トラックの点検を実施したあと、「整備記録簿には何を書けばよいのか」「何年保管すればよいのか」「紙ではなく電子でもよいのか」が曖昧だと、点検そのものを正しく行っていても管理に不安が残ります。
法令上ここで扱う正式名称は「点検整備記録簿」です。点検・整備を行ったときは必要事項を記録し、車両区分に応じた期間保存し、必要なときに提示できる状態にしておくことが重要です。
国土交通省の案内では、3ヶ月・6ヶ月点検対象車は1年間、1年点検対象車は2年間の保存が必要とされています。また、2025年7月8日に公布された制度改正が2025年10月8日に施行され、一定の条件を満たせば点検整備記録簿を電磁的記録で作成・保存できるようになっています。

点検整備記録簿は、単に記入例を真似るだけでは不十分です。法令上必要な記載事項を満たしたうえで、交換理由や外注先、症状、対応結果などを必要に応じて補足しておくと、次回の整備、担当交代、事故・トラブル時の説明、車両売却時の整備履歴確認にも役立ちます。
まず自分のトラックが3ヶ月・6ヶ月・12ヶ月のどの定期点検に該当するかを整理したい場合は、【トラックの法定点検とは】3ヶ月点検・12ヶ月点検の違いと注意点で、車両区分と点検周期の全体像を確認してください。
この記事で判断できること
- ✅ 点検整備記録簿に何を記載すべきか分かる
- ✅ 1年保存・2年保存のどちらに該当するか確認できる
- ✅ 紙と電子の保管条件を整理できる
- ✅ 法定記載事項と、社内管理で追加すると役立つ情報を分けられる
- ✅ 行政確認・車検・事故・売却で記録をどう扱うか判断できる
著者情報
ユニック車ガイド編集部(小型トラック整備・運用管理担当)。2t〜4tクラスの小型トラック運用と点検管理を、現場判断に落とし込む編集を行っています。
監修・確認について(YMYL配慮)
法令・制度は車両区分や用途によって扱いが異なる場合があります。本記事では国土交通省・e-Gov等の公的情報を基準に整理し、個別車両の判断に迷う場合は整備事業者や管轄の運輸支局等への確認を前提とします。
点検整備記録簿の基本|何を書く?保存期間は何年?
結論:点検整備記録簿には、点検年月日、点検結果・整備概要、整備完了年月日、車両を特定する情報、点検時の総走行距離、点検・整備を実施した者の情報などを記録します。
保存期間は、国土交通省の案内で3ヶ月・6ヶ月点検対象車は1年間、1年点検対象車は2年間と整理されています。
記録時に注意したいのは、「日付・走行距離・内容・実施者の4項目だけ書けばよい」と考えないことです。これらは重要な情報ですが、法令上の点検整備記録簿では、車両を特定する情報や整備完了年月日なども含めて管理します。
点検整備記録簿で確認する主な記載事項
- ✅ 点検を実施した年月日
- ✅ 点検の結果と、必要になった整備の概要
- ✅ 整備を完了した年月日
- ✅ 車台番号、自動車登録番号または車両番号
- ✅ 点検時の総走行距離
- ✅ 点検または整備を実施した者の氏名・名称および必要な住所情報
点検と整備を実施した者が異なる場合は、両者を追えるように記録します。使用者自身が点検・整備を実施した場合の住所記載など、具体的な記載方法は国土交通省の「自動車の点検及び整備に関する手引」で確認できます。
「点検の結果・整備概要」は、単に「点検済み」とだけ書くのではなく、帳票の点検項目に沿って結果を記録し、整備を行った場合は交換した主な部品や測定結果など、必要な内容を残します。たとえばブレーキ部品を交換した場合は、交換した事実だけでなく、帳票や作業明細から何を整備したのか追える状態にしておくと管理しやすくなります。
| 確認項目 | 記録する内容の考え方 | 実務上の注意 |
|---|---|---|
| 点検年月日 | 実際に点検した日 | 後日のまとめ入力で日付を曖昧にしない |
| 点検結果・整備概要 | 各点検項目の結果、必要となった整備 | 「実施」の一語だけで終わらせず、帳票に沿って記載する |
| 整備完了年月日 | 整備が完了した日 | 点検日と整備完了日が異なる場合に混同しない |
