4tユニックの手配で迷いやすいのは、「4段で届かない不安」と「届いても吊れない不安」と「アウトリガーが出せず計画が崩れる不安」が同時に起きやすい点です。段数だけで判断すると、到達は足りたのに定格が足りない、あるいは定格は足りる想定でも設置条件が成立しないといったズレが起きやすく、結果として当日の段取り変更や外注追加につながります。
結論:5段ブームは性能表で『安全に届いて吊れる』条件が確認できる現場に向いています。ここでいう「届く」は最大ブーム長の数字ではなく、設置位置から荷中心までの水平距離(作業半径)と、必要な高さ・姿勢が両立する状態を指します。
この記事では、段数や最大ブーム長の説明に寄らず、性能表(能力表)を基準に「成立する作業/成立しない作業」を判断する手順として整理します。性能表は「ブームをどこまで伸ばせるか」ではなく、その姿勢・半径・アウトリガー条件で“何kgまで”を安全側で判断するための一次資料として扱うのがポイントです。
読後は、現場条件(作業半径・荷重・設置条件)を性能表に当てはめ、5段が必要か/過剰か、そして何を確認すべきかを判断できるようになります。段数の違いは「できる/できない」を直接決めるものではなく、成立させるための選択肢(到達の取り方)が増える代わりに、定格低下や設置条件の縛りが強く出やすいという性質があります。4t以外も含めて5段ブームの特徴を整理してから判断したい場合は、ユニック車5段ブームの特徴と向いている作業を事前に確認すると、段数差の捉え違いを減らせます。
著者:ユニック車ガイド編集部(現場判断・安全配慮担当)
本記事は、最大ブーム長や段数だけでの判断を避け、作業半径×定格荷重×設置条件を性能表(能力表)で照合する手順を軸に、条件付きで安全に判断できる情報のみを提示します。現場での可否は、荷の重さだけでなく吊り具・荷姿・風・地盤・アウトリガー張り出し状況などの条件で変動するため、一般論の断定は避けます。
監修条件:安全・法規・資格に関する内容は作業条件と機種仕様で変わるため断定を避け、仕様書・銘板・性能表の確認と、事業者・レンタル会社・メーカー等への照会を前提に記載します。必要に応じて、現場の作業計画書・施工要領書・関係先の運用ルールに合わせて判断してください。
なぜ「5段ブーム」で迷うのか(課題の全体像)

4段→5段検討で起きる典型的なズレ
- ✅「高さ」だけ見て「奥行き(作業半径)」が足りない(障害物回避・設置後退で半径が増えると起きやすい)
- ✅届いたが吊れない(性能表の定格荷重不足。荷重は荷そのものだけでなく、フック・スリング・治具の重量も含めて考える)
- ✅アウトリガーが規定どおり出せず、前提が崩れる(張り出し不足・敷板不足・地盤の沈下や傾きで“性能表の条件”から外れる)
この記事の対象範囲(4t×5段×性能表での判断)
- 🧩5段の特徴は「届く(作業半径)×吊れる(定格荷重)×設置できる(アウトリガー/地盤)」で整理する
- 🧩数値の断定は避け、性能表・仕様表で確認する前提で「判断の型」を示す(同じ“4t”でも架装・装備・車両ベースで差が出るため)
結論と判断軸(迷わないための基準)
結論(要点)
4tユニックの5段ブームは、高所や奥行きが必要な現場で有利ですが、性能表(能力表)を基準に作業半径・定格荷重・アウトリガー設置条件が満たせる場合に限って選ぶべき仕様です。逆にいえば、5段であっても半径が大きい・荷が重い・設置条件が厳しいのいずれかが崩れると、成立しない(または安全側に見て不可扱いにすべき)ケースが増えます。
一次判断の軸(最重要)
性能表上で想定作業半径と定格荷重が両立しているか(半径は「設置位置→荷中心の水平距離」。高さが足りていても、半径が増えると定格は下がりやすい)
二次判断の軸(迷ったときのチェック:3つ)
- ✅アウトリガー設置条件と地盤への適合(張り出し幅、敷板、沈下しやすさ、水平取りの可否)
- ✅高所・奥行き作業に対する到達余裕(障害物回避や設置後退で“実質半径”が増える想定を入れる)
- ✅過剰仕様によるコスト・取り回しへの影響(常用条件に対して必要か、例外現場だけのために固定化していないか)
判断の前提(重要条件の先出し)
