【トラックの高速道路最高速度】一般道との違いと違反リスク

高速道路を走行する無地のトラックを後方から捉えた写真 トラック実務・保守運用

トラックの高速道路での最高速度は、すべて同じではありません。道路標識や道路標示による速度指定がない高速自動車国道の本線車道等では、車両区分により原則100km/h・90km/h・80km/hに分かれます。

普通貨物自動車、準中型貨物自動車、特定中型貨物自動車に該当しない中型貨物自動車などは100km/h、大型貨物自動車と特定中型貨物自動車は90km/h、トレーラーや大型特殊自動車などは80km/hが基本です。

ただし、「2tトラック」「3tユニック」「4tトラック」という通称だけでは、100km/hと90km/hのどちらに該当するかを確定できません。完成車として交付された車検証の車両総重量と最大積載量を確認し、走行区間に標識等がある場合は、その表示と対象車種に従う必要があります。

日本の高速道路を走るトラックと、車種や重量で最高速度が変わることを示すアイキャッチ

この記事では、トラックの高速道路最高速度、100km/hと90km/hを分ける重量基準、一般道・自動車専用道路との違い、速度違反の点数と反則金、速度抑制装置との関係を具体的な数値で解説します。

速度超過以外も含めて、トラック事故の主な原因や場面別の防止策を確認したい場合は、【トラックの事故】多い原因と防止策も参考にしてください。

著者:ユニック車ガイド編集部

情報の確認方針:高速道路の最高速度、車両区分、違反点数、反則金について、警察庁、e-Gov法令検索、警視庁、国土交通省などの公的情報を基に整理しています。

実際の走行では、車検証、道路標識・道路標示、臨時規制、警察や道路管理者の案内、会社の運行規程を確認してください。

結論|トラックの高速道路最高速度は100・90・80km/h

高速自動車国道でのトラックの最高速度100km/h・90km/h・80km/hを車両区分別に比較

道路標識や道路標示による速度指定がない高速自動車国道の本線車道等では、トラックの最高速度は次のように分かれます。

法定最高速度 トラックに関係する主な車両区分 主な確認ポイント
100km/h 普通貨物自動車、準中型貨物自動車、特定中型貨物自動車に該当しない中型貨物自動車など 車両総重量8t未満かつ最大積載量5t未満かを確認
90km/h 大型貨物自動車、特定中型貨物自動車(三輪を除く) 車両総重量8t以上、最大積載量5t以上などの基準を確認
80km/h トレーラー、大型特殊自動車、三輪の自動車など 大型単車とトレーラーを混同しない

この表は、道路標識等による速度指定がない高速自動車国道の本線車道等における法定最高速度です。都市高速、自動車専用道路、工事規制区間、悪天候による規制区間などでは、現地に表示されている速度と対象車種を確認してください。

車両区分の確定から標識優先までを4手順で示す文字なし図解

2024年4月1日に変更された点

大型貨物自動車と特定中型貨物自動車の法定最高速度は、2024年4月1日に80km/hから90km/hへ引き上げられました。トレーラー、大型特殊自動車、三輪の自動車などは80km/hのままです。

標識がある場合は表示された速度と対象車種を確認する

法定最高速度は、標識等による速度指定がない場合の基準です。道路標識や道路標示で最高速度が指定されている場合は、その表示に従います。

ただし、乗用車向けに高い速度が指定されている区間でも、大型貨物自動車やトレーラーなどに別の速度規制が設けられていることがあります。数字だけでなく、補助標識や車種別表示も確認してください。

また、最高速度以内であっても、雨、雪、霧、横風、渋滞、積載状態、前方の見通しなどに応じて速度を落とす必要があります。

自分のトラックが100km/hか90km/hか確認する方法

100km/hと90km/hのどちらに該当するかを判断するときは、車検証に記載された車両総重量最大積載量を確認します。

車検証の「自動車の種別」にある普通・小型という表示や、ETC料金の車種区分、保有している運転免許の種類だけでは、高速道路の最高速度を確定できません。

特定中型貨物自動車は主に8t・5tが境界

特定中型貨物自動車とは、中型貨物自動車のうち、主に次のいずれかに該当する車両です。

  • 車両総重量8t以上11t未満
  • 最大積載量5t以上6.5t未満
  • 乗車定員11人以上29人以下

貨物トラックでは、車両総重量8tと最大積載量5tが重要な境界です。いずれか一方でも基準に該当する中型貨物自動車は、特定中型貨物自動車として90km/h側に入ります。

