【4tユニックの作業半径とは】どこから測る?測り方と現場での確認方法

4tユニックの作業半径と吊り位置の距離感が分かる現場イメージ写真 4tユニック

4tユニックの現場で「ブームは届きそうなのに、能力表を見ると吊れない」ということがあります。その判断で最初に確認したいのが作業半径です。

結論として、4tユニックの作業半径は、クレーンの旋回中心からフック中心までの水平距離です。車両後端から荷物までの距離や、ブームそのものの長さではありません。

現場では、車両を実際に据え付ける位置を決め、旋回中心から荷を吊る位置のフック中心までを水平距離として確認します。その距離を実車の定格総荷重表へ当てはめることで、吊り能力の判断につなげます。

4tユニックの作業半径では届くことと吊れることが別である点を示した図解

この記事で確認するポイント

  • 作業半径はどこからどこまで測るのか
  • ブーム長・地上揚程・ブーム角度との違い
  • 現場図面から必要な作業半径を出す方法
  • 最大作業半径と実際に使える範囲の違い
  • 作業半径を確定した後、どの能力表を確認するか

なお、「その作業半径で500kg・1t・2tなどの荷物を吊れるか」を具体的に確認したい場合は、作業半径を確定した後に4tユニックの吊り上げ荷重を作業半径別に確認すると判断しやすくなります。

著者情報(ユニック車ガイド編集部)
ユニック車・クレーン付きトラックの手配と現場判断を支援する編集方針で執筆しています。最大値だけで作業可否を断定せず、メーカー仕様表・定格総荷重表と実際の現場条件を確認することを前提に情報を整理しています。
安全上の注意:実際の作業可否は、クレーン型式、ブーム長、作業半径、アウトリガー張出状態、作業領域、吊り荷重量、地盤などで変わります。最終判断は対象機種のメーカー仕様表・取扱説明書・実機の定格総荷重表、現場責任者や安全管理担当者の指示に従ってください。
  1. 4tユニックの作業半径とは|どこからどこまで測る?
    1. 作業半径は旋回中心からフック中心までの水平距離
    2. ブーム長と作業半径は同じではない
    3. 作業半径と地上揚程も別の数値
  2. 4tユニックの作業半径の測り方|現場で何mと考える?
    1. 図面に旋回中心と吊り位置を置く
    2. 障害物を考慮した実際の据付位置で測る
    3. 車両位置を変えたら作業半径も測り直す
  3. 4tユニックの最大作業半径は何m?
    1. 3段・4段・5段・6段で最大作業半径は変わる
    2. 最大作業半径は「最大能力で吊れる距離」ではない
  4. 作業半径が大きくなると吊り能力はどう変わる?
    1. 一般に作業半径が大きくなるほど吊り能力は小さくなる
    2. 「一番強いブーム角度」だけでは判断できない
    3. 具体的に何kg吊れるかは吊り上げ荷重記事で確認する
  5. 作業半径を決めるときに確認する現場条件
    1. アウトリガーを必要条件で張り出せるか
    2. 地盤・傾斜に問題がないか
    3. 電線・建物・足場と干渉しないか
  6. 4tユニックの作業半径を確認する手順
    1. 現場での最短チェック手順
    2. 作業半径の確認チェックリスト
  7. 4tユニックの作業半径でよくある質問
    1. 4tユニックの作業半径はどこから測りますか?
    2. 4tユニックの作業半径は何mくらいですか?
    3. 最大作業半径だけ見れば4tユニックを選べますか?
    4. 障害物を避ける場合はどの距離で確認しますか?
    5. ユニックが一番強いブーム角度は何度ですか?
  8. 4tユニックの作業半径を確認するときの要点
    1. 要点まとめ
    2. 次に確認すること
  9. 出典・参考情報

4tユニックの作業半径とは|どこからどこまで測る?

4tユニックの旋回中心からフック中心までの作業半径

作業半径は旋回中心からフック中心までの水平距離

作業半径とは、クレーンの旋回中心からフック中心までの水平距離です。

タダノの公式仕様資料でも、作業半径は「クレーン旋回中心とフック中心との水平距離」として説明されています。

そのため、次の距離を作業半径と混同しないようにします。

  • 車両後端から荷物までの距離
  • 荷台端から荷物までの距離
  • ブームそのものの長さ
  • 車両全長を含めた距離

現場図面から確認する場合も、まず車両の据付位置を決め、クレーン旋回中心とフックを持っていく位置を図面上に置き、その2点間の水平距離を確認します。

メーカー公式の定義は、タダノ Zest EXシリーズ公式仕様PDFでも確認できます。

ブーム長と作業半径は同じではない

ブーム長が10mだから、作業半径も10mになるわけではありません。

メーカー仕様資料では、ブーム長はブーム根元ピン(取付ピン)からブーム先端シーブ中心までの長さとして示されています。一方、作業半径は旋回中心からフック中心までの水平距離です。

