配送や現場移動中に、ブレーキから「キーキー」「ゴー」「ガリガリ」といった音が出ると、不安になります。ブレーキは安全に直結する装置のため、放置してよい音か、運行を止めるべき異常かを早めに切り分けることが重要です。
結論は、キーキー音を含め、音だけで安全・危険を判断しないことです。トラックのブレーキ鳴きは、音の大きさや聞こえ方だけで「大丈夫」と決めず、ブレーキの効き・ペダル感・強い振動・焼けた臭い・警告灯・片効き感の有無まで合わせて危険度を仕分けします。
冷間時や雨天後だけキーキー鳴き、数回の制動で収まり、効き・振動・臭い・警告表示に変化がない場合は、一時的な表面状態などが関係していることもあります。一方、鳴きが長く続く、積載時や坂道で悪化する、片側だけ強い、ガリガリという強い異音がある場合は、早めの点検が必要です。
ブレーキ鳴きの見分けをより確実にするには、ディスクブレーキ/ドラムブレーキなど構造の違いも踏まえて「音が出やすい条件」を整理しておくと判断がぶれにくくなります。構造の全体像を先に確認したい場合は【トラックのブレーキ種類】構造と特徴が状況整理の助けになります。
この記事では、原因を音だけで断定するのではなく、①運行を止めるべきか、②早めに点検予約すべきか、③条件付きで様子見できるかを、現場で判断しやすいように整理します。

著者:ユニック車ガイド編集部(現場の実務判断に役立つ基準を提示しつつ、安全最優先で案内)
編集方針:音そのものよりも「ブレーキの効きやペダル感がいつもと変わったか」を最優先の判断材料にします。効きの違和感、強いガリガリ音、強い振動、焼けた臭い、警告灯がある場合は、無理に走らず点検を優先してください。
安全上の注意:ブレーキの分解・調整・部品交換を自己判断で行うことは避け、異常がある場合は整備工場へ相談してください。本文は、状況整理・運行停止判断・点検相談の補助を目的としています。
クイック診断(3択)
- ✅ 運行停止(赤):効きが弱い/止まりづらい/強いガリガリ音/強い振動/焼けた臭い/警告灯やエア圧異常がある
- ✅ 点検予約(黄):鳴きが急に増えた/片側だけ強い/低速停止のたびに繰り返す/積載時や坂道で悪化する
- ✅ 条件付きで様子見(青):冷間時や雨天後だけキーキー鳴くが、数回の制動で収まり、効き・振動・臭い・警告灯に変化がない
まず結論|キーキー音でも「音だけ」で判断しない

結論:トラックのブレーキ鳴きは、まず効き・ペダル感がいつも通りかを確認し、次に音の種類・振動・臭い・警告灯・左右差を見て危険度を分けます。キーキー音だから安全、音が小さいから大丈夫とは判断しません。
理由:ブレーキ鳴きは、冷間時や水分などの条件で一時的に出ることもあれば、摩耗、当たり不良、部品の動きなどが関係して出ることもあります。同じ音でも背景が異なるため、音名だけでは原因や危険度を断定できません。
国土交通省の日常点検でも、ブレーキについてはペダルの踏みしろ、踏みごたえ、ブレーキの効きなどを確認する考え方が示されています。「いつもと違う」と感じる場合は、音だけの問題と考えず点検相談を優先することが安全です。
| 見る順番 | 確認すること | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 1 | 効き・ペダル感 | 弱い、止まりづらい、踏みしろや踏みごたえがいつもと違うなら運行停止寄り |
| 2 | 音の種類 | キーキー、ゴー、ガリガリ、ゴゴゴなどを記録し、特に強いガリガリ音は危険度を高く見る |
| 3 | 振動・左右差 | 強い振動、片側だけ強い、車体が流れる感覚があれば点検優先 |
| 4 | 臭い・熱感・警告灯 | 焼けた臭い、異常な熱感、警告灯やエア圧異常があれば走行継続を避ける |
危険度の3段階|運行停止・点検予約・条件付き様子見
結論:ブレーキ鳴きは「赤・黄・青」の3段階で仕分けます。迷った場合は、音の大きさではなく、効きや周辺症状を優先し、安全側に倒して点検相談してください。
理由:軽い鳴きと点検が必要な異音は、聞こえ方だけでは区別できないことがあります。判断基準を固定しておくと、現場での判断ミスを減らせます。