大型貨物自動車は主に11t・6.5tが境界

大型貨物自動車は、主に次のいずれかに該当する貨物自動車です。

  • 車両総重量11t以上
  • 最大積載量6.5t以上
  • 乗車定員30人以上

一般に10tトラックと呼ばれる大型単車は、大型貨物自動車として90km/hに該当するケースが多くなります。ただし、トレーラーは大型単車と同じ90km/hではなく、原則80km/hです。

重量基準と最高速度の関係

貨物車の主な区分 車両総重量 最大積載量 法定最高速度
特定中型貨物以外の中型貨物車など 8t未満 5t未満 100km/h
特定中型貨物自動車 8t以上11t未満 5t以上6.5t未満 90km/h
大型貨物自動車 11t以上 6.5t以上 90km/h

車両総重量と最大積載量は、両方の基準を同時に満たす必要があるわけではありません。原則として、いずれか一方が上位区分の基準に達していれば、その区分に該当します。

2t・3t・4t・ユニック車の代表的な考え方

通称・車両例 代表的な傾向 確認事項
2tトラック 一般的な仕様では100km/h区分が多い 車両総重量8t未満・最大積載量5t未満か確認
3tトラック・3tユニック車 一般的な仕様では100km/h区分が多い クレーン架装後の完成車の車検証で確認
4tトラック 100km/hと90km/hの両方があり得る 車両総重量8tが主な境界
大型・10tトラック 大型貨物自動車として90km/hが多い 車両総重量11t以上・最大積載量6.5t以上か確認
トレーラー 原則80km/h 大型単車の90km/hと混同しない

ユニック車は完成車の車検証で判断

ユニック車は、クレーンを搭載していることだけで100km/hまたは90km/hに決まるわけではありません。クレーン、アウトリガー、荷台などを架装した後の完成車について、車検証の車両総重量と最大積載量を確認してください。

高速自動車国道と自動車専用道路の違い

一般に「高速道路」と呼ばれる道路でも、法律上の扱いがすべて同じとは限りません。特に混同しやすいのが、高速自動車国道と自動車専用道路です。

道路の種類 最高速度の確認方法 注意点
高速自動車国道の本線車道等 標識等がなければ100・90・80km/hの車種別法定速度 往復方向が構造上分離されていない区間などは扱いが異なる
自動車専用道路 現地の道路標識・道路標示を確認 標識等による指定がなければ法定速度は原則60km/h
都市高速 区間ごとの道路標識を確認 カーブ、合流、分岐が多く、指定速度が変わりやすい

高速自動車国道でも、本線車道が道路の構造上、往復方向別に分離されていない区間では、100・90・80km/hの表は適用されず、一般道路と同じ扱いになります。

また、料金所、サービスエリア、パーキングエリア、工事区間、事故規制区間などでは、本線の法定最高速度をそのまま当てはめず、標識、係員の指示、交通状況に応じて十分に減速してください。

一般道の最高速度との違い

2026年8月31日まで、標識等による速度指定がない一般道路では、自動車の法定最高速度は原則60km/hです。

2026年9月1日からは、中央線や車両通行帯がない一部の生活道路について、法定最高速度が原則30km/hへ引き下げられる予定です。

道路 標識等がない場合の基本
一般道路(2026年8月31日まで) 原則60km/h
中央線等がない一部の生活道路(2026年9月1日から) 原則30km/h
中央線・車両通行帯がある一般道路 引き続き60km/h
往復方向が中央分離帯等で分離された一般道路 引き続き60km/h
自動車専用道路 引き続き60km/h

道路標識や道路標示による速度指定がある場合は、30km/hまたは60km/hという法定速度ではなく、表示された速度が最高速度になります。例えば、生活道路に40km/hの標識がある場合は、2026年9月1日以降も40km/hが最高速度です。

一般道を含む速度ルールの全体像は、【トラックの速度制限】一般道・高速道路の違いで詳しく確認できます。

速度抑制装置が付いていても最高速度の判断は別

大型貨物車などに装着される速度抑制装置は、一般にスピードリミッターとも呼ばれます。

主な対象は、貨物運送用の普通自動車で、次のいずれかに該当する車両です。

  • 車両総重量8t以上
  • 最大積載量5t以上
  • 上記に該当する被けん引自動車をけん引する一定のけん引自動車

速度抑制装置の設定速度は90km/h以下とされ、アクセルを踏み続けても設定速度を超えて加速しない構造が求められています。

リミッターの設定速度と法定最高速度は別

速度抑制装置が90km/h付近で作動することは、すべての道路で90km/hまで走行してよいという意味ではありません。法定最高速度や指定速度が80km/h、60km/h、50km/hなどであれば、その速度を超えてはいけません。

