トラックを使っていると、「12ヶ月点検はどの車両が対象か」「何を点検するのか」「費用はいくら見ておけばよいのか」で迷いやすいです。特に2t〜4tクラスのトラックは、事業用か自家用か、車両区分がどこに当たるかによって点検周期や点検項目数が変わります。
トラックの12ヶ月点検は、車検とは別に法令で定められた定期点検です。国土交通省の案内では、自家用の中小型トラックは12ヶ月ごと86項目、事業用トラックや自家用大型トラックは12ヶ月ごと101項目が基本です。ただし、走行距離など一定の条件を満たす場合は、前回の点検実施を前提に一部項目を省略できるケースがあります。

費用も「点検基本料金」だけで判断せず、追加整備、部品・油脂類まで分けて確認することが大切です。この記事では、12ヶ月点検の対象車・点検項目数・主な点検内容・費用目安・依頼前の準備・点検後の記録まで、現場で迷わない形に整理します。
3ヶ月・6ヶ月・12ヶ月点検のうち、自分のトラックにどの周期が必要かを先に確認したい場合は、【トラックの法定点検とは】3・6・12ヶ月点検の違いと対象車を確認してください。
この記事で判断できること
- ✅ 12ヶ月点検の対象車と点検周期
- ✅ 86項目・101項目に分かれる考え方
- ✅ 12ヶ月点検で確認する主な装置
- ✅ 費用目安と見積もりの見方
- ✅ 整備工場へ依頼する前の準備
- ✅ 点検後の定期点検整備記録簿の扱い
著者:ユニック車ガイド編集部
小型トラック/クレーン付き車両(ユニック車)を含む運用実務に寄せ、法令順守と安全確保を前提に、現場で迷わない判断軸と確認手順を提示します。
監修について(条件)
- 🧩 制度・法規の説明は公的機関/業界団体の一次情報に照合して記述します。
- 🧩 監修者を置く場合は、整備士資格保有者または運行管理の実務者を条件とします。
結論|12ヶ月点検は対象車・項目数・費用を先に確認
まず押さえる結論
12ヶ月点検は、故障予防と安全確保のために定期的に車両状態を確認し、必要な整備へつなげる点検です。トラックでは車両区分や用途によって短い周期の点検も組み合わさるため、最初に自車の区分を確認します。
- ✅ 自家用の中小型トラック:6ヶ月点検24項目/12ヶ月点検86項目が基本
- ✅ 事業用トラック:3ヶ月点検51項目/12ヶ月点検101項目が基本
- ✅ 自家用大型トラック:3ヶ月点検51項目/12ヶ月点検101項目が基本
同じ2t〜4tクラスでも、用途・登録区分によって必要な周期は変わります。「トラックだから一律に12ヶ月点検だけ行えばよい」と考えず、車検証、メンテナンスノート、国土交通省の案内などで対象区分を確認してください。
判断軸は「対象車・項目数・費用・記録」
12ヶ月点検を予定するときは、次の4つに分けて考えると管理しやすくなります。
- ✅ 対象車:自家用中小型か、事業用か、自家用大型か
- ✅ 項目数:12ヶ月点検で86項目か101項目か
- ✅ 費用:点検基本料金と追加整備、部品・油脂類を分けて確認する
- ✅ 記録:点検後の定期点検整備記録簿を受け取り、必要期間保管する
点検項目数は条件によって一部省略できる場合がある
国土交通省が示す24・51・86・101項目は、一般的な構造・装置の自動車を標準的に使用する場合の定期点検項目数です。一定以下の走行距離で、前回の点検を実施しているなどの条件を満たす場合は、一部の項目を省略できることがあります。
省略できるかどうかを自己判断せず、車両区分、走行距離、前回記録、メンテナンスノートを確認し、必要に応じて整備工場へ相談してください。
対象車両別|12ヶ月点検の周期と項目数

トラックは車両区分・用途で分けて考える
トラックの定期点検は、「トラックだから全部同じ」ではありません。自家用の中小型トラック、事業用トラック、自家用大型トラックでは、12ヶ月点検に加えて必要となる定期点検の周期が異なります。
| 区分 | 定期点検の時期 | 点検項目数 | 確認ポイント |
|---|---|---|---|