運行停止(赤)|いま走り続けない
- ✅ 効きが弱い、止まりづらい
- ✅ ペダルの踏みしろ・踏みごたえがいつもと違う
- ✅ ガリガリなど、強い金属接触を疑わせる異音がある
- ✅ ブレーキ操作と同時に強い振動が出る
- ✅ 焼けた臭いがする、異常な熱感がある
- ✅ ブレーキ関連の警告灯やエア圧などに異常がある
- ✅ 停止時に車体が左右に流れる感覚がある
この場合は、公道を数十m〜数百m走って試すのではなく、安全な場所で運行を控え、管理者や整備工場へ相談します。すでに「ブレーキが効かない・止まりづらい」という状態なら、ブレーキが効かないときの原因の切り分けと初動対応も確認してください。
点検予約(黄)|早めに状態を見てもらう
- ✅ 鳴きが急に増えた
- ✅ 片側だけ強く鳴く、左右で差がある
- ✅ 低速で止まるたびに繰り返す
- ✅ 積載時に悪化する
- ✅ 坂道や連続停止後に悪化する
- ✅ 部品交換後から長く続く
- ✅ 雨天後だけでなく、乾いた状態でも続く
黄に当てはまる場合は、症状が出る条件をメモし、点検予約時に伝えると原因の絞り込みに役立ちます。
条件付きで様子見(青)|記録しながら確認
- ✅ 冷間時や雨天後だけキーキー鳴く
- ✅ 数回の制動で短時間に収まる
- ✅ ブレーキの効きに変化がない
- ✅ 振動・焼けた臭い・警告灯がない
- 📌 同じ条件で繰り返すなら、次回点検時に状況を伝える
青でも「毎回出る」「以前より長く続く」「積載時に強くなる」「片側だけ強い」場合は、点検優先へ切り替えてください。
| 症状 | 危険度 | 次の行動 |
|---|---|---|
| 効きの低下・強いガリガリ音・強い振動・焼けた臭い・警告灯 | 赤 | 運行を控える→管理者または整備工場へ相談 |
| 片側だけ強い・急に増えた・積載時や坂道で悪化 | 黄 | 点検予約→発生条件を記録 |
| 冷間時や雨天後だけのキーキー音・数回で収まる・効きは正常 | 青 | 条件付きで様子見→再発条件をメモ |
音の種類別|キーキー・ゴー・ガリガリで疑う原因

結論:音の種類は原因を推測する手がかりになりますが、音名だけで原因や危険度を断定しないでください。最終判断は、制動力の変化、振動、左右差、発生条件とあわせて行います。
理由:同じキーキー音でも、冷間時や雨天後の一時的な鳴き、パッドやローターの状態、当たり方、周辺部品など、背景が異なります。ブレーキ鳴きは複数の要因が関係するため、音の種類と発生状況をセットで記録することが原因の絞り込みに役立ちます。
| 音の種類 | 考えられる背景 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| キーキー | 冷間時、水分、表面状態、摩擦材、部品交換後の当たり方など | 数回で収まり、効きや振動に変化がなければ条件付きで様子見。長く続けば点検 |
| ゴー | こすれ、表面状態、摩耗、当たり方、周辺部品など | 音だけで運行停止と断定せず、継続性・振動・効き・左右差を確認。続く場合は点検優先 |
| ガリガリ | 強い接触、摩耗進行、部品損傷などを疑う材料 | 効きの違和感や振動を伴う場合は特に運行停止寄りに判断し、点検相談を優先 |
| ゴゴゴ | 振動、偏摩耗、部品のガタ、制動バランスの違和感など | 低速で繰り返す場合や左右差、強い振動がある場合は点検優先 |
キーキー音で最初に確認すること
- ✅ 朝一や冷間時だけか
- ✅ 雨天後・洗車後など、水分の影響が考えられる条件か
- ✅ 数回ブレーキを使うと収まるか
- ✅ 停止直前の低速時だけか
- ✅ パッドなどの部品交換後から始まったか
- ✅ 効き・振動・左右差に変化がないか
キーキー音が出ていても、音だけで故障と断定はできません。ただし、以前より頻度が増えた、長時間続く、片側だけ強い、積載時に悪化する場合は点検時に伝えてください。
鳴く条件別|冷間時・雨天後・停止直前・積載時に見るポイント
結論:ブレーキ鳴きは「何の音か」だけでなく、いつ・どの速度・どの積載状態で鳴くかを確認すると、点検時に原因を絞り込みやすくなります。
