4tユニックの「何トン吊れるか」を判断するときは、車両の「4t」という呼び方やクレーンの最大値だけを見てはいけません。
結論:4tユニックには最大2.93t級のクレーン仕様がありますが、「4tユニック=4t吊れる」「2.93t級=いつでも2.93t吊れる」という意味ではありません。実際に吊れる重量は、吊り荷の総重量、作業半径、使用ブーム、アウトリガー張出状態、吊り方向・作業領域、クレーン型式などによって変わります。
たとえば古河ユニックURG374AWの公式性能表では、4t車クラス・4段ブーム・最大性能の例で、作業半径5.0mでは空車時定格総荷重1.13t、6.0mでは0.95tです。1tの荷物でも、作業半径が伸びれば能力表上成立しないケースがあります。
この記事では、500kg・1t・2tの荷物を例に、「吊りたい重量」から作業半径と実車条件を確認し、4tユニックで吊り上げが成立するか判断する流れを整理します。
性能表全体の見方を先に確認したい場合は、4tユニックの性能表で能力表の見方と数値判断の基本を確認すると整理しやすくなります。
4tという車格そのものの特徴や向く現場を確認したい場合は、4tユニックの特徴と向く現場を整理するも参考にしてください。
この記事の結論
- ✅ 「4t」は車両クラスの呼び方であり、クレーンが4t吊れるという意味ではない
- ✅ 最大2.93t級でも、2.93tを扱えるのは短い作業半径など所定条件での話
- ✅ 作業半径が伸びるほど一般に吊り能力は低下し、1tの荷物でも成立しない条件がある
- ✅ 判断は「吊り荷総重量→作業半径→ブーム→アウトリガー・吊り方向→実車の定格総荷重」の順で行う
- ✅ 吊れるか、荷台に載るか、積載量内で運べるか、現場に入れるかは別々に確認する
4tユニックの吊り上げ荷重は一律ではない|4tと2.93tの違い

4tは車両クラスであり「4t吊れる」という意味ではない
結論:一般に「4tユニック」と呼ばれる車両の4tと、クレーンで吊り上げられる重量は別に考えます。
理由:4tユニックという呼び方は車両側のクラスを示すために使われますが、クレーンの吊り上げ性能は搭載されているクレーン型式と実際の作業条件で決まるためです。
具体例:中型トラック架装用クレーンには2.93t級の仕様がありますが、これは4tの荷物を吊れるという意味ではありません。
手配時:「4tユニックを1台」と伝えるだけでなく、吊り荷重量・吊り位置・作業半径・必要なブーム条件・設置スペースまで確認することが重要です。
最大2.93t=いつでも2.93t吊れるわけではない
結論:「最大2.93t」という数値だけで、その現場で吊れる重量を判断することはできません。
理由:メーカーは「2.93t×2.6m」のように、つり上げ荷重とその荷重を扱える作業半径を組み合わせて最大クレーン容量を示しています。
公式例:古河ユニックURG374AWは4段ブームで、空車時最大クレーン容量は2.93t×2.6m、最大作業半径は9.81mです。ただし、9.81mで2.93tを吊れるという意味ではありません。
判断方法:「2.93t吊りだから2tなら大丈夫」ではなく、実際の吊り荷重量と作業半径を確定し、実車に適用される定格総荷重表を確認します。
吊れる重量は作業半径・ブーム・アウトリガー・吊り方向で変わる

