分を防ぐには、通行する車両の全長・全幅・全高・重量を事前に把握することも重要です。小型・中型・大型トラックの寸法を比較する場合は、【トラックの大きさ】乗用車との比較で感覚がつかめる寸法ガイドも確認してください。

貨物自動車運送事業者の行政処分の種類

国土交通省の基準では、一般貨物自動車運送事業者と特定貨物自動車運送事業者に対する行政処分は、軽いものから順に、自動車等の使用停止、事業停止、許可取消しとされています。

区分 位置付け 主な内容
勧告 行政処分に至らない措置 軽微な違反について改善を求める
警告 行政処分に至らない措置 勧告より重い違反や再違反などについて文書等で警告する
自動車等の使用停止 行政処分 処分日車数に基づき、違反営業所等の事業用自動車の使用を一定期間停止する
事業停止 行政処分 対象営業所の事業用自動車の使用や関係業務を停止する
許可取消し 最も重い行政処分 貨物自動車運送事業の許可を取り消す

警告・勧告と行政処分の違い

勧告と警告は、自動車等の使用停止、事業停止、許可取消しという3種類の行政処分には含まれません。ただし、国土交通省の基準では、これらをまとめて「行政処分等」として扱っています。

初違反では警告となる違反でも、再違反では10日車や20日車などの処分日車数が付されることがあります。

自動車等の使用停止

自動車等の使用停止処分は、原則として違反営業所等に所属する事業用自動車を対象に、処分日車数に基づいて6か月以内の期間で行われます。

処分対象となる車両数や停止日数は、処分日車数と営業所の保有台数を基に決められます。処分時には、自動車検査証の返納や自動車登録番号標の領置などが行われる場合があります。

事業停止

事業停止処分では、対象営業所に所属するすべての事業用自動車の使用だけでなく、貨物自動車利用運送や、事業用施設で他営業所の車両を使用して行う貨物の取扱いなど、対象営業所に関係する行為も停止対象になります。

許可取消し

許可取消しは、累積点数が81点以上となった場合のほか、事業停止処分を過去2年間に3回受けた事業者が再び所定の事業停止基準に該当した場合、使用停止命令や事業停止命令に違反した場合、重大違反を一定期間内に繰り返した場合などにも行われる可能性があります。

違反点数は処分日車数10日車までごとに1点

処分日車数とは

処分日車数は、違反行為ごとに定められた基準日車等を合計した数値です。自動車等の使用停止処分の重さを表す単位として使われます。

例えば、1台を10日間停止する場合と、2台を5日間停止する場合は、いずれも合計10日車という考え方になります。ただし、実際に停止する車両数と期間は、営業所の配置車両数や国土交通省の配分基準によって決まります。

違反点数の計算例

処分日車数から違反点数へ換算するときは、10日車までごとに1点として計算します。10日車で割り切れない端数がある場合も、次の1点に含まれます。

処分日車数 違反点数
1~10日車 1点
11~20日車 2点
21~30日車 3点
60日車 6点
120日車 12点

注意:重大違反によって原則30日間の事業停止となる場合は、処分日車数から算定する点数とは別に、原則として違反行為ごとに30点が付されます。

違反点数は管轄区域単位で管理される

違反点数は事業者ごとに、地方運輸局の管轄区域単位で累積され、違反営業所を管轄する地方運輸局が管理します。

同じ会社でも、異なる地方運輸局の管轄区域に営業所がある場合は、管轄区域単位で点数を確認する必要があります。

累積期間は原則3年間

違反点数の累積期間は原則3年間です。行政処分を行った日から3年を経過する日に、その違反点数が消滅します。

違反行為を行った日ではなく、行政処分を行った日を基準としている点に注意してください。

条件を満たす場合の2年間の例外

行政処分を受けた営業所が次の条件をすべて満たす場合は、行政処分を行った日から2年を経過する日に違反点数が消滅します。

  1. 処分前の2年間に行政処分を受けていない、または違反行為を行った日に安全性優良事業所として認定されている
  2. 行政処分で求められた措置を履行し、処分後2年間に新たな行政処分を受けていない
  3. 処分後2年間に、事業者の運転者等が第一当事者と推定される所定の重大事故を起こしていない
  4. 処分後2年間に、救護義務違反、酒酔い運転、薬物等使用運転、妨害運転、無免許運転、酒気帯び運転、過労運転、大型自動車等無資格運転がない

