4tユニックは「4tだから4,000kgまで吊れる」と思われがちですが、実際の吊り能力は作業半径・ブーム長・アウトリガー張り出し・作業領域などの条件によって変わります。最大吊り能力だけで判断すると、当日に能力不足・作業中断・転倒リスクにつながるおそれがあります。
結論:4tユニックの吊り作業は、型式→ブーム長→作業半径→アウトリガー張出→作業領域→吊り具を含めた荷重の順で条件を確認し、車両ごとの定格荷重表で該当する数値を照合して判断します。
検索では「定格荷重表」と呼ばれることが多いですが、メーカーの公式資料では「定格総荷重表」と表記される場合があります。本記事では検索時の分かりやすさから「定格荷重表」も使用しながら、公式資料の表記に合わせて定格総荷重について説明します。

本記事では、4tユニックの定格荷重表を現場で使える判断表として読むために、該当セルの選び方、公式表を使った数値例、間違えやすい条件を整理します。性能表全体で何を確認するか整理したい場合は4tユニックの性能表の見方から確認してください。
著者情報・監修条件
- ✅ 著者:ユニック車ガイド編集部(現場・安全重視)
- ✅ 編集方針:車両ごとの定格荷重表と現場条件を基準にし、最大値だけでの判断や無理な運用は推奨しません。
- 🧩 監修条件:監修がない場合は「監修なし」を前提に、数値を一律化せず、実車の銘板、取扱説明書、メーカー公式性能表、レンタル会社提示表で確認する手順を重視します。
4tユニックの定格荷重表は「6条件」で該当セルを選ぶ

該当セルを選ぶ6ステップ
- 型式・仕様を確認する:同じ4tユニックでも搭載クレーンの型式や仕様で表が異なります。
- ブーム長を確認する:現在使用するブーム長に対応した欄を選びます。
- 作業半径を確認する:旋回中心からフック中心までの水平距離に対応する欄を選びます。
- アウトリガー張出条件を確認する:最大・中間・最小など、実際の張出状態に対応した性能を選びます。
- 作業領域を確認する:前方・側方・後方など、メーカー資料で指定された作業領域条件を確認します。
- 定格総荷重と照合する:フックなどのつり具を含め、メーカー資料で定められた条件に従って実際の荷重と比較します。
最大吊り能力だけを見ない
- ⚠️ 「4tユニック=4,000kgを吊れる」という意味ではありません。
- ⚠️ 「2.93t吊り」と表示されるクレーンでも、2.93tが使えるのは限定されたブーム長・作業半径などの条件です。
- ⚠️ 作業半径が伸びれば、定格総荷重は一般に小さくなります。
- ⚠️ アウトリガーを最大張出できない場合、最大張出条件の性能をそのまま使えるとは限りません。
- ✅ 最終判断は必ず実車に対応する定格総荷重表で行います。
作業半径が分からない場合は先に測る
作業半径は、メーカー資料ではクレーンの旋回中心からフック中心までの水平距離として示されます。車両位置や障害物によって予定より半径が長くなると、参照する定格総荷重も変わります。どこからどこまで測るか分からない場合は、4tユニックの作業半径の確認方法を先に確認してください。
定格総荷重表の読み方|公式表を1例で確認
定格荷重表を読むときは、表の中で最も大きい数値を探すのではなく、実際に使用するブーム長・作業半径・アウトリガー条件などが交わる位置を確認します。
まず型式・ブーム長を固定する
最初に、実車のクレーン型式と使用するブーム長を確認します。3段・4段・5段・6段など段数が違えば最大ブーム長や最大作業半径が異なり、同じ機種でもブームをどこまで伸ばしているかによって参照する定格総荷重が変わります。
タダノのZX300シリーズでも複数の型式・段数が設定されているため、公式ページで実車の型式を確認してから性能表を開く必要があります。型式別の代表仕様はタダノ ZX300 series公式ページで確認できます。
作業半径の列を選ぶ
次に、現在の作業半径に対応する数値を探します。最大作業半径までブームが届くことと、その位置で必要な重量を吊れることは別です。作業半径が少し伸びただけでも、定格総荷重が大きく下がる区間があります。
アウトリガー最大・中間・最小を選ぶ