結論:4tユニックで吊れるかは、荷物の重量だけでは決まりません。
確認順:吊り荷の総重量→作業半径→使用ブーム→アウトリガー張出状態→吊り方向・作業領域→実車の定格総荷重、の順に条件を整理します。
理由:メーカーの定格総荷重表は、ブーム長さ、作業半径、クレーン仕様、架装車両、アウトリガー張出幅などによって適用する性能が変わるためです。
注意:同じ荷物、同じ「4tユニック」という呼び方でも、実車のクレーン型式や設置条件が違えば結果が変わります。型式不明の数値を4tユニック全体へ一般化しないことが重要です。
「成立しない」とは能力表と現場条件が一致しない状態
結論:吊り上げが「成立しない」とは、予定した荷物・位置に対して、能力表または安全上必要な現場条件を満たせない状態です。
例:作業半径が長すぎる、アウトリガーを必要量まで張れない、使用ブームが想定と違う、地盤や水平条件を確保できない、作業領域が変わる、といったケースがあります。
重要:表の数値だけが成立していても、現場側の設置条件を満たさなければ実作業が成立するとは限りません。
作業半径別の吊り上げ荷重表【URG374AW・4t車クラス公式例】
公式性能表で見る作業半径ごとの能力低下
結論:作業半径が大きくなるほど、一般に吊り上げ性能は低下します。
公式例:以下は古河ユニックURG374AW・4段ブーム・4t車クラス性能(車両総重量8〜11t、ホイールベース4.2mクラス以上に架装時)の1234ブーム・最大性能から抜粋した代表値です。
URG374AWの空車時最大クレーン容量は2.93t×2.6mですが、ブームを伸ばして作業半径が長くなると、4t車クラスの空車時定格総荷重は次のように低下します。
| 型式・条件例 | 作業半径 | 空車時定格総荷重 |
|---|---|---|
| URG374AW・1234ブーム・4t車クラス・最大性能 | 4.0m | 1.33t |
| 同上 | 5.0m | 1.13t |
| 同上 | 6.0m | 0.95t |
| 同上 | 8.0m | 0.71t |
| 同上 | 9.0m | 0.60t |
| 同上 | 9.81m | 0.53t |
注意:これはURG374AWの「4t車クラス・1234ブーム・最大性能」という特定条件の公式例です。すべての4tユニックに共通する数値ではありません。使用ブーム、架装車両、アウトリガー張出状態、作業領域などで適用値は変わります。
同性能表は、アウトリガーを使用してクレーンを水平設置し、負荷時のブームのたわみを含む実際の作業半径を基準としています。また、定格総荷重にはフックなどのつり具の質量30kgが含まれます。
500kgの荷物を吊る場合
結論:500kgの荷物でも、「4tユニックだからどの距離でも余裕」とは判断できません。
公式例:URG374AW・1234ブーム・4t車クラス最大性能では、作業半径9.81mの空車時定格総荷重は0.53tです。
注意:0.53tは荷物本体だけに使える重量ではありません。同性能表ではフックなどのつり具30kgを含む定格総荷重として示されています。500kgの荷物に加え、玉掛け用具・治具等が実際の荷重へ加わる場合は、その質量も含めて確認する必要があります。
判断:「500kgだから軽い」と考えるのではなく、実際にクレーンへかかる条件を整理し、実車の能力表と照合します。
1tの荷物を吊る場合
結論:1tの荷物でも、作業半径によっては4tユニックで成立しません。
公式例:URG374AW・1234ブーム・4t車クラス最大性能では、作業半径5.0mの空車時定格総荷重は1.13tですが、6.0mでは0.95tです。
ポイント:わずか1m作業半径が伸びただけでも、この条件例では定格総荷重が1tを下回ります。また、5.0mの1.13tも荷物本体1tだけを見て必ず成立すると判断できる数値ではありません。
作業半径の確認:作業半径の定義や現場でどこからどこまで確認するかは、4tユニックの作業半径で能力低下を防ぐ確認ポイントで詳しく整理しています。
2tの荷物を吊る場合
結論:2tの荷物は、2.93t級クレーンでも短い作業半径など条件が揃わなければ成立しません。
公式例:URG374AW・123ブーム・4t車クラス最大性能では、作業半径3.0mで空車時定格総荷重2.15t、3.5mでは1.88tです。
ポイント:3.0mでは2tを上回る値でも、3.5mまで作業半径が伸びると2tを下回ります。最大クレーン容量2.93tという数字だけでは判断できないことが分かります。
判断:2t級の荷物を扱う場合は、実際の吊り条件を確定したうえで実車の定格総荷重表を確認し、成立しない場合は設置位置・作業半径・車格・作業方法を見直します。
フックなどの重量を含む定格総荷重を確認する
結論:吊り上げ荷重を判断するときは、荷物本体の重量だけを能力表と比較しないことが重要です。
理由:メーカーが示す「定格総荷重」は、フックなどのつり具の質量を含んだ数値として示されるためです。
URG374AWの例:古河ユニックの該当性能表では、定格総荷重の値にフックなどのつり具の質量30kgを含むことが明記されています。
注意:「4tユニックのフック重量はすべて30kg」と一般化せず、使用するクレーン型式・フック仕様・メーカー資料を確認してください。
定格荷重表の詳しい読み方は別記事で確認する
結論:本記事では「この重量を吊れるか」を判断する流れを担当し、定格荷重表の行・列・該当セルの詳しい読み方は別記事へ分けます。
本記事で整理する条件:吊り荷重量、作業半径、使用ブーム、アウトリガー条件、クレーン型式、作業領域です。
次に確認:条件を整理したあと、実車の表でどの数値を見るかは、4tユニックの定格荷重表で作業半径ごとの吊り能力を確認するで詳しく解説しています。
4tユニックで吊り上げが成立しない主な原因

