【3tユニックのブーム段数】4段・6段で変わる作業範囲

3tユニックのブームを伸ばして作業範囲を確認している現場イメージ 3tユニック

3tユニックを手配するとき、「4段と6段では何mくらい届くのか」「段数が多いほど重い荷物を吊れるのか」が分からず、仕様を選びにくいことがあります。

結論として、ブーム段数が増えるほど、最大作業半径と最大地上揚程は大きくなる傾向があります。古河ユニックの小型トラック架装用URG290Aシリーズを代表例にすると、4段は最大作業半径8.73m・最大地上揚程10.1m、6段は最大作業半径12.63m・最大地上揚程13.9mです。4段から6段になると、最大作業半径は3.90m、最大地上揚程は3.8m大きくなります。

ただし、6段だから4段より重い荷物を吊れるとは限りません。必要な水平距離と高さを先に確認し、荷物重量、車両の設置位置、障害物、アウトリガーの張出条件を含めて、使用予定車両の作業範囲図と定格総荷重表で最終判断します。

この記事では、3段・4段・5段・6段の代表的な数値、4段と6段の選び分け、段数だけで判断できない理由、手配前の確認手順を整理します。3tユニックの特徴、用途、寸法、能力をまとめて確認したい場合は、3tユニック全体の特徴と選び方で全体像を確認してください。

この記事で分かること

  • 3段・4段・5段・6段の最大作業半径と最大地上揚程の代表値
  • 4段・5段・6段を選び分けるときの判断基準
  • 段数が多くても吊り能力が高いとは限らない理由
  • 距離・高さ・重量・設置条件から候補車両を絞る手順

著者:ユニック車ガイド編集部

現場手配と車両選定の実務目線から、ブーム段数を具体的な距離・高さ・荷重条件に置き換えて解説します。

確認上の注意:段数や作業範囲は、メーカー、型式、年式、架装状態、アウトリガー条件などで異なります。記事内の数値は代表例として使用し、最終判断は実車の銘板、仕様書、作業範囲図、定格総荷重表で行ってください。

3tユニックのブーム段数とは

3tユニックのブーム段数を段数だけで判断すると起きやすいリスクを示す図解

ブーム段数とは、伸縮するブームが何段の構造で作られているかを示す仕様です。3段、4段、5段、6段と段数が増えるほど、ブームを長く伸ばせる構成になり、届く水平距離や高さが大きくなる傾向があります。

ただし、段数は車両の優劣や万能性を示す数字ではありません。必要な場所へ届く4段であれば、6段を選ばなくても作業条件を満たせる場合があります。反対に、車両を荷下ろし位置へ近づけられない現場では、4段では距離が不足し、5段や6段が候補になることがあります。

段数を比較するときに区別したい用語

  • ブーム長さ:ブーム本体の長さ。検索時に使われやすい表現ですが、荷下ろし位置までの水平距離と同じではありません。
  • 最大作業半径:クレーン旋回中心からフック中心までの最大水平距離です。
  • 最大地上揚程:フックを上げられる地上からの最大高さです。
  • 定格総荷重:作業半径、ブーム長さ、作業方向、アウトリガー条件などに応じて定められる荷重です。

現場で「何m先まで届くか」を確認する場合は、ブーム長さだけでなく最大作業半径を見ます。「何mの高さまで上げられるか」を確認する場合は最大地上揚程を見ます。さらに、その位置で荷物を吊れるかを判断するには、定格総荷重表を別に確認する必要があります。

3段・4段・5段・6段の作業範囲を数値で比較

3tユニックの4段と6段で作業範囲が変わることを示した図解

次の表は、古河ユニックの小型トラック架装用URG290Aシリーズを代表例として、3段から6段までの作業範囲を比較したものです。同シリーズは、架装対象がGVW5~8tクラス、つり上げ荷重が2.93tのユニッククレーンです。

ブーム段数 最大作業半径 最大地上揚程 最大作業半径時の空車時最大定格総荷重
3段 6.43m 7.9m 0.43t
4段 8.73m 10.1m 0.23t
5段 10.63m 12.0m 0.15t
6段 12.63m 13.9m 0.09t