| 車両情報 | 車台番号、登録番号または車両番号 | 別車両の記録と混在しないよう車両単位で管理する |
| 総走行距離 | 点検時のオドメーター値 | 部品交換履歴や次回整備判断にも使える |
| 実施者 | 点検・整備を行った者 | 自社・外注のどちらでも後から追えるようにする |
保存期間は1年・2年のどちらか
保存期間を考えるときは、会社で任意に決める社内保存年数と、法令上必要な点検整備記録簿の保存期間を分けて考えます。
| 国土交通省の区分 | 保存期間 |
|---|---|
| 3ヶ月・6ヶ月点検対象車 | 1年間 |
| 1年点検対象車 | 2年間 |
トラックは事業用・自家用、車両区分などによって定期点検の周期が異なります。そのため「トラックだから一律1年保存」「12ヶ月点検を行う車だから必ず2年保存」と単純に判断せず、自車がどの点検区分に該当するかを先に確認してください。保存期間の公式な案内は、国土交通省の点検整備の種類で確認できます。
3ヶ月点検そのものの対象、点検項目、前倒しや実施方法を確認したい場合は、【トラックの3ヶ月点検】点検項目・費用目安・前倒しの注意点へ進んでください。12ヶ月点検の具体的な項目や費用は、【トラックの12ヶ月点検】点検項目と費用目安|車検との違いも整理で確認できます。
日常点検のチェック表と点検整備記録簿を混同しない
日常点検と定期点検は目的・実施時期が異なります。日々の始業前確認や社内の日常点検チェック表を残すことは重要ですが、社内の日常点検表がそのまま道路運送車両法第49条の点検整備記録簿と同じものになるとは限りません。
定期点検後の点検整備記録簿は、使用している車両のメンテナンスノートや所定の帳票を確認し、必要事項が揃う形で管理してください。
点検整備記録簿の保管方法|紙・電子のどちらでも可能

結論:点検整備記録簿は、紙だけでなく、要件を満たせば電磁的記録による作成・保存も可能です。ただし電子化は「PDFをどこかに保存しておけばよい」という意味ではありません。
国土交通省では、点検整備記録簿等の電磁的方法による作成・保存に関する制度を2025年7月8日に公布し、2025年10月8日から施行しています。
電子で保存するときの重要ポイント
- ✅ スマートフォン、タブレット、パソコン等で電磁的記録を扱える
- ✅ 紙の点検整備記録簿をスキャンして電磁的記録として保存する方法もある
- ✅ 必要なときに直ちに明瞭な状態で画面表示できる
- ✅ 必要なときに書面を作成できる
- ✅ クラウド保存でも、求められた際に直ちに表示できる状態が必要
詳しい取扱いは、国土交通省の「点検整備記録簿、特定整備記録簿及び指定整備記録簿の電磁的方法による作成、保存又は交付に関する取扱い」で確認できます。
自動車の使用者が点検整備記録簿を電子保存する場合は、車両への「備え置き」の要件も意識する必要があります。スマートフォン等に記録を保存して携行する方法のほか、クラウド保存でも、使用者が情報を速やかに把握でき、提示を求められた際に直ちに明瞭な状態で示せる場合は備え置きとして扱われます。
電子保存で特に見落としやすいのは「すぐ表示できるか」です。端末を携行していても、故障、バッテリー切れ、通信状況、操作方法などの理由で直ちに表示できない状態は避ける必要があります。
電子化する場合は、便利さだけでなく、車両と記録の紐付け、アクセス方法、バックアップ、端末の故障時対策、出力方法まで運用として決めておくことが重要です。
保管の基本設計は「探せる・提示できる・失わない」
- ✅ 探せる:車台番号・管理番号などで車両単位に整理する
- ✅ 提示できる:担当者不在でも必要な記録を取り出せる
- ✅ 失わない:紙の紛失、データ消失、端末故障に備える
紙で管理する場合も、単にファイルへ綴じるだけでは不十分です。車両番号と年月で索引を作り、外注整備の作業明細が別ファイルへ分散しないようにすると、担当交代時にも履歴を追いやすくなります。