単に2年間違反がなければ自動的に消えるわけではありません。また、行政処分を受けた営業所を廃止した場合は、この2年間の特例が適用されません。

法人の合併、相続、会社分割、事業譲渡があった場合も、違反点数が一定期間引き継がれる取扱いがあります。

数値で確認|事業停止・許可取消しの基準

累積点数と処分日車数による事業停止・許可取消し基準の比較

事業停止には、処分日車数と累積点数の組合せで判断されるものと、重大違反によって直接行われるものがあります。

累積点数等の条件 今回の処分日車数 事業停止期間 主な処分対象
管轄区域の累積点数が30点以下 270~359日車 3日 違反営業所等
360~499日車 7日
500日車以上 14日
管轄区域の累積点数が31点以上 180~269日車 3日 違反営業所等
270~359日車 7日
360~499日車 14日
違反点数の付与によって累積51~80点となった場合 処分日車数の区分によらず原則適用 3日 違反営業所等が所在する管轄区域内の営業所。ただし、別の事業停止対象となる営業所などを除く
違反点数の付与によって累積81点以上となった場合 許可取消し 事業者

累積30点以下で270日車以上の場合

管轄区域の累積点数が30点以下でも、違反営業所等に一度に270日車以上の処分日車数が付されると事業停止の対象になります。

270~359日車は3日、360~499日車は7日、500日車以上は14日が基準です。

累積31点以上で180日車以上の場合

累積点数が31点以上になると、事業停止となる処分日車数の基準が180日車以上へ下がります。

180~269日車は3日、270~359日車は7日、360~499日車は14日が基準です。

累積51~80点の事業停止

違反点数の付与によって管轄区域の累積点数が51~80点となった場合は、原則3日間の事業停止となります。

この場合、処分対象は単に違反営業所だけとは限らず、違反営業所等が所在する管轄区域内の営業所に広がることがあります。ただし、重大違反などによって別の事業停止対象となる営業所は除かれるため、通知書の対象範囲を確認してください。

累積81点以上の許可取消し

違反点数の付与によって一つの管轄区域の累積点数が81点以上となった場合は、原則として許可取消しの対象になります。

許可取消しの基準は81点以上だけではありません。過去2年間に事業停止処分を3回受けた後、再び所定の事業停止基準に該当した場合や、停止命令に違反した場合なども取消しの対象になる可能性があります。

累積点数にかかわらず事業停止になる重大違反

次の重大違反に該当する場合は、累積点数が低い事業者でも、原則として違反営業所等に30日間の事業停止処分が行われます。

重大違反 原則的な処分 違反点数
勤務時間・乗務時間の基準が著しく遵守されていない 30日間の事業停止 原則30点
全運転者等に対して点呼を全く実施していない 30日間の事業停止 原則30点
営業所の全事業用自動車について定期点検整備を全く実施していない 30日間の事業停止 原則30点
整備管理者が全く不在 30日間の事業停止 原則30点
運行管理者が全く不在 30日間の事業停止 原則30点
名義貸し 30日間の事業停止 原則30点
事業の貸渡し等 30日間の事業停止 原則30点
検査の拒否、妨害、忌避、無回答、虚偽陳述 30日間の事業停止 原則30点

全運転者への点呼を全く実施していない場合

ここでいう「点呼を全く実施していない」とは、乗務前、乗務後、必要な中間点呼について、法令上確認すべき点呼項目を全く実施していない状態を指します。

一部の点呼漏れや点呼項目の不足とは区別され、重大違反として30日間の事業停止の対象になります。

全車両の定期点検を全く実施していない場合

一部の車両で定期点検が未実施だった場合は、違反車両数や未実施回数に応じて処分日車数が算定されます。一方、営業所に配置するすべての事業用自動車で定期点検整備を全く実施していない場合は、30日間の事業停止の対象です。