- ✅想定作業半径に対して定格荷重が性能表上で確保できていること(吊り具・治具の重量も含め、余裕を持って見積もる)
- ✅アウトリガーを規定条件で張り出せる設置スペースと地盤があること(狭所は“張り出し不足”になりやすい)
- ✅障害物や設置位置により実質的な作業半径が増えないこと(避けられない場合は、増えた半径で成立するかを先に見る)
- ✅最大ブーム長を常用前提で考えないこと(最大伸長=最も定格が厳しい状態になりやすく、風・揺れ・姿勢制約の影響も受けやすい)
5段ブームの「特徴」と誤解ポイント(できること/できないことの境界)
5段ブームで“変わること”(4段との差の捉え方)
- ✅到達範囲の選択肢(特に奥行き・高さの両立)が増えやすい(設置後退が必要な現場で“届く側”の余裕になる)
- ⚠️伸ばすほど定格荷重が下がりやすく、成立条件は厳しくなる(届く=吊れるではない。性能表の“半径の欄”で確認する)
- ✅設置条件(アウトリガー・スペース)まで含めて運用の前提が増える(張り出し不足・地盤不良は、段数以前に成立を崩す要因)
「できる(条件付き可)」の定義
- ✅性能表で、想定作業半径に対して必要荷重が定格内に収まる吊り作業(荷姿や吊り方で必要荷重の“見込み”が変わる点も織り込む)
- ✅アウトリガー設置条件が満たせ、地盤・水平・スペースが確保できる現場(敷板・沈下対策・水平取りが現実的にできること)
「できない」の定義(不可として扱う境界)
- ❌性能表で定格荷重が不足する作業半径での吊り作業(届いても定格外は不可として扱う)
- ❌アウトリガーが規定条件で展開できない/地盤条件が確保できない状態(張り出し不足や沈下で“性能表の前提”から外れる)
- ❌障害物回避のために無理な角度・姿勢となり、実質半径が増える計画(想定半径が曖昧なまま進めるのが最も危険)
性能表(能力表)で見るべきポイント(最低限の読み合わせ手順)
- 荷の重量(付属具・余裕込み)を決める(荷そのもの+吊り具+治具+“想定外”の余裕を入れる)
- 設置位置→荷中心までの水平距離を作業半径として確定する(高さだけでなく、障害物回避や設置後退の分も足す)
- 性能表で「その半径での定格荷重」を照合し、成立/不成立を判定する(成立でも余裕が薄い場合は計画見直しを前提にする)
- アウトリガー条件(張り出し・設置スペース・地盤)を満たせるか確認する(張り出し幅、敷板、沈下しやすい地盤の有無)
向いている作業内容(性能表起点で整理)

向いている作業(代表パターン)
- ✅高所かつ奥行きが必要で、設置位置が限定される現場(半径と荷重が成立する場合。設置後退で半径が増える想定を最初に入れる)
- ✅障害物を避けるため設置位置が後退し、作業半径が増えやすい現場(増えた半径で定格が足りる場合。障害物回避で姿勢が制限される点も確認)
- ✅4段では到達が不足し、5段の到達余裕が計画上必要になる現場(必要荷重が軽め/中程度で成立しやすいケース。ただし“軽いから大丈夫”ではなく半径の欄で照合する)
向かない作業(誤解されやすい境界)
- ⚠️重量物を遠くで吊る作業(作業半径が大きいと定格が足りない可能性が高い。届いても“定格外”になりやすい)
- ⚠️アウトリガーが十分に出せない狭所(前提条件が崩れやすい。張り出し不足は安全側に見て不可扱いが基本)
- ✅「念のため5段」で、実際は半径要件が小さく4段で成立する現場(過剰仕様になりやすい。費用・手配難易度・取り回しの悪化が先に出る)
4段で足りる/5段が必要になる分岐(判断フロー)
4段で成立:想定作業半径×必要荷重が性能表で余裕を持って成立し、設置条件も確保できる。到達の“余裕”が必要でないなら、段数を増やす理由は弱い。
5段が必要:4段では到達不足が確定し、5段でも性能表・設置条件が成立する。到達余裕を得る代わりに、定格低下・設置条件の影響が増える前提で計画する。
どちらでも不可:作業半径が大きく定格不足、または設置条件が満たせない。外注・別機種・計画変更を検討する(段数を上げても解決しない問題として切り分ける)。
選び方・比較・実践(チェックリスト/比較表/失敗例→回避策)
まず整理する3つ(現場情報)
- ✅荷の重さ(付属具・余裕込み:荷だけでなくスリング・シャックル・吊り治具も合算する)