電子の場合は、フォルダ名やファイル名を担当者ごとに自由に決めると検索性が落ちます。「車両管理番号_点検年月日_点検区分」など、社内で同じ命名規則を使うと運用しやすくなります。
運輸支局等の検査で提示する場合は書面に注意
点検整備記録簿を電子保存している場合でも、運輸支局、自動車検査登録事務所、軽自動車検査協会で検査を受ける際に点検整備記録簿を提示する場合は、国土交通省の取扱いで書面の点検整備記録簿を提示することとされています。
電子管理を採用する場合は、「社内ではスマートフォンで見られるが、必要なときに印刷できない」という状態を避け、出力環境まで確認しておきましょう。
整備記録簿でつまずく理由|記録の分散・記載不足・保管ミス

結論:点検整備記録簿の不安は、「点検したかどうか」だけでなく、記録が分散し、内容が薄く、必要なときに取り出せないことで大きくなります。
現場で起きやすいのは、「点検は確かに行った」ことと、「第三者が記録から実施内容を追える」ことが一致しないケースです。口頭や担当者の記憶に依存した状態は、担当交代や拠点移動のタイミングで崩れやすくなります。
「点検したのに不安」が残る3つの典型パターン
- ✅ 記録がバラバラ:人・拠点・外注先で形式が違う
- ✅ 記載が浅い:点検した事実はあるが結果や整備内容を追えない
- ✅ 保管が弱い:所在不明、提示できない、データが消失する
台数が少ない現場では「担当者だけが分かる保管方法」になりやすく、台数が増えると「拠点・担当・外注先ごとに書式や保存場所が違う」という問題が起こりやすくなります。
記録簿は帳票だけの問題ではありません。誰が、いつまでに、どこへ記録し、誰が確認するのかまで固定しないと、書式を整えても運用が崩れます。
後から困りやすい状態
- ⚠️ 外注整備の明細だけ別のファイルに残っている
- ⚠️ 点検結果と部品交換の記録がつながっていない
- ⚠️ 実施者が略称だけで、誰が行ったか追えない
- ⚠️ 紙と電子の両方に記録があり、どちらが最新か分からない
整備記録簿は「証明力」で作る|法定項目+実務情報を分ける
結論:法令上必要な記載事項を満たしたうえで、整備の経緯を後から説明するために必要な情報を追加すると、記録の実用性が高まります。
重要なのは、法令上の記載事項と、社内で任意に追加する管理情報を混同しないことです。PTOが入らなかった、警告灯が点いた、ヒューズを確認した、再発したといった内容は、すべてが点検整備記録簿の独立した法定記載項目として定められているわけではありません。
一方、点検・整備の結果や経緯を説明するための補足情報として、症状や対応結果を車両履歴へ残しておくことは実務上役立ちます。
法定記載事項とは別に残すと役立つ情報
- ✅ 異常が発生した日時と症状
- ✅ 運転者が確認した内容
- ✅ 外注した整備工場・担当窓口
- ✅ 交換した部品や作業明細番号
- ✅ 修理後に再発したかどうか
- ✅ 必要に応じた写真・測定値・引継ぎメモ
こうした追加情報は、法定項目の代わりにはなりません。まず所定の点検整備記録簿を正しく作成し、そのうえで作業明細、写真、担当メモなどを車両単位で紐付けるのが基本です。
PTOや警告灯などの不具合は「経緯」を補足記録する

ユニック車では、PTOが入らない、PTOランプが点かない、警告灯が点灯したといったトラブルが発生することがあります。その場合、原因を推測して記録するより、実際に発生した症状、確認した内容、相談先、実施した処置、結果を分けて残すほうが、再発時に役立ちます。
PTOトラブルを補足記録するときの例
- ✅ 症状:PTOが入らない、ランプが点かない、作動しない
- ✅ 確認した事実:スイッチ状態、警告表示、ヒューズ確認など
- ✅ 対応:再操作、使用中止、整備工場への相談
- ✅ 結果:復旧、再発、点検継続、部品交換など
PTOの仕組み自体を確認したい場合は、ユニック車のPTOの役割と仕組みを参照してください。操作条件はユニック車PTOスイッチの操作方法と注意点、ヒューズの確認方法はトラックのヒューズ切れの確認方法で整理しています。