数値の適用条件:上表は特定シリーズの代表例です。メーカー、型式、年式、ブーム構成、車両の安定度、アウトリガー張出幅、作業方向などによって数値は異なります。最終判断は、実際に使用する車両の銘板、仕様書、作業範囲図、定格総荷重表で行ってください。

代表例では、4段から5段になると最大作業半径は1.90m、最大地上揚程は1.9m大きくなります。5段から6段になると最大作業半径は2.00m、最大地上揚程は1.9m大きくなります。

4段と6段を直接比較すると、最大作業半径は8.73mから12.63mとなり、差は3.90mです。最大地上揚程は10.1mから13.9mとなり、差は3.8mです。建物の奥や高い位置へ荷物を移動する場合、この数mの差が車両選定に影響することがあります。

一方、最大値に近い位置では吊れる荷重が小さくなります。最大到達距離だけを見て段数を決めず、その位置で必要な荷物重量を扱えるかまで確認してください。

4段と6段はどちらを選ぶべきか

3tユニックの4段と6段の届き方の違いを比較した図解

4段と6段のどちらを選ぶかは、段数の多さではなく、実際に必要な水平距離と高さで判断します。車両を荷下ろし位置の近くに設置できるか、障害物を避ける必要があるか、荷物重量を含めて検討してください。

4段が候補になりやすい現場

4段は、必要な水平距離と高さが4段の作業範囲内に収まり、車両を荷下ろし位置へ比較的近づけられる場合に候補になります。

  • 車両の比較的近くへ荷物を下ろす
  • 必要な作業半径が代表例の8.73m以内に収まる
  • 必要なフック高さが代表例の10.1m以内に収まる
  • 遠距離への到達より、近距離での作業条件を重視する
  • 5段や6段の最大到達範囲までは必要ない

ただし、8.73mや10.1mは代表例の最大値です。実際の荷物重量や設置条件によって使用できる範囲は変わるため、数値の範囲内でも作業成立を断定できません。

6段が候補になりやすい現場

6段は、4段では必要な水平距離や高さを確保できず、より広い到達範囲が必要な場合に候補になります。

  • 建物の奥や車両から離れた場所へ荷物を置く
  • 車両を荷下ろし位置の近くに設置できない
  • 高い位置へフックを届かせる必要がある
  • 屋根、庇、足場などを避けながら到達させる必要がある
  • 4段や5段の作業範囲では距離または高さが不足する

6段は到達範囲を広げやすい一方、最大作業半径付近で扱える荷重は小さくなります。「遠くまで届く」ことと「遠くで重い荷物を吊れる」ことは分けて考えてください。

5段を中間候補にする場合

5段は、4段では距離や高さが少し不足するものの、6段の最大到達範囲までは必要ない場合の中間候補です。

  • 4段では必要な位置へ届かない
  • 6段ほどの最大作業半径は必要ない
  • 4段と6段の中間的な距離や高さが必要
  • 手配可能な車両在庫と性能表を見ながら選びたい

段数ごとの一般的な使い分けだけでなく、建設資材、設備機器、外構材など、荷物や現場との対応関係を確認したい場合は、3tユニックが向いている現場と用途例も参考にしてください。

段数選びの基本

  • 4段で距離・高さ・荷重条件を満たせるなら、4段を候補にする
  • 4段では少し不足するなら、5段の性能表を確認する
  • 5段でも届かない距離や高さが必要なら、6段を候補にする
  • どの段数でも、使用予定車両の作業範囲図と定格総荷重表で確定する

段数が多くても重い荷物を吊れるとは限らない

ブーム段数が増えると、届く距離や高さは大きくなりやすい一方、その位置で扱える荷重が増えるとは限りません。一般に、クレーン旋回中心から吊り荷までの作業半径が広がるほど、定格総荷重は小さくなります。

URG290Aシリーズの代表例では、最大作業半径時の空車時最大定格総荷重は、4段が0.23t、6段が0.09tです。6段は4段より3.90m遠くまで届きますが、最大作業半径で比較すると、表示される荷重は6段のほうが小さくなっています。

