【トラックの車検に通る基準】落ちやすい項目と事前準備

車検前の点検準備をする整備工場前のトラックの写真 トラック実務・保守運用

トラックの車検が近づくと、「どこを直せば通るのか」「不合格で仕事が止まらないか」と不安になりやすいものです。

トラックの車検は、検査時点で道路運送車両の保安基準に適合しているかによって合否が決まります。灯火類、タイヤ、ブレーキ、排気・警告灯、下回りの漏れ、ミラー、車体・フレーム、後付け装備は、車検前に優先して確認したい項目です。

車検前の小型トラックを作業担当者が確認し灯火・タイヤ・ブレーキ・下回り・架装の点検項目を示す

2025年4月1日以降は、車検証の有効期間満了日の2か月前から満了日までに継続検査を受ければ、残っている有効期間を失わずに更新できます。部品手配や整備工場の予約を考えると、満了直前ではなく早めに準備することが重要です。

車検に合格しても、次の車検まで故障しないことや安全性が保証されるわけではありません。自己点検は外観と作動確認を中心に行い、分解整備、測定、故障診断は整備工場へ依頼してください。

トラック全体の定義や種類、用途から確認したい場合は、【トラックとは】意味・定義・種類・用途を初心者向けにわかりやすく解説で整理しています。

  • 車検で確認される主要項目
  • 自分で確認できる範囲と整備工場へ任せる範囲
  • 2tトラック・ユニック車で追加確認するポイント
  • 不合格になった場合の再検査と期限

著者情報・記事の確認方針

著者:ユニック車ガイド編集部(現場・安全重視)

本記事は、国土交通省、自動車技術総合機構、厚生労働省、日本自動車整備振興会連合会の公開情報を確認して作成しています。

車両の年式、型式、用途、登録区分、装備によって適用条件が異なる場合があります。最終判断は、車検証、最新の公式情報、検査機関、整備工場の確認を優先してください。

    1. 著者情報・記事の確認方針
  1. トラックの車検に通る基準とは
    1. 車検は検査時点の保安基準適合を確認する制度
    2. 車検に合格しても点検・整備が不要になるわけではない
    3. 車検と法定点検・日常点検の違い
    4. 2tトラックの車検有効期間
    5. 2025年4月以降は満了日の2か月前から受検できる
  2. トラック車検で確認される主要項目一覧
  3. 不合格につながりやすい項目と事前確認
    1. 灯火類の球切れ・レンズ割れ・光軸不良
    2. タイヤの溝不足・亀裂・偏摩耗
    3. ブレーキの片効き・警告灯・エア漏れ
    4. 排気漏れ・黒煙・エンジン警告灯
    5. オイル・燃料・冷却水の漏れ
    6. ミラー・ワイパー・窓ガラスの不備
    7. ステアリング・サスペンション・足回りの異常
    8. フレーム・荷台・下回りの腐食や亀裂
    9. 後付け灯火・配線・ステーの固定不良
  4. 2tトラック・ユニック車で追加確認する項目
    1. 車検証と架装後の寸法・重量・車体形状
    2. クレーン取付部・サブフレーム・アウトリガー
    3. 荷台・あおり・鳥居・突入防止装置
    4. 後付け部品が灯火やナンバーを隠していないか
    5. 車両の車検とクレーンの定期自主検査は別
  5. 自分で確認できる範囲と整備工場へ任せる範囲
  6. 車検前の準備スケジュール
    1. 2か月前
    2. 1か月前
    3. 2週間前
    4. 1週間前
    5. 前日・当日
  7. 不合格になった場合の再検査
    1. 当日は2回まで再入場できる
    2. 翌日以降は再申請と手数料が必要
    3. 限定自動車検査証の有効期間は最大15日
    4. 車検証の有効期限が切れた車両は公道を走行できない
    5. 業務停止に備えて代車や日程調整も検討する
  8. トラック車検でよくある失敗例
  9. FAQ
  10. まとめ
  11. 出典・参考情報