本記事ではPTOの故障診断そのものではなく、実際に確認・整備した経緯を記録へつなげる方法だけを扱います。
「点検」と「整備」を分けて追えるようにする
点検時に異常が見つかり、その後に部品交換や修理を行った場合は、「点検した日」と「整備が完了した日」が異なることがあります。
この2つを同じ日付として曖昧に処理せず、帳票の記載欄に沿って分けて管理すると、後から「いつ異常を確認し、いつ整備を完了したか」を追いやすくなります。
外注整備の場合も、整備工場から受け取った作業明細だけを別保管するのではなく、対象車両の点検履歴と紐づく形にしておくと説明が止まりにくくなります。
整備記録簿の提出・提示が必要な場面|行政確認・車検・事故・売却を区別

結論:「提出・提示が必要な場面」は一括りにせず、法令・行政上の提示と、事故・売却などで説明資料として活用する場面を分けて考えます。
場面ごとの考え方
- ✅ 行政上の確認:求められた対象・期間・形式に従って提示する
- ✅ 車検時:点検整備記録簿を提示する場合の形式を確認する
- ✅ 事故・トラブル:直近の点検・整備履歴を説明する資料として活用する
- ✅ 売却・入替:整備履歴を説明する資料として活用する
事故や売却の場面で、点検整備記録簿が常に「法定提出書類」となるとは限りません。ただし、継続的に点検・整備してきた履歴を説明できるため、実務上重要な資料になります。
逆に、「事故や売却で使えるから」という理由で独自メモだけを残しても、法定の点検整備記録簿の代わりにはなりません。法定帳票と補助資料を分けて管理してください。
電子保存でも検査時の提示方法を確認する
点検整備記録簿を電磁的記録として保存していても、運輸支局等で検査を受ける際に点検整備記録簿を提示する場合は、国土交通省の取扱いでは書面による提示が必要です。
「電子保存しているからスマートフォンだけ持って行けばよい」と判断せず、必要な手続きの前に印刷・提示方法を確認してください。
ユニック車では車両側とクレーン装置側の記録を混同しない
ユニック車では、トラック車両側の点検整備記録と、クレーン装置側に必要となる点検・検査・整備の記録が別の制度・帳票で管理される場合があります。
PTOのように車両側と架装側の両方に関係しそうな症状では、原因を決めつけるより、どこまで確認し、どの整備事業者・架装側へ相談し、何を実施したかを分けて残すと、後から対応経緯を説明しやすくなります。
クレーン装置側の法定点検や記録については、車両側の点検整備記録簿と同一扱いにせず、使用している装置、事業形態、メーカー・整備事業者の指示に沿って確認してください。
提示を求められたときの社内手順
- ✅ 対象車両を確定する
- ✅ 対象期間を確定する
- ✅ 指定された提示・提出形式を確認する
- ✅ 車両単位の保管場所から記録を取り出す
- ✅ 必要に応じて作業明細などの関連資料も確認する
ここで重要なのは、不足が見つかったからといって、根拠のない内容を後から作って埋めないことです。既存の作業明細、整備工場の記録、当時の担当メモなど確認できる資料を整理し、必要な対応が分からない場合は整備事業者や管轄行政へ確認します。
整備記録簿の運用チェックリスト|紙・電子・外注を管理する
結論:整備記録簿の改善は、書式を新しくする前に「車両ごとに集約されているか」「必要なときに出せるか」を確認するところから始めると安定します。
高機能なシステムを導入しても、入力期限や必須項目が決まっていなければ記録は途切れます。逆に紙でも、車両単位の索引と保管場所が固定されていれば、必要な記録を追いやすくできます。
現状診断チェックリスト
- ✅ 車両ごとに点検整備記録簿が整理されている
- ✅ 保存すべき期間の記録が残っている
- ✅ 点検年月日と整備完了年月日を追える
- ✅ 点検結果・整備概要が分かる
- ✅ 点検時の総走行距離が残っている
- ✅ 点検・整備実施者を追える
- ✅ 外注整備の明細が対象車両と紐づいている
- ✅ 紙・電子のどちらでも必要なときに提示できる