- ✅作業半径(設置位置→荷中心の水平距離)と高さ条件(障害物回避・設置後退で増える半径を“見込み”で入れる)
- ✅設置条件(アウトリガー張り出し・地盤・スペース・障害物:敷板の置き場と水平取りの可否も確認)
段数選定チェックリスト(Yes/No)
- ✅想定作業半径で必要荷重が性能表の定格内に収まる(余裕が薄いなら計画見直しを前提にする)
- ✅アウトリガーを規定条件で張り出せる(敷板・沈下・水平取りまで含めて“現実にできる”)
- ✅障害物回避で半径が増える見込みを織り込んだうえで成立する(増えた半径で再照合している)
- ✅5段にする理由が「到達不足の解消」として説明できる(念のため選定ではない。例外現場はスポット手配で分ける発想も持つ)
| 比較観点 | 4段 | 5段 |
|---|---|---|
| 到達余裕(高さ/奥行き) | 現場条件で成立する範囲で十分なら選択しやすい(段数を増やす前に半径と定格の照合が先) | 到達の選択肢が増えやすいが、成立は性能表で確認が必要(届く=吊れるではない) |
| 半径増での成立しやすさ | 作業半径が小さめなら成立しやすい傾向(障害物回避で半径が増えると再確認が必要) | 作業半径が増える計画ほど、定格低下の影響を受けやすい(余裕が薄いと計画変更が必要になりやすい) |
| 設置条件(アウトリガー/スペース) | 規定条件を満たせるかの確認が必要(敷板・沈下・水平取りまで含める) | 前提条件が増えるため、設置スペースと地盤の確認がより重要(張り出し不足は成立を崩す) |
| 過剰仕様リスク | 必要条件を満たすなら過剰になりにくい(まず成立条件を固める) | 「念のため」で選ぶと費用・取り回しの無駄になりやすい(常用条件と例外条件を分けて考える) |
| 手配時に伝えるべき情報 | 半径・荷重・設置条件をセットで提示(段数は最後に相談する) | 半径・荷重・設置条件に加え、障害物による半径増の見込みも共有(成立条件の照合を前提化する) |
失敗例→回避策(よくある4パターン)
- ⚠️段数だけで手配 → ✅半径×荷重×設置条件をセットで提示し、性能表で成立確認(段数は希望であって条件ではない)
- ⚠️高さだけで判断 → ✅水平距離(作業半径)を採寸し、性能表で照合(障害物回避・設置後退で増える半径も含める)
- ⚠️アウトリガー前提が崩れる → ✅設置幅・張り出し条件・地盤を事前チェック項目化(敷板の置き場と水平取りまで確認)
- ⚠️念のため5段で費用増 → ✅必要条件から逆算し、例外はスポット手配や外注で補う(常用条件と例外条件を分けて整理する)
費用感・レンタル/購入/外注の考え方(条件提示で整理)
同じ4tでも費用が変わる理由(一般論)
段数・仕様差、手配条件、運用条件で変動するため、価格を一律で断定できません。費用の比較では、同じ作業条件(作業半径・荷重・設置条件)を揃えた見積が必要です。特に「半径がどれくらいになるか」「アウトリガーを規定どおり出せるか」で、条件の厳しさが変わり、手配可否や段取りも変わります。
レンタル依頼で伝えるべき項目(手配ミス防止テンプレ)
- ✅想定作業半径(水平距離)と高さ条件(障害物回避・設置後退で増える半径の見込みも含める)
- ✅荷の重量(余裕込み)と形状(吊り具・治具を含め、偏荷重になりやすい荷姿も共有する)
- ✅設置条件(アウトリガー張り出し可能幅、地盤、障害物)(敷板の置き場・水平取りの可否も添える)
- 🧭希望段数は最後(成立条件を伝えたうえで相談。段数指定だけの依頼はミスにつながりやすい)
購入判断の観点(過剰/不足を防ぐ)
- ✅“よくある現場”で成立する条件を基準に固定し、例外は外注やスポット手配で補う(常用条件を満たす仕様を優先する)
- ✅中古検討は性能表・装備・アウトリガー条件の確認が前提(機種差が大きいため断定しない。性能表の前提条件が自社運用に合うかを見る)
安全・法規・資格の注意(YMYL配慮:確認手順)
安全面の前提(断定しすぎない)
ブームを伸ばすほど定格荷重が下がりやすく、安定性への影響も増えやすい前提で計画する必要があります。作業可否は段数では決まりません。5段は到達の選択肢が増える一方で、余裕が薄い状態(定格ギリギリ・半径大・設置条件厳しい)になりやすいため、性能表の条件外は最初から不可として扱うのが安全側です。