理由:ブレーキ部品の温度、表面状態、車両荷重、停止回数などが変わると、摩擦状態や部品の動きも変化するためです。
冷間時・雨天後だけ鳴く
- ✅ 朝一だけキーキー鳴くか
- ✅ 雨の日の翌日や洗車後に出やすいか
- ✅ 数回の制動で収まるか
- ✅ 乾燥後も長く続かないか
冷間時や水分がある条件だけで発生し、短時間で収まり、効きや振動に変化がなければ条件付きで様子を見る余地があります。ただし、毎回長く続く場合は点検対象です。
停止直前・低速で鳴く
- ✅ 停止直前だけ鳴るか
- ✅ 低速でブレーキを使うたびに繰り返すか
- ✅ 前進時だけか、バック時にも鳴るか
- ✅ 左右どちらか一方から強く聞こえないか
低速停止のたびに繰り返す場合は、音の種類と左右差を記録し、点検時に伝えます。効きや振動にも違和感がある場合は早めに相談してください。
積載時・坂道・連続停止後に悪化する
- ✅ 空荷では目立たず、積載時だけ強く鳴る
- ✅ 坂道や長い下りのあとに悪化する
- ✅ 配送や渋滞で停止を繰り返したあとに強くなる
- ✅ 積載量や荷物の偏りによって鳴き方が変わる
積載量が増えると制動時にブレーキへかかる負担も増えます。空荷では出ない症状が積載時に繰り返す場合は、「積載時だけだから大丈夫」と考えず、点検優先に倒してください。
片側だけ鳴く・車体が流れる
- ✅ 左右どちらか一方だけ異音が強い
- ✅ ブレーキ時に車体が左右へ流れる感覚がある
- ✅ ペダルやハンドルへ振動が伝わる
- ✅ 片側だけ異常な熱感や臭いがないか、安全な距離から確認する
片側だけ強く鳴る場合や車体が流れる感覚がある場合は、左右の制動状態に差がある可能性も考え、条件付きの様子見より点検を優先します。
現場で確認する5つの判断軸
- ✅ ブレーキの効き・踏みごたえが「いつも通り」か
- ✅ 音が一時的か、停止のたびに繰り返すか
- ✅ 強い振動や片効き感が出ていないか
- ✅ 焼けた臭い・異常な熱感がないか
- ✅ 警告灯やエア圧異常がないか
原因の全体像|摩耗・サビ・当たり・取付不良・使用条件
結論:ブレーキ鳴きは、パッド/シューとローター/ドラムなどの摩擦に伴う振動が音として現れることがあり、原因は「摩耗」「表面状態」「熱」「取付・摺動」「構造差」に分けると整理しやすくなります。
理由:ブレーキ鳴きは、パッドやローターだけでなく、接触振動や周辺部品を含め複数の要因が関係することがあります。そのため、原因を一つに決めつけず、音と発生条件を整理して点検へつなげます。
補足:原因を特定する作業は整備工場で行います。現場で行うのは「分解して確認すること」ではなく、症状と発生条件を正確に伝えることです。
1. 摩耗
- ✅ パッド・シューの減り
- ✅ ローター・ドラム側の摩耗
- ✅ 片側だけ減る、偏摩耗がある
摩耗状態は車種や構造によって確認方法・基準が異なります。音だけで摩耗量を判断せず、必要に応じて車種別の整備基準で確認します。
2. 表面状態
- ✅ 雨天後や洗車後の水分
- ✅ ローターやドラム表面のサビ
- ✅ 当たり不足、当たり方の偏り
- ✅ 表面の荒れや付着物
冷間時や雨天後だけの鳴きは表面状態が関係することもありますが、乾いた状態でも長く続く場合や、症状が強くなる場合は点検対象です。
3. 熱・使用条件
- ✅ 連続制動
- ✅ 積載状態での走行
- ✅ 長い下り坂
- ✅ 渋滞や配送で停止回数が多い運行
熱が入るとブレーキの摩擦状態や部品の動きが変わり、鳴きや臭いとして現れることがあります。焼けた臭いや異常な熱感を伴う場合は、単なる鳴きとして扱わず運行を控えてください。
4. 取付・摺動
- ✅ シムやスプリングなど周辺部品の状態
- ✅ 摺動部の動き
- ✅ 部品のガタや戻り不良
- ✅ 部品交換後の組付けや当たり方
この部分は分解確認が必要になることがあるため、自己判断で触らず、整備工場で確認してもらいます。
5. 構造差
- ✅ ディスクブレーキとドラムブレーキで構造が異なる
- ✅ 前輪・後輪で構造や点検観点が異なる場合がある