| 自家用の中小型トラック | 6ヶ月ごと/12ヶ月ごと | 6ヶ月24項目/12ヶ月86項目 | 2t〜4tでも用途・登録区分を確認する |
| 事業用トラック | 3ヶ月ごと/12ヶ月ごと | 3ヶ月51項目/12ヶ月101項目 | 営業用として使用する車両は3ヶ月周期も管理する |
| 自家用大型トラック | 3ヶ月ごと/12ヶ月ごと | 3ヶ月51項目/12ヶ月101項目 | 車両区分を車検証などで確認する |
上表は国土交通省が示す主な対象自動車の区分です。実際の適用は、車検証、用途、登録区分、メンテナンスノートなどを照合して確認してください。
事業用トラック・自家用大型は3ヶ月点検も別に管理する
事業用トラックや自家用大型トラックでは、12ヶ月点検だけを年1回行うのではなく、3ヶ月ごとの定期点検も管理します。12ヶ月点検は101項目が基本で、3ヶ月点検より広い範囲を確認する位置づけです。
3・6・12ヶ月点検の適用関係に迷う場合は、車検証の用途・登録区分とメンテナンスノートを照合して対象周期を確認してください。
自家用の中小型トラックは6ヶ月点検も確認する
自家用の中小型トラックでは、6ヶ月点検24項目と12ヶ月点検86項目が基本です。走行距離が少ない車両でも、時間経過によるゴム部品・油脂類・電装品などの劣化は起こるため、距離だけで実施時期を判断しないことが大切です。
12ヶ月点検の主な点検項目
大項目で把握すると点検内容と見積もりを理解しやすい
12ヶ月点検は、86項目または101項目を一つずつ暗記するより、どの装置を確認する点検なのかを大きなカテゴリで把握すると実務で使いやすくなります。点検整備記録簿やメンテナンスノートには具体的な点検項目が示されています。
- ✅ ブレーキ:ペダル・レバー、効き、配管、ホース、ドラム・ディスク周辺など
- ✅ 足回り:タイヤ、ホイール、サスペンション、取付部など
- ✅ 操舵装置:ハンドル、ステアリング機構、各接続部など
- ✅ 原動機:オイル漏れ、冷却装置、ベルト類、排気状態など
- ✅ 灯火・視界:灯火装置、ワイパー、ウォッシャー、ミラーなど
- ✅ 走行装置・動力伝達装置:クラッチ、トランスミッション、プロペラシャフト、デファレンシャルなど
- ✅ 車枠・車体・排気系:損傷、緩み、腐食、排気装置の状態など
上記は12ヶ月点検の全項目を置き換える一覧ではありません。実際の点検項目は、自車の点検整備記録簿・メンテナンスノートと適用される点検基準で確認してください。
OBD点検も定期点検項目に含まれる
電子制御装置が増えたことを受け、2021年10月1日から「車載式故障診断装置の診断の結果」、いわゆるOBD点検が定期点検項目に追加されています。対象となる電子制御装置について、OBDが記録している診断結果をスキャンツールや識別表示などで確認します。
警告灯が消えているだけでは、すべての電子制御装置が正常と判断できるわけではありません。点検対象や確認方法は車両によって異なるため、整備工場やメーカー資料で確認してください。
2t〜4tクラスで注意したい見どころ
2t〜4tクラスのトラックは、市街地配送、積み下ろし、狭路での切り返し、坂道走行など、乗用車とは異なる使われ方をすることがあります。走行距離だけでなく、使用環境によって負担が集中する箇所を点検時に伝えると、整備工場でも状態を把握しやすくなります。
- ✅ 市街地配送が多い:発進・停止が多いため、ブレーキやタイヤの状態を確認
- ✅ 積み下ろしが多い:足回り、荷台周辺、下回りの損傷や緩みを確認
- ✅ 坂道が多い:制動系、駆動系、冷却系への負担を確認
- ✅ 長距離走行が多い:油脂類、冷却系、ベルト、タイヤの状態を確認
- ✅ 待機・アイドリングが多い:走行距離だけでは見えない稼働負荷も点検時に共有
点検結果は3分類で管理すると次の判断がしやすい
点検結果は「点検した・していない」だけで終わらせず、次の整備判断までつなげます。社内管理では、たとえば次の3分類にすると複数台でも整理しやすくなります。