トラックの車検に通る基準とは

車検は保安基準への適合で決まり主要確認項目と自己点検と工場対応の線引きを示す図解

車検は検査時点の保安基準適合を確認する制度

車検では、自動車の構造や装置が検査時点で保安基準に適合しているかを確認します。見た目がきれいか、整備費を多くかけたかではなく、灯火、制動装置、走行装置、排気、車体などが基準に適合しているかが合否の中心です。

球切れ、著しいタイヤ摩耗、ブレーキの異常、排気漏れ、継続的な液体漏れ、固定不良などがある場合は、不適合となる可能性があります。ただし、適否は車両の状態と適用される基準によって個別に判断されます。

車検に合格しても点検・整備が不要になるわけではない

車検は、車検証の有効期間中に故障しないことや、安全性が継続して保証されることを意味しません。国土交通省も、車検と点検整備は別のものであり、車検に合格しても日常点検や定期点検を省略できないと案内しています。

車検直後でも、警告灯、異音、異臭、ブレーキの違和感、液体漏れなどが出た場合は、次の点検時期を待たずに確認が必要です。

車検と法定点検・日常点検の違い

区分 主な目的 確認内容 注意点
車検 検査時点の保安基準適合を確認 車体、灯火、制動、走行、排気など 有効期間中の安全を保証する制度ではない
定期点検 故障予防と性能維持 用途・車種ごとに定められた点検項目 実施時期は用途や車種で異なる
日常点検 運行前後の異常発見 灯火、タイヤ、液量、漏れ、異音など 使用状況に応じて使用者が実施する

2tトラックの車検有効期間

一般的な車両総重量8t未満の貨物自動車は、初回の車検証有効期間が2年、2回目以降が1年です。車両総重量8t以上の貨物自動車は、初回から1年です。

ただし、「2tトラック」は最大積載量を目安にした通称であり、車検有効期間を決める名称ではありません。用途、登録区分、車両総重量などによって扱いが異なるため、最終的には車検証の「有効期間の満了する日」を確認してください。

2t車という呼び方と、最大積載量・車両重量・車両総重量の違いは、【トラックのトン数】何トン車か見分ける方法と確認手順で整理しています。

2025年4月以降は満了日の2か月前から受検できる

2025年4月1日以降は、有効期間満了日の2か月前から満了日までに継続検査を受ければ、残っている有効期間を失わずに更新できます。

2か月より前に受検すること自体が常に禁止されているわけではありませんが、通常は次回の有効期間が受検日を基準に計算され、残存期間を失う可能性があります。満了日と予約日を確認し、余裕を持って整備工場や検査場を手配してください。

トラック車検で確認される主要項目一覧

トラックは乗用車より車体が大きく、荷台、フレーム、ダブルタイヤ、架装装置など確認箇所が多くなります。車検で確認される部品が車体のどこに配置されているかは、【トラックの構造】図解でわかる基本構成と仕組みをご覧ください。

検査項目 主な確認内容 自分で確認できること 整備工場へ相談する状態
灯火・ヘッドライト 点灯、色、損傷、固定、光軸など 全灯火の点灯、レンズ割れ、水入り 光軸不良、配線不良、点灯が不安定
ブレーキ 制動力、片効き、駐車ブレーキ 警告灯、異音、踏みしろ、エア漏れ音 片効き、効き不足、警告灯、異臭
タイヤ・ホイール 溝、損傷、負荷能力、固定状態 残り溝、亀裂、偏摩耗、ナット外観 コード露出、著しい損傷、緩みの兆候
ステアリング・サスペンション がた、損傷、取付状態、走行安定性 異音、直進性、車体の傾き ハンドルのがた、ふらつき、金属音
排気・警告灯・OBD 排気漏れ、排出ガス、対象装置の故障情報 異音、黒煙、警告灯、スス跡 警告灯が消えない、異常な排煙や排気音
オイル・燃料・冷却水 漏れ、配管、ホース、継手 駐車場所の跡、濡れ、におい 滴下、燃料臭、冷却水減少、原因不明のにじみ
ミラー・窓・ワイパー 視界、損傷、固定、払拭、洗浄 割れ、ぐらつき、ワイパーとウォッシャー 固定できない、視界を妨げる損傷
車体・荷台・フレーム 腐食、亀裂、固定、突起、取付状態 あおり、鳥居、荷台、下回りの外観 深い腐食、亀裂、変形、補修跡
ナンバー・車台番号・表示 識別、視認性、取付、書類との一致 汚れ、隠れ、曲がり、固定 番号が確認できない、書類と不一致
後付け装備・架装 固定、寸法、灯火への影響、記載事項 配線、ステー、格納状態、取付外観 構造変更の要否が不明、寸法や重量に不一致