- ✅ エアブレーキなど車両仕様によって確認項目が変わる
構造や仕様が分からない場合は、車検証、取扱説明書、整備記録などを確認し、分かる範囲で整備工場へ伝えます。
点検に出す前にメモする7項目

結論:ブレーキ鳴きは、点検に出す前に7項目をメモしておくと、整備工場で症状を共有しやすくなります。
理由:異音は、整備工場へ到着したときには再現しないこともあります。発生条件を具体的に伝えられると、確認すべき場所や運行条件を整理しやすくなります。
| 項目 | メモする内容 | 記入例 |
|---|---|---|
| 1. いつ | 朝一、雨天後、連続停止後、坂道後など | 朝一だけ/雨の日の翌日/坂道後 |
| 2. 速度帯 | 低速停止時、走行中、バック時など | 低速で止まる直前に鳴る |
| 3. 空荷/積載 | 空荷、半積載、最大積載量に近い状態、荷物の偏り | 積載時だけ強く鳴る |
| 4. 音の種類 | キーキー、ゴー、ガリガリ、ゴゴゴなど | 左前からキーキー音 |
| 5. 効きの変化 | いつも通り、弱い、止まりづらい、踏みしろ・踏みごたえが違う | 効きはいつも通り/少し止まりづらい |
| 6. 振動・左右差 | ペダル振動、車体振動、片側だけ鳴る、車体が流れる | ブレーキ時にペダルが震える |
| 7. 警告灯・臭い・熱感 | 警告灯、エア圧異常、焼けた臭い、異常な熱感 | 焼けた臭いあり/警告灯なし |
整備工場へ伝える例
「朝一の低速停止時に、左前あたりからキーキー音がします。空荷では数回で収まりますが、積載時は少し長く続きます。効きは大きく変わりませんが、再発するので点検をお願いします。」
よくある誤判断と失敗回避

結論:ブレーキ鳴きで避けたいのは、「キーキー音だから問題ない」「音が小さいから大丈夫」「自分で音だけ消せばよい」と判断することです。
理由:鳴きの原因は複数あり、同じ音でも効き・振動・左右差・発生条件によって点検優先度が変わるためです。
よくある失敗例→回避策
- ⚠️ 失敗:音だけで放置 → 回避:効き・振動・発生条件・臭い・警告灯をセットで評価する
- ⚠️ 失敗:キーキー音なら安全と決めつける → 回避:長く続く、片側だけ強い、積載時に悪化する場合は点検する
- ⚠️ 失敗:DIYで分解して原因を探す → 回避:現場では症状記録と運行判断までに留め、必要な分解確認は整備工場へ依頼する
- ⚠️ 失敗:積載条件を無視 → 回避:空荷/積載で差が出るなら点検優先に倒す
- ⚠️ 失敗:費用だけで先送り → 回避:効きの異常・強い異音・振動・焼けた臭い・警告表示がある場合は安全を優先する
鳴きと同時に片効き、引きずり感、踏みしろの違和感などがある場合は、ブレーキ調整が必要な危険サインと整備相談の目安も確認してください。
費用感の考え方|点検範囲・交換部品で変わる

結論:ブレーキ鳴きの費用は、異音の再現確認や点検だけで済むか、パッド・シュー、ローター/ドラム、周辺部品まで整備が必要かで大きく変わります。音だけで交換部品を決めず、点検範囲を確認してから見積もりを取ることが大切です。
理由:ディスクブレーキとドラムブレーキ、前輪・後輪、車格、左右どちらに症状があるか、摩耗・損傷の状態などで作業内容が変わるためです。
補足:トラック全般に共通する固定料金は設定できません。車種・型式・地域・整備工場・使用部品・追加整備の有無で変わるため、実車確認後の見積もりを基準にしてください。
| 内容 | 主な確認・作業 | 費用が変わる要因 |
|---|---|---|
| 異音点検 | 症状確認、発生条件の再現、外観・制動状態の確認など | 再現確認の工数、車両サイズ、点検範囲 |
| パッド・シュー関連 | 摩耗状態や当たり方を確認し、必要に応じて整備・交換 | 前輪/後輪、車格、使用部品、交換範囲 |
| ローター/ドラム関連 | 表面状態、摩耗、傷、偏摩耗等を確認 | 状態、加工可否、交換の有無、車種 |
| 周辺部品 | シム、スプリング、摺動部、キャリパー等の状態確認 | 不具合箇所、交換部品、追加作業の有無 |
費用は何で変わる?