- ✅ 要整備:安全や運行に関わるため、早めの整備が必要
- ✅ 経過観察:次回点検まで変化を追う項目
- ✅ 現時点で大きな異常なし:通常管理を続ける項目
ブレーキ、操舵、漏れ、異音など運行安全に関わる異常がある場合は、12ヶ月点検の予定日まで待たず整備工場へ相談してください。
12ヶ月点検はどこへ依頼する?実施前の準備

自社で担いやすいのは「管理」、点検実施は専門知識と設備を考えて判断する
定期点検は自動車の使用者の義務ですが、専門的な知識・技術が必要な項目もあります。自社で管理体制を整えつつ、点検実施については車両構造、設備、社内の整備体制を踏まえて判断し、不安がある場合は国の認証を受けた整備工場などへ依頼するのが現実的です。
| 区分 | 主な内容 |
|---|---|
| 自社で担いやすい範囲 | 対象車の台帳管理、点検予定日の管理、依頼先の選定、見積もり承認、前回記録の準備、記録簿の回収・保管、運転者からの異常報告の収集 |
| 専門知識・設備を要する範囲 | ブレーキ・操舵・足回り・電子制御装置などの状態判断、必要な分解や測定、OBD点検、不具合の切り分け、追加整備 |
入庫前に準備しておくもの
整備工場へ12ヶ月点検を依頼する場合は、点検当日に「何を確認してほしいか」が伝わるよう、次の情報を揃えておくとスムーズです。
- ✅ 車検証:車両区分や登録内容を確認できるようにする
- ✅ メンテナンスノート:メーカーの点検項目・整備情報を確認する
- ✅ 前回の定期点検整備記録簿:前回の点検・整備履歴を確認する
- ✅ 気になる症状のメモ:異音、振動、漏れ、警告表示、操作感などを整理する
- ✅ 走行・使用状況:長距離、市街地配送、坂道、アイドリング等の傾向を伝える
- ✅ 入庫日・納期・代車条件:稼働計画と合わせて確認する
依頼時は「点検基本」と「追加整備」を分けて合意する
点検中に摩耗、漏れ、緩みなどが見つかると、点検基本料金とは別に部品交換や修理が必要になることがあります。複数台を管理する会社では、追加整備の承認ルールを事前に決めておくと、入庫後の判断が止まりにくくなります。
- ✅ 12ヶ月定期点検として実施する範囲を見積書で確認する
- ✅ 追加整備は事前連絡・承認後に進めるルールにする
- ✅ 金額上限や承認者を決めておく
- ✅ 安全上すぐ整備が必要な項目と、経過観察できる項目を分けて説明してもらう
- ✅ 点検後に定期点検整備記録簿を受け取る
社内ルールにすると担当者が変わっても崩れにくい
複数台を管理する場合は、担当者の記憶に頼らず、車両台帳とカレンダーで予定を管理します。点検日、依頼先、見積もり、追加整備、記録簿の保管場所まで一連で管理すると、担当者変更時にも履歴を追いやすくなります。
- ✅ 車両ごとに次回点検予定日を登録する
- ✅ 依頼先と連絡窓口を固定する
- ✅ 見積もり承認ルールを決める
- ✅ 記録簿の保管場所を固定する
- ✅ 運転者の異常報告を点検依頼へ引き継ぐ
費用目安|点検基本料金と追加整備を分けて見る

2t〜4tクラスは点検基本料金だけで総額判断しない
12ヶ月点検の費用は、車格、車種・型式、架装の有無、整備範囲、不具合の有無などで変わります。そのため、「12ヶ月点検はいくら」と全国一律の金額で判断するのではなく、まず点検基本料金を確認し、そのうえで追加整備と部品・油脂類を分けて見積もります。
公開料金表の一例として、いすゞ自動車近畿の2025年4月現在の定期点検整備料金表では、12ヶ月定期点検基本料金が1〜2t系43,560円、3t系47,520円、4t系59,400円とされています。これは1社の公開料金例であり、全国共通相場ではありません。
同社の案内では、基本料金に点検による簡単な調整・締め付け作業は含まれますが、部品・油脂類や点検結果によって生じた追加作業は含まれません。車種・型式によっても料金が異なる場合があります。
費用は3つに分けると比較しやすい
| 費用区分 | 内容 | 見積もり時の確認 |