エンジン、ブレーキ、ミッション、デフなど、点検や修理の対象になる装置名は、【トラックの部品名称一覧】主要パーツまとめで確認できます。

不合格につながりやすい項目と事前確認

灯火類の球切れ・レンズ割れ・光軸不良

ヘッドライト、車幅灯、方向指示器、制動灯、尾灯、後退灯、番号灯、反射器などは、点灯・点滅だけでなく、色、損傷、固定状態、取付状態も確認されます。

  • すべての灯火が正常に点灯・点滅するか
  • レンズに大きな割れ、脱落、水入りがないか
  • 点滅速度が不自然に速くないか
  • 後付け部品で灯火や反射器が隠れていないか

球切れ交換は安全に作業できる範囲で対応できますが、光軸測定、配線不良、ユニット故障は整備工場へ依頼してください。灯火器の数値条件や取付位置は年式・車種で異なるため、一律の数値では判断できません。

タイヤの溝不足・亀裂・偏摩耗

一般的な公道走行用トラックのタイヤは、滑り止めの溝が規定される部分のいずれにおいても1.6mm以上必要です。スリップサインが出ている場合は、使用限度に達していると判断できます。

  • 残り溝が1.6mm以上あり、スリップサインが出ていないか
  • コード層の露出、著しい亀裂、損傷、変形がないか
  • 内側・外側だけが減る著しい偏摩耗がないか
  • 車両の荷重に対応するタイヤが装着されているか
  • 空気圧が車両またはタイヤの指定値に合っているか
  • ダブルタイヤの間に石などの異物が挟まっていないか
  • ホイールナットに欠落、著しいさび汁、緩みの兆候がないか

1.6mmは車検基準上の下限であり、あらゆる天候や使用条件で安全に使える交換目安ではありません。偏摩耗、ひび割れ、荷重条件も含めて判断してください。

ブレーキの片効き・警告灯・エア漏れ

ブレーキは制動力、左右差、駐車ブレーキなどが確認されます。エアブレーキ車では、圧力の立ち上がり、警報、エア漏れの兆候にも注意が必要です。

  • ブレーキ警告灯やABS関連の警告灯が消えるか
  • ペダルの踏みしろや戻りに違和感がないか
  • 制動時に左右どちらかへ強く引かれないか
  • 異音、異臭、エア漏れ音がないか
  • 駐車ブレーキの効きに不安がないか

制動力の測定、分解、調整は専門作業です。効きが弱い、片効きする、警告灯が消えない場合は、無理に走行せず整備工場へ相談してください。

排気漏れ・黒煙・エンジン警告灯

排気系では、マフラーや配管の損傷・漏れ、排出ガス、騒音などが確認されます。対象車両では、電子制御装置の故障情報を確認するOBD検査も関係します。

  • 普段より排気音が大きくなっていないか
  • 接続部や配管周辺にスス跡がないか
  • 著しい黒煙や不自然な排気臭がないか
  • エンジン、排出ガス、ABSなどの警告灯が消えるか

警告灯を一時的に消すだけでは原因解決になりません。対象車両・対象装置や排出ガス基準は年式・型式で異なるため、診断機による確認を整備工場へ依頼してください。

オイル・燃料・冷却水の漏れ

下回りやエンジン周辺の液体漏れは、漏れている液体、場所、量、進行性によって判断が異なります。軽いにじみと滴下を一律に同じ扱いにはできませんが、床へ落ちる状態や広がる濡れは早めの確認が必要です。