定格総荷重表にアウトリガー最大張出・中間張出・最小張出などの区分がある場合は、実際の張出状態に一致する表を使用します。
- ✅ 最大張出できている場合は、最大張出に対応する性能表を確認する
- ✅ 中間張出の場合は、中間張出に対応する性能を確認する
- ⚠️ 張り出せていないのに最大張出条件の数値を使用しない
- 🧩 機種によって張出区分や性能制限の方法は異なるため、実車資料で確認する
現場に必要な張り出しスペースがあるか確認する場合は、4tユニックのアウトリガー寸法と設置条件も確認してください。
前方・側方・後方など作業領域を確認する
定格総荷重は作業方向によって同じとは限りません。メーカー公式性能表では、車両への架装条件やクレーン仕様に応じて前方領域などに性能制限が設定される例があります。数値表だけを切り取って判断せず、定格総荷重表に併記されている作業領域図や注意事項まで確認してください。
タダノZX366の公式表を使った読み取り例
一例として、タダノの公式仕様資料に掲載されているZX366の3.65〜5.87mブーム・A性能・アウトリガー最大張出時の定格総荷重を見ると、作業半径が伸びるにつれて次のように数値が低下します。
| 作業半径 | 定格総荷重の一例 | 読み取れること |
|---|---|---|
| 2.4m | 2.93t | 最大値は短い作業半径など限られた条件で成立する |
| 3.0m | 2.33t | 半径が少し伸びるだけでも能力が低下する |
| 3.5m | 1.98t | 2t級の吊り荷では条件確認が特に重要になる |
| 4.0m | 1.68t | ブームが届いても2tを吊れるとは限らない |
| 4.5m | 1.43t | 吊り荷とつり具を含めて確認する必要がある |
| 5.0m | 1.20t | 1t級でもつり具や条件を含めた照合が必要 |
| 5.67m | 0.95t | 遠くなるほど最大能力との差が大きくなる |
重要:これはZX366の特定条件における公式表の一例であり、4tユニック共通の定格総荷重ではありません。A性能も架装する車両条件によって適用範囲が定められており、ブーム長、アウトリガー張出、架装条件、作業領域、型式が変われば数値も変わります。また、メーカー仕様値は水平な堅い地面にクレーンを水平に設置した場合の性能です。実作業では地盤・水平状態を含め、実車の定格総荷重表と注意事項を確認してください。実際の判断ではタダノ公式仕様PDFなど、使用する実車に対応した資料を確認してください。
定格総荷重と「実際につれる荷重」は同じではない
定格総荷重にはフックなどのつり具質量を含む
メーカーの性能表で示される定格総荷重は、荷物本体だけの重量を意味するものではありません。タダノや古河ユニックの公式資料では、定格総荷重にフックなどのつり具質量を含める考え方が示されています。
そのため「表に1.0tと書いてあるから、1.0tの荷物本体をそのまま吊れる」と単純には判断できません。実際につり荷として扱える重量を確認するときは、その機種の性能表でフックやつり具がどのように扱われているかを確認してください。
表の数値から何を差し引いて判断するか
定格総荷重にフックなどのつり具質量が含まれる仕様では、実際の荷物本体として扱える重量を考える際に、メーカー資料で指定されたつり具質量を考慮する必要があります。
- ✅ 表の数値が「定格荷重」なのか「定格総荷重」なのか確認する
- ✅ フックなどのつり具の扱いを取扱説明書や性能表で確認する
- ✅ 荷物本体だけでなく、メーカーが定める条件に従って実際にクレーンへ作用する荷重を確認する
- ⚠️ 「4tユニックのフックは一律○kg」と決めつけない
古河ユニックの中型クレーン公式性能資料では、掲載されている定格総荷重表について「定格総荷重の値にはフックなどのつり具質量30kgを含む」と明記されています。ただし、30kgをすべての4tユニックに共通する固定値として扱うことはできません。使用する型式の公式資料で確認してください。定格総荷重の考え方は古河ユニック公式性能資料でも確認できます。
作業半径が伸びると定格総荷重はどう変わる?