「届く」と「吊れる」は別に確認する

  • 届くか:作業範囲図で最大作業半径と地上揚程を確認する
  • 吊れるか:定格総荷重表で作業半径、ブーム長さ、作業方向、アウトリガー条件を確認する
  • 運べるか:車検証に記載された最大積載量を別に確認する

定格総荷重の詳しい読み方や、荷物重量、フック、玉掛け用具を含めた判断については、3tユニックの能力表と作業半径の見方で確認してください。

段数だけでは作業可否を決められない理由

ブーム段数だけで判断すると作業が成立しないケースを示す図解

作業範囲図で必要な場所に届くように見えても、実際の設置条件によっては、その数値どおりに使用できないことがあります。段数を決める前に、少なくとも次の条件を確認してください。

車両を実際に止められる位置

作業半径は、建物の端から荷下ろし位置までの距離ではなく、クレーン旋回中心からフック中心までの水平距離です。門扉、道路幅、駐車車両、側溝などの影響で予定位置へ車両を置けないと、作業半径が想定より大きくなります。

アウトリガーを張り出せる幅と地盤

アウトリガーの張出幅は、車両の安定度や定格総荷重に関係します。敷地幅が狭い、側溝や段差がある、地盤が軟らかいといった条件がある場合、想定した張出状態を確保できないことがあります。

電線・庇・屋根・足場などの障害物

最大作業半径や最大地上揚程の数値だけでは、ブームが通る軌道を判断できません。電線、庇、屋根、足場、樹木などがあると、ブームを起こす角度や旋回方向が制限される場合があります。

ブームと吊り荷が動く旋回空間

必要なのはブーム先端が届く一点だけではありません。ブーム本体、フック、吊り荷が移動する範囲や、アウトリガーを展開する場所も確保する必要があります。周辺空間の確認方法は、クレーン作業時の旋回範囲と設置スペースで詳しく整理しています。

荷物と吊具を含めた重量

定格総荷重と比較する重量には、荷物本体だけでなく、フックや玉掛け用具なども関係します。荷物本体の重量だけを見て「吊れる」と判断しないようにしてください。

同じ段数でも型式によって数値が異なる

同じ4段、同じ6段でも、メーカーや型式、年式、ブーム構成によって最大作業半径、最大地上揚程、定格総荷重は異なります。手配時は「4段」「6段」という呼び方だけでなく、使用予定車両の型式と性能表を確認します。

現場条件からブーム段数を決める手順

3tユニックのブーム段数を手配前に確認する流れを示す図解

段数を先に指定するのではなく、必要な距離、高さ、重量、設置条件を整理してから候補車両を絞ると、手配時の認識差を減らせます。

ブーム段数を決める7ステップ

  1. クレーン旋回中心を想定する:車両を実際に置ける位置を基準にします。
  2. 荷下ろし位置までの水平距離を確認する:建物からの距離ではなく、想定する旋回中心から測ります。
  3. 必要なフック高さを確認する:荷物の置き場所に加え、吊具や障害物を避ける高さも考慮します。
  4. 荷物と吊具の重量を確認する:荷物本体、フック、玉掛け用具、付属品を含めて整理します。
  5. 障害物と設置スペースを確認する:電線、庇、屋根、足場、樹木、進入経路、アウトリガー張出幅を確認します。
  6. 作業範囲図と定格総荷重表を照合する:候補車両が距離、高さ、重量のすべてを満たすか確認します。
  7. 手配先へ条件を具体的に伝える:水平距離、高さ、荷物重量、設置位置、障害物、アウトリガー条件を共有します。

手配先へ「6段をお願いします」とだけ伝えると、必要な距離や荷物重量が共有されず、想定と異なる車両が手配される可能性があります。次の項目を文章、写真、簡易図面などで伝えられるようにしておくと、車両選定がしやすくなります。

手配前チェックリスト

  • 荷物の名称、形状、重量が分かっている
  • 車両を置ける位置が分かっている
  • 旋回中心から荷下ろし位置までの水平距離が分かっている
  • 必要なフック高さが分かっている
  • 電線、庇、屋根、足場、樹木などを確認している
  • アウトリガーを張り出せる幅と地盤状態を確認している
  • 候補車両の型式、作業範囲図、定格総荷重表を確認できる