  • 駐車場所に新しい液体の跡がないか
  • エンジン、ミッション、デフ周辺に濡れが広がっていないか
  • 燃料臭や冷却水特有のにおいがないか
  • 冷却水や各種オイルが短期間で減っていないか

漏れ止め剤だけで済むと決めつけず、原因箇所の特定と修理判断は整備工場へ任せてください。

ミラー・ワイパー・窓ガラスの不備

安全な視界を確保できないミラーの破損や固定不良、ワイパー・ウォッシャーの作動不良、視界を妨げる窓ガラスの損傷は確認が必要です。

  • ミラーが正しい位置で固定できるか
  • 鏡面に視界を妨げる割れや欠損がないか
  • ワイパーが正常に動き、拭きむらが大きくないか
  • ウォッシャー液が適切に噴射されるか
  • フロントガラスの損傷や貼付物が視界を妨げていないか

ミラーの固定状態や左側視界に不安がある場合は、【トラックの左ミラーステー調整】視界確保の方法も確認してください。

ステアリング・サスペンション・足回りの異常

ステアリングのがた、ロッドやアームの損傷、サスペンションの破損、取付部の緩みなどは、走行安定性に直結します。

  • ハンドル操作時に大きながたや引っ掛かりがないか
  • 直進中にふらつきや片寄りがないか
  • 段差通過時に金属音や大きな異音がないか
  • 車体が左右どちらかへ不自然に傾いていないか

原因の特定にはリフトアップや測定が必要です。異常を感じた場合は、アライメントを自己判断で調整せず工場で確認してください。

フレーム・荷台・下回りの腐食や亀裂

トラックのフレームは、キャブ、エンジン、荷台、架装装置から受ける荷重を支える骨格です。著しい腐食、亀裂、変形、固定部の損傷は、安全性だけでなく車検時の判断にも影響します。

  • フレームやクロスメンバーに深い腐食や穴がないか
  • クレーンや荷台の取付部に亀裂・変形がないか
  • あおり、鳥居、荷台床、固定金具に脱落の恐れがないか
  • 突入防止装置、バンパー、泥よけが確実に固定されているか

架装車ではフレームの腐食や亀裂、補強部の状態も重要です。骨格部分の仕組みは、【トラックのフレーム】構造と強度の考え方で解説しています。

後付け灯火・配線・ステーの固定不良

作業灯、工具箱、看板、カメラ、ステー、配線などの後付け装備は、装置自体だけでなく、灯火・ナンバー・可動部への影響も確認してください。

  • 配線がタイヤ、プロペラシャフト、排気管、可動部へ接触していないか
  • ステーやボルトに緩み、変形、鋭い突起がないか
  • 後付け部品が灯火、反射器、ナンバーを隠していないか
  • 点灯色、取付位置、作動方法に不安がないか

適合条件は装備や年式によって異なります。判断できない装備は、取り外す前に整備工場や検査機関へ相談してください。

2tトラック・ユニック車で追加確認する項目

車検証と架装後の寸法・重量・車体形状

クレーン、工具箱、補助脚、荷台変更などの架装によって、車両の長さ・幅・高さ、車両重量、最大積載量、車体形状が変わることがあります。

車検証の記載と現車に大きな違いがある場合は、構造等変更検査が必要になる可能性があります。変更の範囲や必要手続きは一律に判断せず、改造内容、車両型式、指定・類別区分、登録状態を整備工場や運輸支局で確認してください。

クレーン取付部・サブフレーム・アウトリガー

ユニック車では、クレーン本体だけでなく、車体へ荷重を伝えるベース、サブフレーム、補強部、アウトリガーの格納・固定状態も確認します。

  • クレーン本体や取付部に目立つ変形がないか
  • ベース、サブフレーム、補強部に亀裂や著しい腐食がないか
  • ボルト、ナット、固定部に緩みや欠落の兆候がないか
  • 油圧ホースに亀裂、擦れ、膨れ、漏れがないか
  • ブームとフックが走行時の格納位置に収まるか
  • アウトリガーが確実に格納・固定できるか

