現場準備や手配で「ジブは結局どれを指すのか」「ジブを付ければ届くが、吊れる重さはどうなるのか」と迷う場面は多いです。結論から言うと、ジブは『届く距離を伸ばす装置』で、能力は下がります。種類と荷重表で使い分けます。この記事は、名称や構造の説明だけで終わらせず、「できる/できない」を定格荷重表ベースの判断軸で整理し、手配・見積で迷わない確認手順までまとめます。この記事を読めば、ジブとブームの違い、ジブが必要になる条件、種類ごとの向き不向き、対象機種の仕様・荷重表を見て「安全に作業できるか」を判断する手順が分かります。
ジブの仕組みをもう一段具体で押さえたい場合は、油圧で伸縮する形式の特徴と用途を先に整理すると、仕様表の読み違いを減らせます。【油圧伸縮ジブ型トラッククレーンとは】特徴と用途
トラッククレーンの「ジブ」で迷う理由(課題の全体像)

結論として、ジブで迷う原因は「用語の揺れ」と「能力の思い込み」に集約できます。理由は、ジブとブームの役割が似て見えるうえ、メーカーや機種で呼び方・仕様表記が変わり、現場会話だけでは指している部位が一致しないためです。補足すると、ジブを付けると届く範囲は広がりますが、吊れる重さは増えません。ここを逆に理解すると、手配・見積での判断ミスが起きやすくなります。具体的には、同じ「ジブ」と言っても固定ジブなのか、折れ(オフセット)ジブなのか、先端治具(フックジブ等)なのかで、角度や制約、そして定格荷重表の前提が変わります。
- ✅ ジブとブームが混同されやすく、用語が現場でブレる
- ⚠️ 「届く=吊れる」と誤解されやすく、能力低下の見落としが起きる
- ✅ メーカー・機種で呼び方/仕様表記が違い、手配ミスにつながる
結論と判断軸(まずここだけ押さえる)
結論は、ジブ使用の判断軸は「ジブ使用時の定格荷重表で安全に作業できるか」です。理由は、ジブは作業半径や揚程を拡張する一方で、構造上の制約と安定条件の影響を受けやすく、条件が少し変わるだけで安全に吊れる範囲が大きく変動するためです。補足として、判断は「ブーム単体の荷重表」ではなく「ジブ使用時」の荷重表・仕様表で行います。具体的には、ジブの種類・長さ・角度、要求される作業半径・揚程、アウトリガー張出・設置条件、対象機種ごとの仕様差の4点を揃えたうえで判断します。
- 🔍 ジブの種類・長さ・角度
- 🔍 要求される作業半径・揚程
- 🔍 アウトリガー張出・設置条件
- 🔍 対象機種ごとの仕様差
「ジブが必要か」を最短で切り分けるために、目的を先に固定します。
- ✅ A:作業半径が足りない(もう少し先に届かせたい)
- ✅ B:揚程が足りない(もう少し高く上げたい)
- ✅ C:障害物を避けたい(屋根下・配管・壁際など干渉がある)
A/B/Cのどれかが曖昧なままジブの有無を決めると、当日の手戻りが増えます。目的が決まったら、次のチェックで「条件が揃っているか」を確認します。
- ✅ 「ジブが必要な理由」は作業半径か揚程かを言語化できる
- ✅ 対象機種の「ジブ使用時」の定格荷重表が手元にある
- ✅ 設置条件(アウトリガー張出・地盤・障害物)を前提にできる
- ✅ 予定荷重(吊り荷重量)を安全側で見積もれている
ジブの基礎(意味・役割・ブームとの違い)
結論として、ジブはブーム先端に取り付けて作業範囲を拡張する延長装置です。理由は、主腕であるブームだけでは届かない作業半径や揚程を、先端側の延長で補えるためです。補足として、ジブを付けると届く範囲は広がりますが、吊り上げ能力(定格荷重)は小さくなるのが原則です。具体的には、ブーム単体で安全に吊れる荷重でも、ジブ使用時は同じ半径・条件で吊れないケースがあります。
| 項目 | ブーム | ジブ |
|---|---|---|
| 役割 | 主腕として伸縮し、基本の作業範囲を作る | 先端側で作業範囲(半径/揚程)を拡張する |
| 能力の考え方 | 定格荷重表(ブーム単体)で判断 | 定格荷重表(ジブ使用時)で判断 |
| 誤解が起きやすい点 | 伸ばせば届く=吊れると思い込みやすい | 届くが能力が下がる点の見落としが多い |