ブーム段数選びでよくある失敗

6段なら何でも吊れると考える

6段は4段より遠く、高く届きやすい仕様ですが、すべての位置で4段より重い荷物を吊れるわけではありません。最大作業半径付近では定格総荷重が小さくなるため、到達距離と吊り能力を分けて確認します。

建物から荷下ろし位置までの距離だけを測る

作業半径の起点は、建物の壁や車体の端ではなくクレーン旋回中心です。車両と建物の間に必要な間隔も含め、実際に車両を置く位置から水平距離を確認してください。

車両を実際に置ける位置を考慮しない

現地では、門扉、駐車車両、側溝、道路幅、地盤などによって、予定していた位置まで車両を寄せられないことがあります。設置位置が後退すると作業半径が広がり、必要な段数や吊り能力が変わります。

最大到達距離だけを見て荷物重量を確認しない

作業範囲図で荷下ろし位置へ届いても、定格総荷重が荷物と吊具の合計重量を下回れば、その条件では作業できません。距離、高さ、荷重の3項目を同時に照合します。

段数だけを指定し、型式や性能表を確認しない

同じ6段でも、メーカーや型式によって最大作業半径、最大地上揚程、定格総荷重は異なります。段数だけで代替可能と判断せず、手配される車両の型式と性能表を確認してください。

3tユニックのブーム段数でよくある質問

3tユニックのブーム段数とは何ですか?

回答:伸縮ブームを構成する段数です。段数が増えるほど、届く水平距離と高さが大きくなる傾向がありますが、車両の優劣や吊り能力の高さを直接示す数字ではありません。


4段ブームは何mくらい届きますか?

回答:古河ユニックURG290Aシリーズの代表例では、4段の最大作業半径は8.73m、最大地上揚程は10.1mです。メーカー、型式、年式、設置条件などで異なるため、実車の作業範囲図で確認してください。


6段ブームは何mくらい届きますか?

回答:古河ユニックURG290Aシリーズの代表例では、6段の最大作業半径は12.63m、最大地上揚程は13.9mです。メーカー、型式、年式、設置条件などで異なるため、実車の作業範囲図で確認してください。


6段は4段より重い荷物を吊れますか?

回答:一概にはいえません。一般に作業半径が広がるほど定格総荷重は小さくなります。代表例の最大作業半径時では、4段が0.23t、6段が0.09tです。実際に吊れる重量は、作業半径、ブーム長さ、作業方向、アウトリガー条件などを定格総荷重表で確認します。


4段と6段はどう選べばよいですか?

回答:必要な水平距離、高さ、荷物と吊具の重量、車両の設置位置、障害物、アウトリガー条件を確認して選びます。候補を絞った後、使用予定車両の作業範囲図と定格総荷重表で最終判断してください。

まとめ

3tユニックのブーム段数は、主に届く水平距離と高さへ影響する仕様です。段数が多いほど到達範囲は広がりやすいものの、段数の多さだけで吊り能力や作業可否は決まりません。

  • 代表例では、4段の最大作業半径は8.73m、6段は12.63m
  • 4段と6段の最大作業半径の差は3.90m
  • 代表例の最大地上揚程は、4段10.1m、6段13.9m
  • 長いブームほど遠方で重い荷物を吊れるとは限らない
  • 必要な距離、高さ、荷物重量、設置位置、障害物を先に確認する
  • 最終判断は実車の作業範囲図と定格総荷重表で行う

「4段か6段か」だけを先に決めず、クレーン旋回中心から荷下ろし位置までの水平距離、必要なフック高さ、荷物と吊具の合計重量を整理してください。その条件を手配先へ伝え、実際に使用する車両の性能表と照合することが重要です。

出典・参考情報

つり上げ荷重、架装対象、3段から6段までの最大作業半径、最大地上揚程、空車時最大定格総荷重の確認に使用。
現行モデルの公式カタログと性能表を確認するための資料一覧。

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