荷をつって性能を確かめる作業や荷重試験を、車検前の一般的な自己点検として行わないでください。異音、油漏れ、変形、作動不良がある場合は、クレーン整備に対応できる事業者へ依頼してください。

荷台・あおり・鳥居・突入防止装置

荷台周辺では、あおりや鳥居の固定、床板の損傷、後部・側部の安全装置、反射器、灯火の視認性を確認してください。

  • あおりが確実に閉まり、ロックできるか
  • ヒンジ、チェーン、ロック金具に破損がないか
  • 鳥居や荷台の溶接部に亀裂がないか
  • 突入防止装置やバンパーに大きな変形・固定不良がないか
  • 積載物がない状態で車体から危険な突出物がないか

後付け部品が灯火やナンバーを隠していないか

クレーンの格納部、アウトリガー、工具箱、ワイヤー収納、看板、泥よけなどが、テールランプ、方向指示器、反射器、ナンバープレートを隠していないか確認してください。

後付け配線がタイヤや排気管へ近すぎる場合、走行中の擦れや熱で損傷する恐れがあります。固定位置や保護方法に不安がある場合は工場で是正してください。

車両の車検とクレーンの定期自主検査は別

車両の継続検査と、移動式クレーンとして必要な自主検査・点検は別制度です。車検に合格しても、クレーンの定期自主検査や作業開始前点検を省略できません。

区分 主な時期 主な内容 記録・対応
年次の定期自主検査 1年以内ごとに1回 構造・機能の検査。原則として荷重試験を含む 記録を3年間保存
月次の定期自主検査 1か月以内ごとに1回 安全装置、警報装置、ブレーキ、ワイヤロープ、フック、配線など 記録を3年間保存
作業開始前点検 その日の作業開始前 巻過防止装置、警報装置、ブレーキ、クラッチ、コントローラー 異常があれば直ちに補修

適用される届出、検査証、性能検査、運転資格、玉掛け資格は、移動式クレーンのつり上げ荷重や作業内容によって異なります。運転は、つり上げ荷重5t以上では移動式クレーン運転士免許、1t以上5t未満では小型移動式クレーン運転技能講習、1t未満では特別教育が基本です。玉掛けは、つり上げ荷重1t以上のクレーン等に関わる作業では玉掛け技能講習、1t未満では特別教育が基本となります。

また、つり上げ荷重3t以上の移動式クレーンと3t未満では、検査証や設置報告などの扱いが異なります。自車のクレーン型式、つり上げ荷重、検査証、資格証を確認し、不明な場合は労働基準監督署またはクレーン整備事業者へ相談してください。

自分で確認できる範囲と整備工場へ任せる範囲

自己点検の目的は、異常を早く見つけて整備につなげることです。専門的な測定や分解整備の代わりにはなりません。

自分で確認しやすい項目 整備工場へ任せる項目 工場へ相談する目安
灯火の点灯、レンズの破損 光軸測定、配線診断 交換しても点灯しない、ちらつく
タイヤの溝、亀裂、偏摩耗 アライメント、足回り診断 著しい片減り、コード露出、振動
警告灯、異音、異臭 OBD診断、排出ガス測定 警告灯が消えない、黒煙、異常音
駐車場所の漏れ跡 漏れ箇所の特定と修理 滴下、液量低下、燃料臭
ミラー、ワイパー、ウォッシャー 取付部修理、電装診断 固定できない、視界を確保できない
荷台、あおり、架装物の外観 フレーム強度判断、溶接修理 亀裂、深い腐食、変形、固定不良
車検証と現車の基本照合 構造変更の要否判断 寸法、重量、車体形状に不一致
クレーンの外観、格納、漏れ 油圧診断、専門点検、荷重試験 異音、作動不良、ホース損傷、油漏れ