アウトリガーを必要量まで張り出せない

結論:アウトリガーを予定した張出状態まで出せない場合、想定していた吊り上げ性能を適用できないことがあります。
理由:クレーンの安定度はアウトリガー張出幅によって変わり、メーカーの定格総荷重表でも最大・中間・最小など張出状態に応じて適用性能が分けられているためです。
URG374AWの例:公式仕様ではアウトリガー張出幅は最小2.02m、中間3.0m・4.2m、最大4.7mです。ただし、他型式へこの寸法を一般化してはいけません。
現場例:狭小地、道路沿い、建物際、境界ブロック横などでは十分に張り出せないことがあります。
- ⚠️ 失敗例:予定していた最大張出にできず、計画時の能力を使えない
- ✅ 確認:4tユニックのアウトリガー寸法と張り出し条件で設置幅を整理する
地盤が弱い・水平が取れない
結論:能力表上の荷重条件を満たしていても、クレーンを安全に設置できなければ作業は成立しません。
理由:メーカーの定格総荷重表は、アウトリガーを使用してクレーンを水平設置した状態を前提とした性能だからです。
注意しやすい場所:雨天後の軟弱地盤、埋戻し部、側溝や地下構造物付近などでは、設置条件を個別に確認する必要があります。
アウトリガー操作の基本は、アウトリガーの出し方と注意点も参考にしてください。
クレーン型式・ブーム条件が想定と違う
結論:同じ「4tユニック」でも、クレーン型式やブーム段数・使用状態が違えば適用する吊り上げ性能が変わります。
理由:メーカーのラインナップでも3段・4段・5段・6段で最大作業半径や最大半径時の定格総荷重などが異なるためです。
注意:「4t」「5段」「2.93t吊り」といった一部の呼び方だけで能力を決めず、実車のクレーン型式まで確認します。
3段・4段・5段などの違いを整理したい場合は、4tユニックのブーム長さと3段・4段・5段の違いを確認してください。
作業半径が想定より伸びる
結論:作業半径の見積もり違いは、「予定では吊れるはずだったのに現場では吊れない」原因になります。
理由:メーカー資料でも、作業半径が大きくなるに従ってつり上げ性能が低下するとされています。
現場例:障害物で車両を予定位置まで寄せられない、旋回時に回り込みが必要、荷置き場所を変更した、といった条件で作業半径が長くなることがあります。
作業半径:クレーン旋回中心からフック中心までの水平距離として確認します。
作業半径の定義・測り方は4tユニックの作業半径、旋回スペースまで確認する場合はユニック車の旋回範囲と設置前に確認すべき理由を参考にしてください。
吊り方向・作業領域の条件が違う
結論:4tユニックの後方吊り・側方吊り・前方領域では、実車の性能表に示された作業領域の条件まで確認する必要があります。
理由:車両に対するクレーンの向きによって安定条件が異なるためです。
公式資料の例:古河ユニックの資料では、キャブバック架装時の前方領域について、空車時定格総荷重の25%以下で作業する条件が示されています。
後方吊りの注意:「後方吊りなら常に最大能力まで使える」とは判断しません。アウトリガー張出状態、使用ブーム、作業半径、仕様などを含めて実車の性能表・取扱情報で確認します。
前方領域について詳しく確認する場合は、ユニック車の前方で吊る場合の注意点と代替策も参考にしてください。
最大クレーン容量だけを見て判断している
結論:「2.93t吊りだから2tは吊れる」と最大クレーン容量だけで判断するのは避けます。
理由:最大クレーン容量は、所定の短い作業半径などで成立する最大性能を示す数値だからです。
具体例:URG374AWの4t車クラス最大性能では、123ブームの3.0mで2.15tでも3.5mでは1.88tとなるため、2tの荷物を最大2.93tという数字だけで判断できません。
対策:最大値ではなく、実作業条件に対応する定格総荷重のセルを確認します。
吊れる・載る・運べる・入れるは別判断

クレーン能力だけで4tユニックの手配を決めない
結論:能力表上「吊れる」と分かっても、それだけで4tユニックの手配条件がすべて成立するわけではありません。
理由:クレーンで吊れる重量、荷台に載る寸法、車両として運べる重量、現場へ進入・設置できる寸法は、それぞれ別の条件だからです。
| 判断項目 | 確認するもの | 主な確認先 |
|---|---|---|
| 吊れる | 作業半径・使用ブーム・アウトリガー・作業領域・定格総荷重 | クレーン能力表・定格総荷重表 |
| 載る | 荷台寸法・荷姿 | 車両仕様・荷台寸法 |
| 運べる | 最大積載量・車両総重量・架装状態 | 車検証・車両仕様 |
| 入れる | 全長・全幅・全高・道路幅・設置スペース | 車両寸法・現場条件 |
吊れる重量と最大積載量を混同しない
結論:クレーンで吊れる重量と、荷台へ積んで道路を運べる重量は別です。
能力表上は吊り上げが成立しても、積載後に車両の最大積載量等の条件を満たさなければ運搬条件は成立しません。
積載量を確認する場合は、4tユニックの最大積載量とクレーン装着時に減る理由もあわせて確認してください。
4tユニック手配前の吊り上げ荷重チェック
まず「吊りたい重量」と「作業半径」を確定する
結論:手配前の最初の確認は、吊り荷の実条件と作業半径です。
次に使用ブーム、アウトリガー、クレーン型式、作業領域を確認し、最後に実車の定格総荷重表の該当条件と照合します。
確認項目:
- ✅ 吊り荷の重量と、実際にクレーンへかかる条件
- ✅ 作業半径(旋回中心からフック中心までの水平距離)
- ✅ 吊り荷の形状・重心・吊り方
- ✅ 使用するブームと伸長状態
- ✅ アウトリガーを必要な状態まで張り出せるか
- ✅ 前方・側方・後方などの作業領域
- ✅ 地盤・水平・障害物・旋回スペース
- ✅ 車両型式・クレーン型式と適用する性能表
成立しない場合は半径短縮・上位車格・別方式を検討する