速度抑制装置は、車両の主制動装置を自動的に作動させて常に90km/h以下を保証する装置ではありません。下り坂では重力によって速度が上がることがあるため、運転者が速度計を確認し、エンジンブレーキや補助ブレーキなどを適切に使用する必要があります。

装置の対象車両や安全上の役割は、【トラックの速度抑制装置とは】仕組みと安全面での注意点で確認できます。

「リミッター」という通称と法定速度の違いについては、【トラックのリミッター】仕組みと役割も参考にしてください。

高速道路の速度違反は何点・反則金はいくらか

速度判断の失敗例と回避策を3パターンで対比した文字なし図解

速度違反の点数と反則金は、法定最高速度または指定最高速度を何km/h超過したかによって変わります。

次の表は、2026年4月1日更新の警視庁資料を基にした、高速道路での速度超過に関する主な点数と反則金です。

速度超過幅 違反点数 大型車の反則金 普通車の反則金
15km/h未満 1点 12,000円 9,000円
15km/h以上20km/h未満 1点 15,000円 12,000円
20km/h以上25km/h未満 2点 20,000円 15,000円
25km/h以上30km/h未満 3点 25,000円 18,000円
高速道路で30km/h以上35km/h未満 3点 30,000円 25,000円
高速道路で35km/h以上40km/h未満 3点 40,000円 35,000円
高速道路で40km/h以上50km/h未満 6点 定額反則金の対象外 定額反則金の対象外
50km/h以上 12点 定額反則金の対象外 定額反則金の対象外

高速道路で40km/h以上の速度超過は、定額の反則金が設定された交通反則通告制度の対象外となり、刑事手続の対象となる可能性があります。

反則金表の「大型車」は大型トラックだけではない

反則金表における「大型車」には、次の車両が含まれます。

  • 大型自動車
  • 中型自動車
  • 準中型自動車
  • 大型特殊自動車
  • トロリーバス
  • 路面電車

そのため、最高速度が100km/hとなる2t・3tクラスのトラックでも、道路交通法上の準中型自動車に該当する場合は、反則金表では大型車欄が適用されます。

6点では免許停止の対象になることがある

行政処分前歴が0回の場合、累積点数が6点から8点になると、原則として30日間の免許停止処分の基準に該当します。

ただし、実際の処分は過去の行政処分歴、点数の累積状況、違反者講習の対象となるかなどによって異なります。高速道路で40km/h以上50km/h未満の速度超過は、それだけで6点となるため注意が必要です。

会社への影響については、就業規則、社内規程、運行管理上の基準、保険契約などにより異なります。速度違反をした場合は、警察の手続だけでなく、会社の定める報告手順も確認してください。

最高速度以内でも車間距離を詰めない

法定最高速度を守っていても、車間距離が不足していれば追突事故の危険が高まります。

警察庁の「交通の方法に関する教則」では、路面が乾燥し、タイヤが新しい場合の車間距離について、次の目安が示されています。

走行速度 教則上の車間距離の目安
100km/h 約100m
80km/h 約80m

路面が雨でぬれ、タイヤが摩耗している場合は、この約2倍程度の車間距離が必要になることがあります。

ただし、「90km/hなら必ず90m」という法的な一律基準があるわけではありません。必要な車間距離は、路面、天候、視界、タイヤ、ブレーキ、積載重量、下り勾配、運転者の疲労などで変わります。

大型・中型・準中型トラックは運転席が高いため、前車との距離を実際より長く感じやすい点にも注意が必要です。追突事故の原因や具体的な防止策は、【トラックの追突事故】原因と対策で確認してください。

高速道路を走る前の確認手順

最高速度の数字を暗記するだけでなく、確認する順番を固定しておくと判断ミスを減らせます。

  1. 車検証を確認する
    車両総重量と最大積載量を確認します。
  2. 道路交通法上の車両区分を確認する
    100km/h・90km/h・80km/hのどの区分に該当するかを整理します。
  3. 走行区間の道路種別を確認する
    高速自動車国道か、自動車専用道路・都市高速かを確認します。
  4. 道路標識・道路標示を確認する
    車種別の指定、工事規制、悪天候時の臨時規制を確認します。
  5. 会社の運行規程を確認する
    会社が法定速度より低い社内上限を設定している場合は、その基準を守ります。
  6. 車両と積荷の状態を確認する
    タイヤ、ブレーキ、積載重量、荷物の偏り、荷締めを確認します。
  7. 天候と疲労を確認する
    雨、雪、霧、横風、眠気、疲労がある場合は、法定上限より十分に速度を落とします。