車検前の準備スケジュール

車検で不適合につながりやすい失敗例と日程ロスを避ける準備の流れを示す図解

2か月前

  • 車検証で有効期間満了日を確認する
  • 整備工場または検査場の予約を取る
  • 車両を稼働させない日を現場と調整する
  • 代車や代替輸送が必要か判断する

1か月前

  • タイヤ、ブレーキ、下回り、灯火、架装状態を確認する
  • 警告灯、異音、異臭、漏れがある場合は診断を依頼する
  • 車検証と現車の架装・寸法・車体形状を照合する
  • 修理部品の納期を確認する

2週間前

  • 必要な修理や部品交換を完了させる
  • 修理後に警告灯や漏れが再発していないか確認する
  • タイヤ交換が必要な場合は早めに手配する
  • クレーンや架装部の専門点検が必要なら日程を確定する

1週間前

  • ヘッドライト、方向指示器、制動灯、番号灯などを再確認する
  • ワイパーとウォッシャーを作動させる
  • 警告灯が正常に消灯するか確認する
  • 車検証、自賠責保険証明書、点検整備記録簿など必要書類を確認する

前日・当日

  • 全灯火の点灯・点滅を最終確認する
  • 駐車場所に新しい漏れ跡がないか確認する
  • タイヤの外観、空気圧、ホイールナット周辺を見る
  • 警告灯、異音、異臭がないか確認する
  • クレーン、アウトリガー、あおり、工具箱などを確実に格納・固定する

不合格になった場合の再検査

車検不合格後の当日再入場2回と初回を含む合計3回、限定自動車検査証の最大15日を比較した図解

当日は2回まで再入場できる

検査で不適合となった場合、当日の審査時間内に限り、不適合箇所について2回まで再入場できます。初回入場を含めると、1回の申請で合計3回まで審査を受けられます。

当日中に修理できる球切れなどでも、再入場できる時間と回数には限りがあります。検査場の案内に従い、不適合箇所を正しく是正してください。

翌日以降は再申請と手数料が必要

不適合となった翌日以降に受け直す場合は、再申請を行い、新たな検査手数料が必要です。手数料は改定されることがあるため、受検時点の公式案内で確認してください。

限定自動車検査証の有効期間は最大15日

継続検査などで限定自動車検査証の交付を受けられる場合、不適合箇所を整備した後、その箇所に限定して審査を受ける方法があります。

限定自動車検査証の有効期間は、発行日を含めて最大15日間です。有効期間内に再申請しなかった場合は、原則として改めてすべての項目の審査を受けます。

限定自動車検査証があっても、元の車検証の有効期間を超えて自由に公道を走行できるわけではありません。

車検証の有効期限が切れた車両は公道を走行できない

車検切れの車両は、公道をそのまま走行して検査場へ持ち込めません。車載車で運ぶか、必要な手続きを行って仮ナンバーを使用するなどの対応が必要です。

自賠責保険の有効期間も含めて確認し、満了前に受検できる日程を確保してください。

業務停止に備えて代車や日程調整も検討する

業務用トラックは、再検査、部品待ち、工場の空き待ちが発生すると現場の工程へ影響します。修理に日数がかかる可能性がある場合は、代車、レンタル、外注輸送などの代替手段を早めに検討してください。

トラック車検でよくある失敗例

失敗例 回避策
前日に灯火を確認せず、球切れが見つかる 1週間前と前日に、補助者と全灯火を一巡して確認する
タイヤの溝だけを見て、亀裂やコード露出を見落とす 内外側、ダブルタイヤ間、サイドウォールまで確認する
オイルのにじみと滴下を区別せず放置する 床跡や液量低下があれば、早めに漏れ箇所を診断する
後付けランプやステーの固定不良を見落とす 配線の擦れ、取付ボルト、灯火・ナンバーへの干渉を確認する
警告灯を消すことだけを優先し、原因を診断しない 故障コードと原因を確認し、必要な修理後に再点検する
車検とクレーンの定期自主検査を同じものと考える 車両の車検と年次・月次・作業開始前点検を別々に管理する
車検証と架装後の寸法・重量・車体形状を照合していない 追加架装や改造履歴を整理し、構造変更の要否を事前確認する
車検満了直前に予約し、修理日程を確保できない 2か月前から予約し、遅くとも1か月前に一次点検を行う

FAQ

Q:トラック車検で特に確認しておきたい項目は?