運行管理者・整備管理者が不在の場合

監査時に、急死や急病などの特段の理由がないにもかかわらず、運行管理者または整備管理者の選任を怠っていた場合が対象になります。

運行管理者が不在であるために全運転者への点呼未実施にも該当した場合は、違反点数を単純に30点ずつ加算するのではなく、合わせて30点とする例外があります。

勤務時間等基準告示が著しく守られていない場合

国土交通省の細部取扱いでは、勤務時間等基準告示の未遵守が1か月間で計31件以上あった運転者が3名以上確認され、さらに過半数の運転者で拘束時間の未遵守が確認された場合を「著しく遵守されていない」としています。

違反項目別の処分日車数

点呼や過積載などの違反リスクと防止策を整理した図解

次の数値は、国土交通省の現行基準における代表例です。初違反か再違反か、調査対象、違反件数、違反車両数、複数違反の合算などによって実際の処分日車数は変わります。

点呼未実施・点呼実施不適切

点呼の実施違反は、点呼が必要な回数100回を調査単位として判断されます。

違反内容 初違反 再違反
点呼未実施19件以下 警告 10日車
点呼未実施20件以上 1日車×未実施件数 2日車×未実施件数
一部実施不適切 警告 10日車
すべて実施不適切 10日車 20日車
飲酒運転防止に係る点呼実施義務違反 100日車 200日車

点呼の実施状況は、原則として点呼記録によって確認されます。ただし、明らかに実施したことを書面等で証明できる場合には、個別に取り扱われることがあります。

点呼記録の違反

点呼そのものを実施していない違反と、点呼は実施したものの記録や保存に不備がある違反は別に扱われます。

違反内容 初違反 再違反
一部記録なし 警告 10日車
すべて記録なし 30日車 60日車
記載事項等の不備 警告 10日車
記録の改ざん・不実記載 60日車 120日車
一部保存なし 警告 10日車
すべて保存なし 30日車 60日車

記録の改ざんは行わないでください。記録が不足している場合は、現在確認できる事実を正確に整理し、地方運輸局や運輸支局へ今後の是正方法を確認します。

過積載の引受け・指示・監督不足

道路交通法上の過積載違反は運転者個人の処分につながる一方、運送事業者が過積載運送を引き受けた、指示した、前提とする運行計画を作成したなどの場合は、事業者側にも行政処分が行われる可能性があります。

違反内容 初違反 再違反
過積載の程度が5割未満 10日車×違反車両数 20日車×違反車両数
過積載の程度が5割以上10割未満 20日車×違反車両数 40日車×違反車両数
過積載の程度が10割以上 30日車×違反車両数 60日車×違反車両数
過積載運送を前提とした運行計画の作成 10日車 20日車
過積載運送の指示 20日車 40日車
過積載防止の指導・監督の怠慢 10日車 20日車

事業者や運行管理者が過積載運行を命じ、または容認していたとして、都道府県公安委員会から所定の通知等があった場合は、処分日車数による処分とは別に、7日間の事業停止が付加される基準があります。

勤務時間等基準告示違反

運転者の勤務時間・拘束時間・休息期間などに関する違反は、未遵守件数に応じて基準日車等が決まります。

違反内容 初違反 再違反
各事項の未遵守合計5件以下 警告 10日車
各事項の未遵守合計6件以上 2日車×未遵守件数 4日車×未遵守件数
1か月の拘束時間・休日労働限度に関する未遵守1件 別途10日車を加算 別途20日車を加算
1か月の拘束時間・休日労働限度に関する未遵守2件以上 別途20日車を加算 別途40日車を加算

1か月の拘束時間や休日労働の限度に関する違反は、通常の未遵守件数として計上したうえで、別立ての基準日車を合算する場合があります。このため、未遵守件数だけを見て処分日車数を確定することはできません。

日常点検・定期点検の未実施

違反内容 初違反 再違反
日常点検の月間未実施6回未満 警告 3日車×違反車両数
日常点検の月間未実施6回以上15回未満 3日車×違反車両数 6日車×違反車両数
日常点検の月間未実施15回以上 5日車×違反車両数 10日車×違反車両数
定期点検整備等の年間未実施1回 警告 5日車×違反車両数
定期点検整備等の年間未実施2回 5日車×違反車両数 10日車×違反車両数
定期点検整備等の年間未実施3回以上 10日車×違反車両数 20日車×違反車両数