- ✅ 構造:ディスクブレーキ/ドラムブレーキ
- ✅ 範囲:前輪/後輪、左右、関連部品まで確認するか
- ✅ 交換範囲:パッド・シューだけか、ローター/ドラム等まで必要か
- ✅ 摩耗・損傷状態:再使用できるか、交換が必要か
- ✅ 車両型式:2t・3t・4tなど車格や仕様
- ✅ 部品:純正・適合部品、在庫状況など
見積もり時に伝えること
- ✅ 音の条件:朝一、雨天後、連続停止後など
- ✅ 積載状態:空荷、積載時、最大積載量に近い状態など
- ✅ 左右差:片側だけ鳴るか
- ✅ 効きの変化:いつも通りか、弱い感覚があるか
- ✅ 振動・臭い・警告灯:同時に出ていないか
- ✅ 最近の整備歴:パッド等を交換した直後か
費用だけを理由に点検を先送りするのは避けてください。効きの異常、強いガリガリ音、強い振動、焼けた臭い、警告灯がある場合は、安全を優先して点検相談を行います。
安全・法規の注意|自己判断で分解整備しない

結論:ブレーキ鳴きの原因確認を目的に、制動装置を自己判断で分解したり、音を消すためだけに調整・部品交換・グリス塗布などを行ったりすることは避けてください。読者が行う範囲は、症状記録、警告表示確認、運行停止判断、点検依頼までとするのが安全です。
理由:ブレーキは安全に直結する装置であり、不適切な整備は制動不良につながる可能性があります。また、国土交通省では、制動装置などを取り外して行う整備等を「特定整備」とし、これを事業として行う場合は事業場ごとの認証制度を設けています。
法律上の制度説明と、「個人が安全に作業できるか」は別の論点です。本記事ではDIY作業の可否を広げず、ブレーキに異常が疑われる場合は認証を受けた整備工場など専門の事業者へ相談する方針とします。
現場で行う範囲
- ✅ 鳴く条件をメモする
- ✅ ペダル感や効きの違和感を記録する
- ✅ 警告灯やエア圧の異常を確認する
- ✅ 焼けた臭い・異常な熱感の有無を安全な距離から確認する
- ✅ 管理者や整備工場へ相談する
避けるべきこと
- ⚠️ 原因確認のために自己判断でブレーキを分解する
- ⚠️ 音を消す目的だけで調整や部品交換を行う
- ⚠️ 摩擦面など不適切な箇所へ潤滑剤を使用する
- ⚠️ 危険兆候がある状態で運行を続ける
- ⚠️ 「少しの音だから」と効きやペダル感の違和感を無視する
ペダル感やブレーキ液も気になる場合
異音だけでなく、ペダル感の変化やブレーキ液の異常も気になる場合は、【トラックのブレーキフルード】交換時期と減りが早い原因も確認してください。本記事では異音の危険度判断を中心とし、ブレーキフルードの交換時期や異常減少の詳細は別記事へ分けます。
車検との関係
結論:音そのものだけで車検の可否が決まるとは限りませんが、制動性能や部品の状態、安全性に問題があれば車検や安全上の問題になり得ます。
異常兆候がある場合は、車検まで待つのではなく、早めに点検して安全側で備えることが実務的です。
FAQ
トラックのブレーキ鳴きはそのまま走ってもいい?