- ✅性能表の範囲外は不可として扱い、無理な姿勢・条件での作業判断をしない(“届くからできる”の誤認を避ける)
- ✅アウトリガー条件が満たせない場合は、計画の成立が崩れやすい前提で見直す(張り出し不足・沈下・水平不良は重大リスク)
法規・資格は「現場と仕様で変わる」ため確認が必須
必要な免許・資格・手続きは作業条件と機種仕様で変わるため、一般論だけで断定できません。最終判断は一次情報の確認と関係先への照会が前提です。特に、吊り上げ荷重・作業内容・現場ルールによって必要な講習や手続きが変わることがあり、「いつも同じだから大丈夫」という運用は法規・安全の両面でリスクになりやすい点に注意してください。
- 仕様書・銘板・性能表(能力表)で機種条件を確認する(アウトリガー条件・作業範囲の前提も合わせて確認する)
- 作業条件(作業半径・荷重・設置条件)を確定する(曖昧な半径のまま“できる前提”にしない)
- 事業者・レンタル会社・メーカー等に条件付きで照会する(現場の運用ルールや手続きも含めて確認する)
性能表の読み方や見落としやすい注意点を先に揃えたい場合は、ユニック車の性能表の読み方と注意点を確認すると、半径と定格の照合ミスを減らせます。
やってはいけない判断(重要)
- ⚠️最大ブーム長だけで作業可否を判断すること(“届く”の誤認を招きやすい)
- ⚠️性能表や設置条件の確認なしで5段を選ぶこと(前提条件が崩れると成立しない)
- ⚠️5段ブームを万能仕様として説明・運用すること(半径・定格・設置条件の縛りが強い前提を外さない)
FAQ
4tユニックの5段ブームはどんな作業で選ばれやすい?
高所・奥行きが絡み到達余裕が必要な作業で選ばれやすいですが、性能表で半径×荷重が成立することが前提です。次に確認するポイントは、想定作業半径の欄にある定格荷重です。加えて、アウトリガー張り出し条件(フル/中間など)を前提にしていないかを確認すると、成立の見落としを減らせます。
4段と5段の違いは「どこ」で効く?
到達範囲の選択肢に差が出やすい一方、伸長時の定格低下や設置条件の影響も受けやすい点が違いです。次に確認するポイントは、アウトリガー条件と障害物による作業半径の増加見込みです。現場の採寸は「荷中心までの水平距離」を基準にし、増える可能性があるなら増えた半径で性能表を引き直してください。
ブームを伸ばすと定格荷重はどれくらい下がる?
一般に低下しやすく、具体値は機種の性能表でのみ判断できます。次に確認するポイントは、想定半径の欄に記載された定格荷重です。定格がギリギリの場合は、吊り具重量や荷姿の揺れ・風の影響も含めて安全側に余裕を見込むのが基本です。
アウトリガーを十分に張り出せない現場でも使える?
規定条件が満たせないと成立しにくく、安全上の前提が崩れるため確認が必須です。次に確認するポイントは、張り出し条件・設置幅・地盤の確保可否です。敷板の設置が難しい、沈下しやすい、水平が取れない場合は、計画側(設置位置や手順)の見直しが必要になることがあります。
5段が過剰仕様になりやすいのはどんなケース?
作業半径の要件が小さく4段で成立する現場で「念のため5段」とするケースです。次に確認するポイントは、4段の性能表で想定半径×荷重が成立しているかです。成立しているなら、例外現場だけをスポット手配や外注で補う方が、常用コストと取り回しのバランスを取りやすくなります。
まとめ & CTA(次の行動)
- ✅5段は「届く」だけでなく「半径×荷重が性能表で成立」「設置条件が成立」で初めて向き不向きが決まる(段数は条件ではなく結果として選ぶ)
- ✅4段との差は到達余裕に出やすいが、定格低下と設置条件の影響も強く受ける(半径の欄で定格を必ず照合する)
- ✅念のため5段は過剰仕様になりやすく、必要条件から逆算する(常用条件と例外条件を分けて考える)
- 🧭現場の「作業半径(水平距離)・荷重・アウトリガー設置条件」を整理し、候補機種の性能表/仕様表で成立を確認したうえで、レンタル会社・販売店に条件付きで相談する(段数指定は最後に置く)


コメント