日常点検は1台の車両について1か月の未実施回数、定期点検整備等は1台の車両について1年間の未実施回数を基準に算定します。

営業所の全事業用自動車について定期点検整備を全く実施していない場合は、上記の車両数による算定ではなく、重大違反として原則30日間の事業停止となります。

運転免許の違反点数と事業者の違反点数は別

ドライバー個人の道路交通法上の点数が、そのまま運送事業者の違反点数として加算されるわけではありません。

比較項目 運転免許の点数 運送事業者の違反点数
対象 運転者個人 貨物自動車運送事業者
主な根拠 道路交通法 貨物自動車運送事業法等
点数の付け方 違反・事故ごとの基礎点数と付加点数 処分日車数10日車までごとに1点。重大違反では別途30点となる場合がある
主な処分 免許停止、免許取消し 自動車等の使用停止、事業停止、許可取消し

前歴なしでは6~14点が停止、15点以上が取消しの基本例

過去3年以内に行政処分を受けたことがない運転者の場合、一般違反行為では累積6~14点が停止処分、15点以上が取消処分の基本例です。

ただし、行政処分歴が1回ある場合は4~9点が停止、10点以上が取消しとなるなど、前歴によって基準は変わります。特定違反行為、事故の付加点数、無事故・無違反期間の優遇措置もあるため、6点で必ず同じ期間の免許停止になるとは限りません。

ドライバーの違反が会社の処分につながる場合

運転者個人の違反点数と会社の違反点数は別制度ですが、次のような事情がある場合は、会社側にも行政処分が行われる可能性があります。

  • 事業者や運行管理者が違反を命じた
  • 事業者や運行管理者が違反を容認した
  • 違反防止に必要な指導・監督を明らかに実施していない
  • 点呼、運行管理、勤務時間管理などに別の法令違反がある
  • 都道府県公安委員会から国土交通省側へ所定の通知等が行われた

通行条件違反を防ぐための確認先

通行禁止標識を確認する

「2tトラックは進入できるか」「最大積載量と車両総重量のどちらで判断するか」など、通行禁止区間への進入可否は、【トラックの通行禁止標識】違反にならない判断基準で確認してください。

標識の数値が何を示すか確認する

「積3t」「重量3t」「高さ3.8m」は、それぞれ確認する数値が異なります。標識全般の意味は、【トラックの標識】意味と注意点で整理しています。

高さ・幅・重量の制限を確認する

道路を通行できる車両の高さ、幅、長さ、重量の一般的制限値や、特殊車両通行許可の確認は、【トラックの車両制限令】高さ・幅・重量の基本と違反リスクを参考にしてください。

行政処分や監査の通知を受けたときの確認手順

通知や監査結果を受け取った場合は、処分名だけを見て判断せず、次の順番で内容を整理します。

  1. 法令・条項・違反事項を確認する
    通知書や監査結果に記載された法律、省令、条項、違反項目を確認します。
  2. 処分を受ける対象を分ける
    運転者個人の違反か、事業者または営業所の違反かを分けます。
  3. 措置と行政処分を分ける
    勧告、警告、処分日車数、自動車等の使用停止、事業停止、許可取消しを区別します。
  4. 処分日車数と違反点数を分ける
    違反ごとの処分日車数と、10日車までごとに1点へ換算した違反点数を分けて確認します。
  5. 累積点数と処分日を確認する
    管轄区域の現在の累積点数と、それぞれの行政処分が行われた日を確認します。
  6. 対象範囲を確認する
    対象営業所、配置車両数、違反車両数、運転者、調査期間を確認します。
  7. 初違反か再違反かを確認する
    同じ違反項目について過去の行政処分等があるかを確認します。
  8. 下命・容認の有無を確認する
    事業者や運行管理者が違反を命じた、容認した、指導監督を怠ったと判断されているかを確認します。
  9. 地方運輸局または運輸支局へ確認する
    処分日車数、違反点数、処分対象営業所、必要な手続きについて確認します。
  10. 事実に基づいて是正する
    不足している運用や記録を整理し、今後の手順、担当者、保存方法を見直します。

行政処分の確認では、過去の記録を後から作成したように見せたり、事実と異なる内容へ書き換えたりしてはいけません。不足している記録は不足している事実として整理し、正しい是正方法を確認してください。

FAQ(よくある質問)

トラックの行政処分でいう違反点数とは何ですか?