すべてを一度に変える必要はありません。まず、「記録が見つからない」「必要な期間が揃っていない」「誰が実施したか分からない」といった、後から復元しにくい問題から優先して改善します。
紙・電子・ハイブリッドを比較する
| 方式 | 向いている条件 | 注意点 |
|---|---|---|
| 紙 | 台数が少ない/現場で即記入したい/運用が単純 | 車両番号×年月の索引と保管場所固定が必要 |
| 電子 | 複数台・複数拠点/検索・集計が必要/担当交代が多い | 即時表示・書面化、アクセス、バックアップ、端末対策を確認 |
| ハイブリッド | 紙運用を残しつつ検索性・共有性を上げたい | 正本・最新版・スキャン更新のルールを明確にする |
方式選択で重要なのは「電子のほうが新しいから優れている」という考え方ではなく、法令上必要な状態を維持しながら、現場で継続できるかです。
電子化しても入力ルールが統一されていなければ、内容が薄くなります。紙でも保管場所が人によって違えば探せなくなります。自社の台数、拠点数、担当交代の頻度に合わせて選びましょう。
失敗例から運用ルールを決める
- ⚠️ 担当者が変わって記録が途切れる → 必須項目・記録期限・保管場所を固定する
- ⚠️ 外注整備の情報が残らない → 作業明細の受領・保管ルールを決める
- ⚠️ 紙はあるが探せない → 車両番号×年月で索引を作る
- ⚠️ 電子データを開けない → 端末・通信・出力方法を事前確認する
- ⚠️ 紙と電子の内容が違う → どちらを最新記録として管理するか明確にする
台数別・外注別の現実的な管理方法
2t〜4tの小型トラックを少数管理している場合は、紙の点検整備記録簿を基本にしながら、外注明細や補足資料をスキャンして車両単位に整理する方法も現実的です。
台数が増える場合は、電子化によって検索性を高めやすくなりますが、システム導入だけで解決するわけではありません。
台数が増えたときに先に決めること
- ✅ 誰が入力するか
- ✅ いつまでに入力するか
- ✅ 誰が確認するか
- ✅ 外注明細を誰が回収するか
- ✅ どの車両番号で記録を紐づけるか
- ✅ バックアップをどう取るか
外注整備では、「整備工場が記録を持っているから自社では管理しなくてよい」と考えないことが重要です。点検整備記録簿の備え置き・保存は自動車の使用者側で必要となるため、自車について必要な記録を確認できる状態を維持します。
作業明細は、点検整備記録簿と同じ書類ではありませんが、交換部品や作業内容を後から確認する補助資料として有効です。受領したら対象車両と紐付けて保管すると、担当交代時にも履歴を追いやすくなります。
法令・制度で迷ったときの確認先
結論:点検整備記録簿の扱いは、一般論だけで判断せず、自車の用途・車両区分・点検周期を確認したうえで公的情報と照合します。
特に「保存期間が1年か2年か」「どの帳票を使うか」「車両側とクレーン装置側のどの記録が必要か」といった判断は、似た車両でも用途によって異なる場合があります。
確認手順
- ✅ 車検証等で車両区分・用途を確認する
- ✅ 自車の定期点検周期を確認する
- ✅ 使用している点検整備記録簿・メンテナンスノートを確認する
- ✅ 国土交通省・e-Govの現行情報と照合する
- ✅ 判断できない場合は整備事業者・運輸支局等へ確認する
点検整備記録簿の法的根拠は道路運送車両法第49条などで確認できます。条文そのものを確認したい場合は、e-Gov法令検索「道路運送車両法」を参照してください。
社内ルール化の最小セット
- ✅ 記録を作成・更新する期限
- ✅ 記入・入力担当者
- ✅ 確認・承認方法
- ✅ 車両単位の保管場所
- ✅ 外注明細の回収担当
- ✅ 電子保存の場合のバックアップ方法
- ✅ 必要時の表示・印刷手順
最小セットは「管理項目を増やす」ことが目的ではありません。担当者が変わっても、同じ方法で記録・保管・提示できる状態を維持することが目的です。
トラックの整備記録簿のよくある質問
整備記録簿は手書きでも有効?