ブームを上方へ起こせば、同じブーム長でも水平方向への距離は短くなります。反対にブーム角度を下げると、フック位置は横方向へ遠くなり、作業半径が大きくなります。

タダノの公式仕様資料では、10.0mブーム・起伏角度40度の読み取り例として、地上揚程8.0m、作業半径7.6mと示されています。つまり、ブーム長・ブーム角度・作業半径はそれぞれ別の数値です。

※メーカーの作業半径-揚程図は、ブームのたわみを含まない図として示される場合があります。図から読み取った値と実際の値が異なることがあるため、実作業では対象機種の定格総荷重表や取扱説明書を確認してください。

3段・4段・5段などブーム段数や長さの違いを詳しく確認したい場合は、4tユニックのブーム長さと段数ごとの違いを確認してください。

作業半径と地上揚程も別の数値

作業半径は横方向、地上揚程は高さ方向を確認するための数値です。

同じブーム長でも、ブーム角度を変えると「何m先まで届くか」と「何mの高さまでフックを上げられるか」の組み合わせが変わります。

確認する数値 意味 主な確認目的
作業半径 旋回中心からフック中心までの水平距離 能力表へ当てはめる距離条件
ブーム長 ブーム根元側から先端側までの長さ 使用するブーム条件
ブーム角度 ブームの起伏位置を示す角度 作業範囲図の確認
地上揚程 地面からフックまでの高さ 必要な高さへ届くか
定格総荷重 条件ごとに負荷できる最大荷重 吊り能力の確認

4tユニックの作業半径の測り方|現場で何mと考える?

図面に旋回中心と吊り位置を置く

現場図面から必要な作業半径を出すときは、車両の外形から荷物までを測るのではなく、旋回中心とフック中心の位置を基準にします。

基本手順は次のとおりです。

  1. 車両を据え付ける候補位置を決める
  2. その位置でクレーンの旋回中心を図面上に置く
  3. 荷物を吊る位置にフック中心を置く
  4. 旋回中心からフック中心までの水平距離を測る
  5. その距離を作業半径として能力表へ当てはめる

車両寸法やクレーン位置を図面上で整理したい場合は、4tユニックの寸法図で配置計画の確認ポイントを見ると整理しやすくなります。

障害物を考慮した実際の据付位置で測る

図面上の最短距離だけで作業半径を決めないことが重要です。

現場には、電線・建物・足場・塀・樹木・資材などがあり、図面上で想定した位置へ車両を据え付けられない場合があります。

例えば、図面上では作業半径5mで計画できても、障害物を避けるため車両を離す必要があれば、実際に確認すべき作業半径は変わります。

また、直線距離だけでなく、ブーム・フック・吊り荷が移動する空間に干渉物がないかも確認します。

車両位置を変えたら作業半径も測り直す

能力表上の余裕が少ない場合は、ブームをさらに伸ばす前に、車両を荷側へ近づけられないか検討する方法があります。

車両を安全に近づけることができれば、必要作業半径を短くできる場合があります。

ただし、車両を近づけた結果、アウトリガーを必要条件まで張れない、軟弱地盤になる、電線や建物へ近づくといった問題が発生する場合は成立しません。

現場ケース 作業半径への影響 確認すること
予定位置どおり据え付ける 計画した半径で確認 実測値と能力表を照合
障害物を避けて車両を離す 必要半径が長くなりやすい 変更後の距離を再測定
車両を荷側へ近づける 必要半径を短くできる場合がある 地盤・アウトリガー・障害物も再確認

4tユニックの最大作業半径は何m?

3段・4段・5段・6段で最大作業半径は変わる

4tユニックの最大作業半径は、すべての車両で同じではありません。メーカー・型式・ブーム段数などによって異なります。

中型トラック架装用カーゴクレーンの代表例として、タダノZX300シリーズでは次の最大作業半径が公表されています。

型式 ブーム段数 最大作業半径 最大地上揚程
ZX303 3段 7.5m 約9.2m
ZX304 4段 9.8m 約11.4m
ZX305 5段 12.1m 約13.7m
ZX306 6段 14.4m 約15.9m

※上記はタダノZX300シリーズの代表例です。4tユニック全車の共通値ではありません。メーカー・型式・架装仕様などによって異なるため、対象車両の仕様表を確認してください。