一般貨物自動車運送事業者等の違反について、処分日車数10日車までごとに1点へ換算して付される点数です。事業者ごと、地方運輸局の管轄区域単位で累積され、自動車等の使用停止、事業停止、許可取消しの判断に使用されます。

処分日車数10日車は何点になりますか?

処分日車数1~10日車は1点です。11~20日車は2点、21~30日車は3点となるため、10日車で割り切れない端数も次の1点に含まれます。

違反点数は何年間累積されますか?

違反点数の累積期間は原則3年間です。所定の4条件をすべて満たす営業所は2年で消滅する例外がありますが、単に2年間違反がなければ適用されるわけではなく、行政処分を受けた営業所を廃止した場合も2年の特例は適用されません。

何点で事業停止や許可取消しになりますか?

違反点数の付与によって管轄区域の累積点数が51~80点になると原則3日間の事業停止、81点以上になると原則として許可取消しの対象です。ただし、累積30点以下でも270日車以上、累積31点以上では180日車以上の処分日車数が付されると事業停止となり、重大違反では累積点数にかかわらず30日間の事業停止となる場合があります。

ドライバーの免許点数と会社の違反点数は同じですか?

同じではありません。ドライバーの点数は道路交通法上の免許停止・取消しを判断する制度で、会社の違反点数は貨物自動車運送事業者への行政処分を判断する制度です。ただし、会社による下命・容認や指導監督不足が確認されると、ドライバーの違反に関連して会社側も処分される場合があります。

点呼未実施や過積載はどのような処分になりますか?

点呼未実施が100回中19件以下なら初違反は警告、20件以上なら初違反は未実施1件につき1日車が代表的な基準です。過積載運送の引受けは、過積載が5割未満なら初違反で10日車、5割以上10割未満なら20日車、10割以上なら30日車に違反車両数を掛けます。全運転者への点呼を全く実施していない場合は、原則30日間の事業停止となります。

まとめ

  • 運転者個人の免許点数と、運送事業者の違反点数は別制度
  • 運送事業者の違反点数は、原則として処分日車数10日車までごとに1点
  • 違反点数は事業者ごと、地方運輸局の管轄区域単位で原則3年間累積
  • 累積51~80点は事業停止、81点以上は許可取消しの主な基準
  • 点呼の全面未実施などは、累積点数にかかわらず原則30日間の事業停止
  • 実際の処分は、初違反・再違反、違反件数、車両数、処分歴、下命・容認などで変わる

通知書や監査結果を受け取った場合は、法令条項、処分日車数、違反点数、累積点数、対象営業所を分けて整理し、地方運輸局や運輸支局へ確認してください。

出典・参考情報

出典名 確認できる内容
国土交通省「行政処分の基準」 貨物自動車運送事業者に関する最新の行政処分基準、改正資料、関連通達
貨物自動車運送事業者に対する行政処分等の基準について 処分日車数、違反点数、累積期間、事業停止、許可取消し、貨物軽自動車運送事業者への準用
行政処分等の基準の細部取扱いについて 勤務時間基準の著しい未遵守、点呼の全面未実施、管理者不在などの具体的な取扱い
違反事項ごとの行政処分等の基準・別表 点呼、過積載、勤務時間、日常点検、定期点検などの初違反・再違反別の基準日車等
警視庁「点数制度」 運転者個人の交通違反・交通事故による点数制度と過去3年間の累積
警視庁「行政処分基準点数」 行政処分歴と累積点数に応じた免許停止・免許取消しの基準
警視庁「交通違反の点数一覧表」 通行禁止違反、積載物重量制限超過など、運転者個人に付される交通違反点数
e-Gov法令検索 貨物自動車運送事業法、道路交通法、道路運送車両法などの法令原文

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