結論:能力表または現場条件が成立しない場合は、そのまま作業を進めず条件を見直します。
第一候補:車両を荷物へ近づける、荷置き位置を見直すなどして作業半径を短縮できるか確認します。
それでも成立しない場合:必要なアウトリガー張出を確保できない、地盤条件が合わない、必要能力が不足する場合は、上位車格や別方式への切り替えを検討します。
- ⚠️ 最大2.93tという最大値だけで作業可否を決めない
- ⚠️ 現場で想定より作業半径が伸びないか事前に確認する
- ⚠️ アウトリガー張出条件を確認せず手配を確定しない
4t車クラスでは厳しい条件が見えている場合は、4tで厳しい時に6tユニックへ切り替える判断軸も比較してください。
長半径になりやすい、設置条件が厳しいなどの場合は、ユニックとトラッククレーン外注を比較する考え方も参考になります。
安全・資格の注意|最終判断は実車の能力表で行う

能力表・アウトリガー・水平・実作業半径を照合する
結論:実際の吊り作業は、実車の能力表・取扱情報と現場条件が一致することが前提です。
理由:定格総荷重は条件付きの性能であり、使用ブーム、作業半径、アウトリガー張出状態、作業領域、車両条件などが変われば適用する数値も変わります。
この記事の数値:URG374AWという特定型式の4t車クラス性能を使った判断例であり、すべての4tユニックに当てはめる数値ではありません。
- ✅ 吊り荷の実条件と実作業半径を確定する
- ✅ 実車型式・使用ブーム・アウトリガー条件に合う定格総荷重を確認する
- ✅ 地盤・水平・作業領域など現場側の条件も照合する
必要資格はつり上げ荷重と担当作業で確認する
結論:クレーン操作と玉掛け作業は、機械のつり上げ荷重や担当する作業に応じて必要な資格・講習等を確認してください。
公的情報:厚生労働省の建設労働者育成支援事業では、小型移動式クレーン運転技能講習について、つり上げ荷重1t以上5t未満の移動式クレーンを運転操作できる資格として案内しています。
注意:クレーンを操作できることと、玉掛け作業を担当できることは分けて資格・作業条件を確認します。
資格区分は、厚生労働省 建設労働者育成支援事業「小型移動式クレーン運転技能講習」などの公的情報と事業者・現場の確認手順に従ってください。
条件を満たさない場合は作業を行わない
結論:能力表の条件や現場側の安全条件が一致しない状態で、吊り作業を強行しないことが重要です。
作業半径超過、アウトリガー条件不一致、地盤・水平の問題などは、車両の安定性や吊り荷の安全に影響します。
条件が合わない場合は、設置位置変更、半径短縮、上位車格、別方式などへ計画を切り替えます。
吊り作業全体の安全確認は、ユニック車の吊り上げ作業で確認すべき安全ポイントも参考にしてください。
4tユニックの吊り上げ荷重でよくある質問
4tユニックの吊り上げ荷重まとめ
要点:4tユニックの吊り上げ荷重は一律ではありません。最大2.93t級という数値だけで作業可否を判断せず、吊りたい荷物の実条件と作業半径を起点に、使用ブーム、アウトリガー張出状態、作業領域、クレーン型式を確認し、実車の定格総荷重表へ当てはめます。
手配前の次の行動:吊り荷の総重量と実作業半径を確定し、使用予定車両のクレーン型式と性能表を確認してください。
- 🧭 「4t=4t吊れる」ではない
- 🧭 最大2.93tは所定条件での最大クレーン容量
- 🧭 500kg・1t・2tでも作業半径によって成立条件が変わる
- 🧭 性能表では作業半径・ブーム・アウトリガー・作業領域を合わせて確認する
- 🧭 吊れる・載る・運べる・入れるを分けて確認する
- 🧭 成立しない場合は半径短縮・上位車格・別方式へ計画を変更する


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