|---|---|---|
| 点検基本料金 | 12ヶ月定期点検として所定の項目を確認する基本作業 | 車格・車種・型式、料金表の適用条件を確認 |
| 追加整備 | 摩耗、漏れ、緩み、不具合など点検結果を受けて必要になる作業 | 作業前の連絡・承認方法、工賃を確認 |
| 部品・油脂類 | 交換部品、オイル、フルード、消耗品など | 基本料金に含まれるか、別途かを確認 |
複数社を比較するときも、総額だけではなく「点検基本」「追加整備」「部品・油脂類」の内訳を揃えて比べると条件差を判断しやすくなります。
費用を抑える場合も安全に直結する項目は後回しにしない
費用を抑えることは重要ですが、点検結果で安全に関わる異常が見つかった場合は、金額だけで先送りしないことが大切です。特にブレーキ、操舵、タイヤ、ホイール、漏れ、灯火、重要な警告表示などは、状態によって運行可否に関わります。
- ✅ 安全に直結する整備は優先度を確認する
- ✅ 経過観察できる項目は次回確認時期まで記録する
- ✅ 不明な追加作業は、原因・必要性・部品代・工賃を分けて説明してもらう
- ✅ 点検基本料金だけで依頼先を決めない
車検との違い|車検合格でも定期点検は省略できない
車検は「基準への適合確認」、12ヶ月点検は「状態を点検し必要な整備へつなげる」
車検と12ヶ月点検は、法令上別の制度です。車検は検査時点で保安基準に適合しているかを確認するもので、次回車検までの安全性を保証するものではありません。一方、定期点検は一定の時期ごとに車両状態を確認し、必要な整備を行うためのものです。
| 区分 | 主な役割 | 実務上の確認 |
|---|---|---|
| 車検 | 検査時点で保安基準へ適合しているか確認 | 合格しただけで定期点検を省略できるわけではない |
| 12ヶ月点検 | 定期的に各装置を点検し、必要な整備へつなげる | 対象車・点検項目・実施時期・記録を管理する |
車検と同時期に実施する場合も「12ヶ月点検として実施されたか」を確認する
車検と12ヶ月点検を同じ入庫で行うことはあります。その場合でも、「車検に出したから12ヶ月点検も済んでいる」と思い込まず、見積書・作業内容・定期点検整備記録簿で、12ヶ月点検として必要な確認が行われたかを確認します。
- ✅ 見積書に12ヶ月定期点検の記載があるか
- ✅ 点検結果と追加整備の内容が分けて説明されているか
- ✅ 定期点検整備記録簿を受け取れるか
- ✅ 定期点検の実施時期を過ぎない日程になっているか
3・6・12ヶ月点検と車検の制度上の違いを整理したい場合は、トラックの法定点検の全体像を確認してください。車検で不適合になりやすい項目や事前確認は、【トラックの車検に通る基準】落ちやすい項目と事前準備で詳しく整理しています。
点検後は定期点検整備記録簿を受け取り保管する
記録簿は過去の点検・整備履歴を確認するための資料
定期点検整備記録簿は、点検結果と整備の概要を記録し、自動車の維持管理に役立てるためのものです。前回までの整備履歴を確認できるため、消耗部品の交換時期や同じ不具合の再発などを追う材料にもなります。
12ヶ月点検を整備工場へ依頼した場合は、作業完了時に記録簿を受け取り、次回点検で参照できる状態にしておきます。
トラックでは「12ヶ月点検だから2年保存」とは限らない
国土交通省は、定期点検整備記録簿について、3ヶ月・6ヶ月点検対象車は1年保存、1年点検対象車は2年保存と案内しています。この記事で扱う事業用トラック、自家用大型トラック、自家用の中小型トラックは3ヶ月または6ヶ月点検対象車に該当するため、基本は1年保存として確認します。
「12ヶ月点検を受けたから記録簿は2年」と点検名称だけで判断せず、車両区分に対応する保存期間を確認してください。実務上は、故障履歴や部品交換時期を追いやすくするため、法定の保存期間を超えて車両ごとに長期保管しておくと管理しやすくなります。
記録簿の書き方・提出場面は専用記事で確認する