A:灯火、タイヤ、ブレーキ、排気・警告灯、液体漏れ、ミラー、足回り、車体・フレーム、後付け装備を優先して確認します。ユニック車は、クレーン取付部、アウトリガー、架装状態と車検証の整合も確認してください。

Q:タイヤの溝は何mm必要?

A:一般的な公道走行用トラックでは、規定される部分の溝がいずれも1.6mm以上必要です。ただし、1.6mmは車検基準上の下限であり、亀裂、コード露出、偏摩耗、荷重への適合も確認が必要です。

Q:2tトラックの車検は毎年?

A:一般的な車両総重量8t未満の貨物自動車は、初回2年、2回目以降1年です。ただし、2t車は最大積載量を目安にした通称なので、用途、登録区分、車両総重量を含め、車検証で有効期間を確認してください。

Q:車検は何か月前から受けられる?

A:2025年4月1日以降は、車検証の有効期間満了日の2か月前から満了日までに受検すれば、残っている有効期間を失わずに更新できます。

Q:車検に落ちたら当日に再検査できる?

A:当日の審査時間内であれば、不適合箇所について2回まで再入場できます。初回入場を含めると、1回の申請で合計3回まで審査を受けられます。

Q:限定自動車検査証は何日間有効?

A:発行日を含めて最大15日間です。有効期間内に再申請しない場合は、原則としてすべての項目を改めて審査します。また、元の車検証の有効期間を超えて運行することはできません。

Q:ユニッククレーンも車検でつり上げ性能を検査される?

A:車両の車検では、クレーンの取付状態、車体・フレーム、寸法、灯火、格納状態、車検証との整合などが関係します。一方、クレーンの荷重試験や安全装置を確認する定期自主検査は車両の車検とは別制度です。

Q:車検と法定点検は何が違う?

A:車検は検査時点で保安基準に適合しているかを確認する制度です。法定の定期点検は、故障を未然に防ぎ、安全性や性能を維持するために行います。車検に合格しても、日常点検や定期点検を省略できません。

まとめ

  • トラックの車検は、検査時点の保安基準適合によって合否が決まる
  • 2025年4月1日以降は、満了日の2か月前から残存期間を失わずに受検できる
  • 一般的な公道走行用トラックのタイヤ溝は1.6mm以上が基準となる
  • 当日の再入場は2回までで、初回を含め合計3回まで審査を受けられる
  • 限定自動車検査証の有効期間は発行日を含めて最大15日間
  • 車両の車検とクレーンの定期自主検査は別制度である

満了直前に不具合が見つかると、部品待ちや再検査で業務が止まる可能性があります。2か月前から予定を組み、1か月前を目安に一次点検を行い、不安がある箇所は早めに整備工場へ相談してください。

出典・参考情報

出典・参考情報 記事内で確認した内容
国土交通省「車検を受けられる期間の延長」 2025年4月1日以降、満了日の2か月前から受検できる制度
自動車検査登録総合ポータルサイト「自動車検査証の有効期間」 貨物自動車の車両総重量別の有効期間
自動車技術総合機構「自動車検査の種類」 継続検査などの種類と車検証の有効期間
自動車技術総合機構「再入場・不適合の場合」 当日再入場の回数、後日再申請、限定自動車検査証の有効期間
自動車技術総合機構「審査事務規程」 自動車検査における各装置の審査方法と基準
厚生労働省「クレーン等安全規則」 移動式クレーンの定期自主検査、作業開始前点検、記録保存、資格区分
日本自動車整備振興会連合会「My Car Hand Book」 車検と点検整備の違い、点検整備の必要性

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