判断の順番

車検証で区分確認 → 道路種別を確認 → 法定最高速度を確認 → 標識等を確認 → 天候・交通・積載状態に合わせて減速

周囲の車が速く走っていることや、交通の流れに合わせる必要があることは、速度超過を正当化する理由にはなりません。

また、会社の内規は法定最高速度より厳しい基準を設けることはできますが、法定最高速度を引き上げるものではありません。

FAQ(よくある質問)

Q:2tトラックの高速道路最高速度は100km/hですか?

A:一般的な2tトラックは100km/h区分に該当することが多いものの、通称だけでは断定できません。車検証で車両総重量8t未満、最大積載量5t未満であることを確認し、道路標識等による速度指定がある場合は、その表示に従ってください。

Q:3tユニック車は何km/hまで出せますか?

A:一般的な3tユニック車は100km/h区分に該当することが多いですが、クレーンの有無だけでは決まりません。架装後の完成車の車検証で、車両総重量と最大積載量を確認してください。

Q:4tトラックは100km/hと90km/hのどちらですか?

A:4tトラックには100km/hと90km/hの両方があり得ます。車両総重量8t未満かつ最大積載量5t未満なら100km/h側、車両総重量8t以上または最大積載量5t以上の特定中型貨物自動車なら90km/h側となります。

Q:大型トラックは2024年から100km/hになりましたか?

A:100km/hではありません。道路標識等による指定がない高速自動車国道の本線車道等では、2024年4月1日に大型貨物自動車と特定中型貨物自動車の法定最高速度が80km/hから90km/hへ引き上げられました。

Q:リミッターが90km/hなら90km/hで走り続けてもよいですか?

A:いいえ。リミッターの設定速度は法定最高速度を決めるものではありません。指定速度が80km/hや60km/hの区間では、その速度を守り、天候、交通状況、積載状態、会社の運行規程に応じてさらに減速してください。

まとめ

  • 標識等による速度指定がない高速自動車国道の本線車道等では、トラックの最高速度は原則100km/h・90km/h・80km/hに分かれる
  • 普通貨物車、準中型貨物車、特定中型貨物以外の中型貨物車などは100km/hが基本
  • 大型貨物車と特定中型貨物車は、2024年4月1日から90km/hが基本
  • トレーラー、大型特殊自動車、三輪の自動車などは80km/hが基本
  • 100km/hと90km/hの主な境界は、車両総重量8tと最大積載量5t
  • 2t・3t・4tという通称やクレーンの有無だけでは判断せず、完成車の車検証を確認する
  • 自動車専用道路、都市高速、指定速度区間では、現地の標識・道路標示を確認する
  • 法定最高速度以内でも、天候、路面、積載状態、車間距離に応じて速度を落とす

一般道と高速道路の速度ルールをまとめて確認したい場合は、【トラックの速度制限】一般道・高速道路の違いも参考にしてください。

出典・参考情報

2026年6月確認

警察庁|高速道路

高速自動車国道における大型貨物自動車等の最高速度改正に関する情報を確認。

警察庁|交通の方法に関する教則

高速自動車国道の車種別最高速度、適用範囲、車間距離の目安を確認。

e-Gov法令検索|道路交通法施行令

高速自動車国道の法定最高速度、車両区分などの法令本文を確認。

神奈川県警察|道路交通法施行令の一部改正について

100km/h・90km/h・80km/hの対象車種、特定中型貨物自動車の基準を確認。

警察庁|生活道路における自動車の法定速度が引き下げられます

2026年9月1日に施行予定の生活道路30km/h化と、60km/hのままとなる道路を確認。

警視庁|交通違反の点数一覧表

高速道路における速度超過幅ごとの違反点数を確認。

警視庁|反則行為の種別及び反則金一覧表

大型車・普通車の速度超過反則金と、反則金表における大型車の定義を確認。

警視庁|行政処分基準点数

行政処分前歴がない場合の免許停止基準を確認。

国土交通省|速度抑制装置の装着に関する経過措置期間の終了について

速度抑制装置の対象となる車両総重量・最大積載量と、90km/hを超えて加速できない構造を確認。

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