本記事では12ヶ月点検後の記録管理に必要な範囲へ絞っています。記録簿の具体的な書き方、保存方法、提出・提示が必要になる場面などは、【トラックの整備記録簿】書き方・保管期間・提出が必要な場面で詳しく確認してください。
未実施・記録不備を避けるための注意点
定期点検は使用者の義務として管理する
定期点検は、自動車を良好な状態に保つため使用者に求められている点検です。「車検に通ったから次回まで何もしなくてよい」と考えるのではなく、対象となる周期に合わせて点検予定を管理します。
定期点検の未実施そのものについて罰則の有無だけを判断軸にするのではなく、故障、事故、業務停止、整備履歴の不明確化など実際の運用リスクを含めて考えることが大切です。
- ✅ 事故・故障時:過去の点検・整備履歴を確認しにくくなる
- ✅ 複数台管理:担当者変更で次回予定や前回整備が分からなくなりやすい
- ✅ 追加整備:経過観察項目を引き継げず、状態変化を追いにくくなる
- ✅ 売却・入替時:整備履歴を説明しにくくなる
よくある失敗例と回避策
失敗例1:車検と混同して12ヶ月点検の実施確認をしていない
回避策は、車検とは別に定期点検の予定を管理し、同時入庫の場合も12ヶ月点検の実施内容と記録簿を確認することです。
失敗例2:追加整備が増えて予算が崩れる
回避策は、点検基本料金と追加整備を分け、上限金額、承認者、連絡方法を事前に決めておくことです。
失敗例3:前回の記録が見つからない
回避策は、車両ごとに記録簿の保管場所を固定し、必要に応じてスキャンデータも併用することです。
異常がある場合は12ヶ月点検の時期を待たない
12ヶ月点検は「異常が出たらその時まで待つ」ための制度ではありません。制動、操舵、漏れ、異音、振動、タイヤ・ホイール、警告表示など、運行安全に関わる兆候がある場合は、次回12ヶ月点検の日程に関係なく早めに点検・整備へつなげます。
- ✅ 異常が出た日時・走行状況を記録する
- ✅ 警告表示は色や表示内容を記録する
- ✅ 漏れは場所・量・色などを確認できる範囲で記録する
- ✅ 安全に不安がある場合は無理に運行を続けない
クレーン付きトラックは上物側の点検も別に管理する
ユニック車のようなクレーン付きトラックでは、車両側の12ヶ月点検だけでクレーン装置側の点検まで完了するわけではありません。クレーン装置にはワイヤロープ、フック、ブーム、アウトリガー、安全装置など作業安全に直結する確認があります。
車両側の法定点検と上物側の点検を同じものとして扱わず、メーカー資料、関係法令、社内ルール、点検事業者の案内に沿って別枠で管理してください。
12ヶ月点検を依頼する前のチェックリスト
年間管理に落とし込むと抜け漏れを防ぎやすい
12ヶ月点検は、点検日が近づいてから思い出すのではなく、車両台帳と年間カレンダーへ登録しておくと管理が安定します。複数台ある場合は、次回点検予定だけでなく、前回結果と追加整備の内容も車両ごとに残します。
| 確認項目 | 実施内容 | 管理のポイント |
|---|---|---|
| 対象車 | 用途・登録区分・車両区分を確認 | 86項目/101項目のどちらかだけでなく、3・6ヶ月周期も確認 |
| 予定日 | 前回実施日から次回時期を管理 | 車検日と同じとは限らないため別に確認 |
| 依頼先 | 整備工場・ディーラー等の連絡先を確認 | 入庫日、納期、代車、点検範囲を事前確認 |
| 追加整備 | 承認者・上限金額・連絡方法を決める | 安全上必要な整備と経過観察を分けて判断 |
| 記録 | 記録簿を受け取り車両別に保存 | 次回点検時に前回記録をすぐ参照できる状態にする |
今日から決める6項目
- ✅ 車番・用途・登録区分を車両台帳へ登録する
- ✅ 次回12ヶ月点検の実施時期をカレンダーへ登録する
- ✅ 依頼先と社内の連絡担当を決める
- ✅ 追加整備の承認者と金額ルールを決める
- ✅ 記録簿の保管場所を固定する
- ✅ 運転者から異音・振動・漏れ等を報告するルートを決める
FAQ(簡潔回答)
12ヶ月点検は車検と同じ?