はい。紙の点検整備記録簿で管理できます。また、2025年10月8日以降は一定の条件を満たせば電磁的記録で作成・保存することも可能です。紙か電子かより、必要事項が記録され、保存期間を守り、必要なときに提示できる状態であることが重要です。
点検は実施したが記録が抜けた。どうする?
根拠のない内容を後から作って埋めるのは避けてください。作業明細、整備工場の記録、当時の担当メモなど確認できる資料を整理し、必要な対応が分からない場合は整備事業者や運輸支局等へ確認します。そのうえで、入力期限や明細回収など、記録が抜けた原因を再発防止ルールへ反映します。
保管場所はどこが良い?
車両単位で追える状態にすることが基本です。紙なら車両番号と年月で索引を作り、電子なら車両ごとのフォルダや管理番号を統一します。電子保存では、必要なときに直ちに明瞭な状態で表示でき、書面を作成できる状態も必要です。
売却時に整備記録簿がないと不利?
整備履歴を説明できる資料が少なくなるため、車両状態の説明材料が減る可能性はあります。ただし、点検整備記録簿の有無だけで査定額が決まるとは限りません。法定保存期間を守ったうえで、作業明細なども車両単位で整理しておくと整備履歴を説明しやすくなります。
提出を求められたら原本提出?コピー?
提出・提示を求めた機関や場面の指示を確認してください。なお、電子保存している点検整備記録簿を運輸支局、自動車検査登録事務所、軽自動車検査協会で検査時に提示する場合は、国土交通省の取扱いでは書面の点検整備記録簿を提示します。
ユニック車(クレーン装置付き)でも同じ?
トラック車両側の点検整備記録簿に加え、クレーン装置側で別の点検・検査・整備記録が必要になる場合があります。車両側と装置側を同じ帳票と決めつけず、使用している装置、事業形態、メーカーや整備事業者の指示に沿って管理してください。
PTOが入らないトラブルも整備記録簿に残すべき?
PTOが入らないという症状そのものが独立した法定記載項目というわけではありません。ただし、点検・整備の結果や整備概要として必要な内容は所定の帳票へ記録し、症状、確認した内容、相談先、対応結果などを社内の補助履歴として車両単位で残しておくと、再発時の原因切り分けや整備依頼に役立ちます。
まとめ & CTA
結論:トラックの整備記録簿は、「点検したこと」だけでなく、必要な事項を正しく記録し、決められた期間保存し、必要なときに確認できる状態を維持することが重要です。
法令上の点検整備記録簿では、点検年月日、点検結果・整備概要、整備完了年月日、車両情報、総走行距離、実施者情報などを記録します。保存期間は車両の点検区分によって1年または2年です。
2025年10月8日以降は電磁的記録による作成・保存も可能ですが、電子化しただけで管理が完了するわけではありません。必要なときに直ちに明瞭な状態で表示でき、書面を作成できる状態まで含めて運用を設計してください。
要点の再確認
- ✅ 法令上の正式名称は「点検整備記録簿」
- ✅ 3ヶ月・6ヶ月点検対象車は1年、1年点検対象車は2年保存
- ✅ 法定記載事項と、社内の補助記録を分けて管理する
- ✅ 電子保存は「直ちに表示・書面化できること」まで確認する
- ✅ 紙・電子ともに車両単位で探せる状態を作る
次の行動
- 🧭 自車が3ヶ月・6ヶ月・1年点検のどの区分に該当するか確認する
- 🧭 現在の記録簿に必要事項が揃っているか確認する
- 🧭 保存すべき期間の記録が残っているか確認する
- 🧭 紙・電子のどちらでも必要時に提示できるか確認する
- 🧭 外注明細や補足記録を車両単位へ紐づける


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