公式値は、タダノ ZX300 series公式ページで確認できます。

最大作業半径は「最大能力で吊れる距離」ではない

最大作業半径が9.8mだから、9.8m先まで最大クレーン容量で吊れるという意味ではありません。

メーカー仕様資料では、ブームを全伸長し、起伏角度を最小にした状態で最大作業半径になります。

一方、吊り能力はブーム長・作業半径・アウトリガー張出状態・作業領域などによって変わります。

例えばタダノZX300シリーズの公式仕様では、最大クレーン容量は2.93tですが、最大作業半径時の空車時定格総荷重は型式によって2.93tより小さい値が示されています。

そのため車両を選ぶときは「最大作業半径が必要距離を超えているか」だけで判断せず、実際に使う作業半径で必要な定格総荷重が確保できるかまで確認します。

作業半径が大きくなると吊り能力はどう変わる?

一般に作業半径が大きくなるほど吊り能力は小さくなる

タダノの公式仕様資料では、カーゴクレーンの吊り上げ能力は、作業半径が大きくなると小さくなることが示されています。

つまり、同じ荷物でもクレーンの近くでは能力表上の範囲に入っていて、車両から離れた位置では定格総荷重を超える場合があります。

このため現場では、次の順で判断すると整理しやすくなります。

  1. 必要な作業半径を確定する
  2. 使用するブーム長などの条件を確認する
  3. 実車の定格総荷重表で該当条件を見る
  4. 吊り荷本体だけでなく、フック・吊り具等を含む重量条件を確認する

定格荷重表そのものの見方を確認したい場合は、4tユニックの定格荷重表を作業半径ごとに確認するへ進んでください。

「一番強いブーム角度」だけでは判断できない

「ユニックは何度が一番強いのか」と考えたくなる場面がありますが、ブーム角度だけで吊り能力を決めることはできません。

ブーム角度が変わるとフック位置が変わり、結果として作業半径も変化します。さらに、使用するブーム長やアウトリガー条件、作業領域なども能力に関係します。

したがって「45度なら強い」「60度なら安全」といった固定角度で一般化せず、対象機種の作業半径と定格総荷重表を確認してください。

具体的に何kg吊れるかは吊り上げ荷重記事で確認する

この記事の主題は、「能力表へ当てはめる作業半径を何mと考えるか」を正しく確認することです。

作業半径を確定した後、「500kgなら吊れるか」「1t・2tの荷物は可能か」など具体的な重量判断をしたい場合は、4tユニックの吊り上げ荷重を作業半径別に確認するで、重量条件と不成立条件を確認してください。

また、性能表全体をどの順番で確認するか整理したい場合は、4tユニックの性能表で確認すべき数値を見ると、作業半径から定格荷重までつなげて確認できます。

作業半径を決めるときに確認する現場条件

4tユニックの作業半径判断で確認する4つの要素を整理した図解

アウトリガーを必要条件で張り出せるか

作業半径だけが能力表の条件に入っていても、必要なアウトリガー張出条件を確保できなければ、同じ能力条件では判断できない場合があります。

タダノの公式仕様資料でも、アウトリガーの張出幅により性能が変わることが示されています。

そのため、現場では「フックが届くか」だけでなく、車両横にアウトリガーを必要条件で張り出すためのスペースがあるかも確認します。

張り出し幅や必要な設置スペースの詳細は、4tユニックのアウトリガー寸法と張り出し条件で確認できます。

地盤・傾斜に問題がないか

図面上で必要な作業半径を確保できても、車両を安全に据え付けられなければ作業条件として成立しません。

軟弱地盤や傾斜地では、アウトリガー部分の沈下や車両の傾きなどにつながる可能性があります。

敷板や養生を含め、対象機種の取扱説明書、社内規程、現場責任者・安全管理担当者の指示に従って据付条件を確認してください。

電線・建物・足場と干渉しないか

作業半径は旋回中心からフック中心までの距離ですが、実際の作業ではブーム・フック・吊り荷が動く範囲全体を確認する必要があります。

  • ✅ 電線などへ危険な接近をしない位置を確保できる
  • ✅ 建物・足場・樹木などとブームが干渉しない
  • ✅ 吊り荷の移動経路に障害物がない
  • ✅ 旋回中も安全な作業空間を確保できる

障害物を避けて車両位置を変更した場合は、その新しい位置を基準に作業半径を測り直します。

4tユニックが向く条件と無理が出やすい条件を比較した図解

確認項目 確認しやすい条件 注意が必要な条件
作業半径 実際の据付位置で必要距離を確認できている 最大作業半径だけで判断している
アウトリガー 必要な張出条件を確保できる 予定した張出条件を確保できない
地盤 安全な据付条件を確認できる 軟弱・傾斜などで安定確保が難しい
障害物 ブーム・吊り荷の経路を確保できる 電線・建物・足場などで据付位置が変わる