同じではありません。車検は検査時点で保安基準に適合しているかを確認する制度で、12ヶ月点検は一定の時期ごとに車両状態を点検し、必要な整備へつなげる定期点検です。車検に合格しても定期点検を省略できるわけではありません。
12ヶ月点検の点検項目数は何項目?
国土交通省の案内では、自家用の中小型トラックは12ヶ月86項目、事業用トラックや自家用大型トラックは12ヶ月101項目が基本です。ただし、一定以下の走行距離で前回点検を実施しているなどの条件を満たす場合、一部項目を省略できることがあります。
3ヶ月点検と12ヶ月点検は両方必要?
事業用トラックや自家用大型トラックでは、3ヶ月ごとの定期点検と12ヶ月ごとの定期点検を管理します。自家用の中小型トラックは6ヶ月・12ヶ月の区分が基本です。実際の適用は車両区分・用途を確認してください。
12ヶ月点検の費用はいくら?
費用は車格・車種・型式、追加整備の有無などで変わります。公開料金表の一例として、いすゞ自動車近畿の2025年4月現在の12ヶ月定期点検基本料金は、1〜2t系43,560円、3t系47,520円、4t系59,400円です。部品・油脂類や点検結果による追加作業は別途です。
自社でやっていい?
定期点検は使用者の義務で、使用者本人が実施することもできますが、専門知識・技術や設備を要する項目があります。自社の整備体制で判断できない場合は、国の認証を受けた整備工場などへ依頼するのが安心です。
やらないと罰則?
定期点検は道路運送車両法上の使用者の義務です。定期点検義務そのものには直接の罰則規定はありませんが、整備命令に従わない場合などは別です。事業用車両では点検整備の管理も重要なため、罰則の有無だけで判断せず、対象周期に沿って実施・記録を管理してください。
記録簿は何年保管?
国土交通省の案内では、3ヶ月・6ヶ月点検対象車は1年、1年点検対象車は2年です。事業用トラック、自家用大型トラック、自家用の中小型トラックは3ヶ月または6ヶ月点検対象車に当たるため、基本は1年保存として確認します。
車検と同時に受ければよい?
車検と同じ入庫で12ヶ月点検を行うことはあります。ただし、12ヶ月点検として必要な内容が実施され、定期点検整備記録簿が残ること、また定期点検の実施時期を過ぎないことを確認してください。
まとめ & CTA(要点→次の行動)
要点
- ✅ 12ヶ月点検は車検とは別に管理する定期点検
- ✅ 自家用中小型は12ヶ月86項目、事業用・自家用大型は12ヶ月101項目が基本
- ✅ 一定の走行距離等の条件を満たす場合、一部項目を省略できるケースがある
- ✅ OBD点検も定期点検項目に含まれる
- ✅ 費用は点検基本料金、追加整備、部品・油脂類を分けて確認する
- ✅ 車検と同時入庫でも12ヶ月点検として実施されたか記録で確認する
- ✅ 点検後は定期点検整備記録簿を車両区分に応じた期間保管する
- ✅ 異常がある場合は12ヶ月点検の予定日まで待たず整備へつなげる
次に取る行動
まず自社トラックごとに「車両区分」「次回12ヶ月点検の時期」「依頼先」「追加整備の承認者」「記録簿の保管場所」を決め、車両台帳とカレンダーへ登録します。
- 🧭 記録簿の書き方・保管方法を確認する:【トラックの整備記録簿】書き方・保管期間・提出が必要な場面
- 🧭 車検前の不適合項目を確認する:【トラックの車検に通る基準】落ちやすい項目と事前準備


コメント