「届く距離」と「吊れる重量」は別に確認する
吊り荷が車体から遠くなるほど、車体を倒そうとするモーメントが大きくなります。そのため、ブームが物理的に届く位置でも、定格総荷重表上で必要な重量を満たさなければ作業は成立しません。
- ✅ 最大作業半径は「そこまで届く」という距離の目安
- ✅ 定格総荷重は「その条件で扱える荷重」の目安
- ⚠️ 最大作業半径まで同じ重量を吊れるわけではない
- ⚠️ 最大クレーン容量2.93tがすべての半径で使えるわけではない
同じ4tでも定格荷重表は同じではない
- 🧩 クレーン型式
- 🧩 ブーム段数・ブーム長
- 🧩 アウトリガー仕様・張出状態
- 🧩 架装車両や車両条件
- 🧩 前方・側方・後方などの作業領域
- 🧩 フックやつり具の仕様
たとえば、古河ユニックのURG370Aシリーズでも段数や仕様によって最大作業半径などが異なります。現行シリーズの仕様は古河ユニック URG370A公式ページで確認できます。
3段・4段・5段などブーム構成そのものを比較したい場合は、4tユニックのブーム長さと段数の違いを確認してください。
なお、定格荷重表で判断するのは主に「その条件で吊れるか」です。定格荷重表上は吊れる場合でも、荷台に載るか、最大積載量の範囲で運べるか、現場へ進入できるかは別に確認する必要があります。
定格荷重表で間違えやすい4つの読み方
1.最大クレーン容量だけを見る
「2.93t吊り」などの最大値だけを確認し、実際の作業半径を確認しない読み方です。最大クレーン容量は特定条件での数値であり、半径が伸びれば定格総荷重は低下します。
2.短いブームの性能を長いブームでも使う
同じ作業半径であっても、使用しているブーム長によって定格総荷重が異なる場合があります。表を読むときは作業半径だけでなく、現在のブーム長に対応した欄まで合わせて確認してください。
3.全張り条件の数値を中間張出で使う
側溝、壁、段差、車止めなどによってアウトリガーを十分に張り出せない場合、最大張出時と同じ性能が使えるとは限りません。実際の張出状態に対応した性能表を選択します。
4.前方・側方・後方の条件を無視する
作業領域によって性能制限が設定されている機種があります。数値表だけを切り取って判断せず、定格総荷重表に付属する作業領域図や注意書きも含めて確認してください。
表を確認しても余裕がない場合
定格総荷重と吊り荷重量が近い、作業半径が確定していない、アウトリガーを十分に張り出せないなど、条件に余裕がない場合は無理に成立すると判断しません。
- 🧭 車両位置を変更して作業半径を短くする
- 🧭 安全にアウトリガーを張り出せる位置を検討する
- 🧭 条件に合う別仕様の車両を検討する
- 🧭 荷物重量から作業成立を確認し直す
500kg・1t・2tなど具体的な荷物が4tユニックで成立するか確認したい場合は、4tユニックの吊り上げ荷重で荷物重量から判断してください。
4tユニックの定格荷重表でよくある質問
Q:定格荷重表はどこで確認できますか?
車両の銘板、取扱説明書、メーカーの公式仕様資料、レンタル会社が提示する仕様表などで確認します。検索では「定格荷重表」と呼ばれることがありますが、メーカー資料では「定格総荷重表」と表記される場合があります。現場では、使用する型式・ブーム長・作業半径・アウトリガー張出・作業領域に対応する表を確認してください。
Q:最大吊り能力と定格総荷重は同じですか?
同じ意味ではありません。最大クレーン容量は限られた条件で成立する最大値です。実際の作業では、ブーム長・作業半径・アウトリガー条件・作業領域などに対応した定格総荷重表の数値を確認します。
Q:アウトリガーを十分に出せない場合はどう判断しますか?
最大張出条件の性能をそのまま使用せず、実際の張出状態に対応した定格総荷重表を確認します。中間張出や最小張出の性能で必要な荷重を満たさない場合は、車両位置や使用車両などの条件を見直します。
Q:同じ4tユニックなら定格荷重表の数値は同じですか?
同じとは限りません。クレーン型式、ブーム段数・ブーム長、アウトリガー仕様、架装条件、作業領域などによって定格総荷重表は異なります。最終判断は必ず使用する車両の銘板、取扱説明書、メーカー公式資料などで行ってください。
まとめ|型式・半径・張出条件が一致するセルで判断する
- ✅ 4tユニックは4,000kgを常に吊れる車両ではありません。
- ✅ 最大クレーン容量だけでなく、使用する型式・ブーム長・作業半径・アウトリガー張出・作業領域を確認します。
- ✅ 定格荷重表では、実際の条件に合うセルを選んで数値を確認します。
- ✅ メーカー資料では「定格総荷重表」と表記される場合があり、フックなどのつり具質量を含む仕様があります。
- ✅ 同じ4tユニックでも型式や仕様によって数値が異なるため、実車の公式資料で最終確認します。

次に確認する内容
定格荷重表の前提となる作業半径が不明な場合は、4tユニックの作業半径で測り方を確認してください。
具体的な荷物重量から「この条件で吊れるか」を判断したい場合は、4tユニックの吊り上げ荷重で確認できます。
性能表全体の確認手順へ戻る場合は、4tユニックの性能表の見方を確認してください。


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