※能力表上の数値だけで作業可否を確定しないでください。使用機種のメーカー仕様表・取扱説明書、実際のアウトリガー条件、作業領域、地盤、障害物などを確認してください。

4tユニックの作業半径を確認する手順

現場での最短チェック手順

  1. ✅ 荷物を吊る位置を確認する
  2. ✅ 車両の据付候補位置を決める
  3. ✅ クレーン旋回中心の位置を確認する
  4. ✅ 旋回中心からフック中心までの水平距離を確認する
  5. ✅ 電線・建物・足場などを考慮した実際の据付位置で再確認する
  6. ✅ アウトリガーを必要条件で張り出せるか確認する
  7. ✅ ブーム長・作業半径などを実車の定格総荷重表へ当てはめる
  8. ✅ 吊り荷とフック・吊り具等の重量条件を確認する

作業半径の確認チェックリスト

  • ✅ 車両後端ではなく旋回中心を基準にした
  • ✅ フック中心までの水平距離を確認した
  • ✅ ブーム長と作業半径を混同していない
  • ✅ 図面上だけでなく実際の据付位置を想定した
  • ✅ 障害物を避けることで半径が増えないか確認した
  • ✅ 車両位置を変更した場合は距離を測り直した
  • ✅ アウトリガー張出スペースを確認した
  • ✅ 地盤・傾斜・障害物を確認した
  • ✅ 確定した作業半径を実車の定格総荷重表で確認した

4tユニックの作業半径でよくある質問

4tユニックの作業半径はどこから測りますか?

クレーンの旋回中心からフック中心までを水平距離として測ります。車両後端や荷台端から荷物までの距離ではありません。現場図面でも旋回中心とフック中心の位置を置いて距離を確認します。

4tユニックの作業半径は何mくらいですか?

機種やブーム段数によって異なります。タダノZX300シリーズの代表例では、3段ZX303が7.5m、4段ZX304が9.8m、5段ZX305が12.1m、6段ZX306が14.4mの最大作業半径です。ただし、これは最大側の到達範囲であり、その距離で最大クレーン容量まで吊れるという意味ではありません。

最大作業半径だけ見れば4tユニックを選べますか?

最大作業半径だけでは判断できません。必要な位置までフックが届いても、その作業半径で必要な定格総荷重が確保できない場合があります。実際の作業半径を出した後、対象機種の定格総荷重表を確認してください。

障害物を避ける場合はどの距離で確認しますか?

障害物を避けた後の実際の据付位置を基準に、旋回中心からフック中心までの水平距離を確認します。車両位置が変われば作業半径も変わるため、当初の図面上の距離ではなく変更後の条件で能力表を確認します。

ユニックが一番強いブーム角度は何度ですか?

機種を問わず「何度が一番強い」と固定することはできません。ブーム角度が変わると作業半径も変わり、吊り能力はブーム長・作業半径・アウトリガー条件・作業領域などでも変わります。ブーム角度だけではなく、実車の定格総荷重表で確認してください。

4tユニックの作業半径を確認するときの要点

要点まとめ

  • ✅ 作業半径は旋回中心からフック中心までの水平距離
  • ✅ 車両後端から荷物までの距離ではない
  • ✅ ブーム長・作業半径・ブーム角度・地上揚程は別の数値
  • ✅ 現場で実際に据え付ける位置を基準に確認する
  • ✅ 障害物を避けて車両位置が変われば作業半径も測り直す
  • ✅ 最大作業半径は最大能力で吊れる距離ではない
  • ✅ ブーム角度だけで吊り能力を判断しない
  • ✅ 確定した作業半径を実車の定格総荷重表へ当てはめる
  • ✅ アウトリガー・地盤・障害物などの現場条件も確認する

次に確認すること

まず、車両の据付位置と吊り位置を決め、旋回中心からフック中心までの水平距離を確認してください。

作業半径を確定したら、次はその距離を実車の定格総荷重表へ当てはめます。「その半径で具体的に何kg吊れるか」を確認するときは、4tユニックの吊り上げ荷重の記事へ進んでください。

出典・参考情報

作業半径の定義、ブーム長、作業半径-揚程図、定格総荷重、アウトリガー条件などを確認するためのメーカー公式資料です。
ZX303~ZX306のブーム段数、最大作業半径、最大地上揚程などを確認するためのメーカー公式情報です。
中型トラック架装用クレーンの最大作業半径や仕様がメーカー・型式ごとに異なることを確認するためのメーカー公式情報です。

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