効きの異常、強いガリガリ音、強い振動、焼けた臭い、警告灯などがある場合は走行継続を避け、点検相談を優先します。冷間時や雨天後だけで数回の制動で収まる場合でも、再発条件はメモしておきましょう。
キーキー音だけなら危険ではない?
冷間時や雨天後だけで数回の制動で収まり、効きや振動に変化がなければ条件付きで様子を見られる場合があります。ただし、長く続く、積載時に悪化する、片側だけ強い、以前より頻度が増えた場合は点検を優先してください。
ブレーキからゴーという音がする場合は危険?
ゴーという音だけで直ちに危険とは断定できません。表面状態、摩耗、当たり方など複数の要因が考えられるため、音が続くか、効き・振動・左右差に変化がないかを確認します。違和感を伴う場合や繰り返す場合は点検を優先してください。
積載時だけブレーキ鳴きするのはなぜ?
積載によって制動時の負担や熱の入り方が変わり、空荷とは異なる条件で鳴きが出ることがあります。空荷では鳴らなくても積載時に繰り返す、坂道や連続停止後に悪化する場合は点検優先にしてください。
ブレーキ鳴きの点検費用はいくらくらい?
トラック全般で一律の金額は決められません。異音点検だけで済むか、パッド・シュー、ローター/ドラム、周辺部品まで整備が必要か、また車種・型式・作業範囲によって変わるため、症状を伝えて実車確認後の見積もりを取るのが確実です。
ブレーキ鳴きは車検に通らない原因になる?
音だけで車検の可否が決まるとは限りませんが、制動性能や部品の状態に問題があれば車検や安全上の問題になり得ます。異常兆候がある場合は、車検まで待たず点検しておくことが安全です。
寒い朝だけキーキー鳴く。故障?
冷間時など特定条件で鳴くことはあります。効きや振動に変化がなく、数回の制動で収まるなら条件付きで様子を見られる場合もあります。ただし、頻度が増える、長く続く、他の異常を伴う場合は点検相談してください。
新品のパッドでも鳴く?
新品でも、部品同士の当たりが出る前や材質、組付け、ローター側の状態などによって鳴く場合があります。ただし、長引く、片側だけ強い、効きに違和感がある場合は点検優先です。
放置するとどうなる?
原因によっては摩耗や不具合が進み、部品損傷や制動状態の悪化につながる可能性があります。効きの異常、強い異音、強い振動、焼けた臭い、警告表示がある場合は放置しないでください。
自分で直せる?
原因確認のために自己判断でブレーキを分解・調整することは避け、症状を記録して整備工場へ相談してください。現場では、音が出る条件、効き、振動、警告表示を確認し、運行を続けるかどうかを判断するところまでに留めるのが安全です。
まとめ
結論:トラックのブレーキ鳴きやキーキー音は、音だけで判断せず、効き・ペダル感・強い異音・振動・焼けた臭い・警告灯・左右差で危険度を仕分けることが重要です。
理由:ブレーキ鳴きは、冷間時や水分などの条件要因から、摩耗、表面状態、当たり方、周辺部品の不具合まで原因候補が幅広く、音の名前だけでは安全性を判断しきれないためです。
補足:空荷では問題がなくても、積載時に鳴く、坂道や連続停止後に悪化する、片側だけ強い場合は点検優先にしてください。逆に、冷間時や雨天後だけキーキー鳴き、数回で収まり、効きや振動などに変化がなければ、条件を記録しながら様子を確認できる場合があります。
- ✅ まず「効き・ペダル感」に異常がないか確認する
- ✅ 次に「音の種類」(キーキー/ゴー/ガリガリ/ゴゴゴ)を整理する
- ✅ 振動・臭い・警告灯・左右差を確認する
- ✅ 冷間時、雨天後、空荷/積載、速度帯など発生条件をメモする
- ✅ 危険兆候がある場合は運行を控え、整備工場へ点検相談する
🧭 次に取る行動
『効きの異常/強いガリガリ音/強い振動/焼けた臭い/警告灯・エア圧異常』が一つでも当てはまるなら運行を控え、症状(音・条件・積載・ペダル感・左右差)をメモして整備工場へ点検相談します。
著者:ユニック車ガイド編集部
現場の判断に役立つチェックリストと伝達テンプレを整備し、トラック・ユニック車(クレーン装置)を含む業務車両の安全運用を最優先に編集しています。


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