- ✅ できる:届く範囲が増える(作業半径/揚程のどちらか、または両方)
- ⚠️ できない:吊れる重さが増えるわけではない(能力は低下が基本)
- ✅ 条件:アウトリガー張出条件や設置条件、角度設定で能力が変わる
ジブの種類と特徴(どれを指しているかを固定する)
結論として、ジブは種類によって「得意な目的」と「制約」が異なります。理由は、固定式か折れ(オフセット)式かで、先端の角度設定や干渉回避の自由度が変わり、結果として作業半径・揚程・定格荷重表の読み方まで変わるためです。補足として、名称はメーカーや機種で揺れます。仕様書や荷重表の「ジブ欄」「フライ欄」を見て、対象がどのジブかを先に固定します。具体的な見分けは、用途(半径/揚程/回避)と角度設定の有無で切り分けます。
- ✅ 固定ジブ:延長目的が明確で、構造がシンプル
- ✅ 折れ(オフセット)ジブ:障害物回避や屋根下など取り回しに強い
- ✅ フックジブ/先端治具:用途を最適化するが、能力は別管理になりやすい
- ✅ 向く作業:障害物回避が少なく、あと少し先に届かせたい場面
- ✅ 確認ポイント:ジブ使用時の定格荷重表が用意できるか
- ⚠️ 注意点:角度固定や制約が出やすいので、目的(半径/揚程)が合っているかを先に確定する
- ✅ 向く作業:屋根下・配管周り・壁際など干渉がある場面
- ✅ 確認ポイント:角度設定(何度か)と、その条件での定格荷重表を参照できるか
- ⚠️ 注意点:角度で作業半径が変わるため、角度の前提共有がないと「当日届かない」手戻りが起きる
- ✅ 向く作業:フック位置の調整や用途の最適化が必要な場面
- ✅ 確認ポイント:仕様表で「どの治具を付けた状態の能力」かを固定する
- ✅ 注意点:メーカー表記差が出やすいので、仕様名と荷重表の対応を必ず確認する
- 🧩 呼び方は「ジブ」「オフセット」「フライ」「補助腕」など表記が揺れる
- 🔍 仕様書・荷重表の「ジブ欄」「フライ欄」を探し、対象のジブ種類を先に固定する
- 🔍 角度設定がある場合は「角度別の表」になっているかを確認する
できること/できないこと(実務の境界線)
結論として、ジブは「届く範囲」を増やしますが、「吊れる重さ」を増やしません。理由は、ジブは先端側の延長であり、安定性・構造上の制約の影響を受けやすく、定格荷重はブーム単体より小さくなるのが原則だからです。補足として、ジブを使うべき場面は「半径/揚程が少し足りない」「障害物回避が必要」のように目的が明確な場合です。具体的には、荷重に余裕がない、設置条件が悪い、荷重表が確認できない状況では、ジブ使用を前提にしない判断が安全側になります。
- ✅ 作業半径が少し足りない場面で、到達範囲を拡張できる
- ✅ 揚程が少し足りない場面で、届く高さを補える場合がある
- ✅ 折れ(オフセット)ジブで干渉を避けて作業できる場合がある
- ⚠️ ジブを付けるだけで吊り上げ能力が上がることは期待できない
- ⚠️ 定格荷重表の確認なしに、安全に作業できると断定できない
- ✅ 設置条件(アウトリガー張出・地盤・障害物)が揃わない場合、想定どおりの能力を前提にできない
- 🔍 作業半径と揚程の取り違い(目的がズレるとジブの選択もズレる)
- 🔍 アウトリガー張出条件の前提ズレ(当日、能力不足になりやすい)
- 🔍 角度設定(オフセット)の読み違い(届く/届かないが逆転しやすい)
選び方・比較・実践(チェックリスト/比較表/失敗例→回避策)

結論として、手配・見積の実務は「目的の固定」→「条件の固定」→「ジブ使用時の定格荷重表で照合」の順で進めるとブレません。理由は、ジブの種類や角度を先に決めても、設置条件や予定荷重が後から変わると判断が無効になるためです。補足として、判断は個人の経験則ではなく、定格荷重表と仕様表に落とし込みます。具体的には、チェックリスト、比較表、失敗例→回避策の3点セットで運用すると、担当交代や口頭伝達でもミスを減らせます。
- ✅ 目的:半径不足か揚程不足か、障害物回避かを明文化する
- ✅ 対象機種:ジブの種類/長さ/角度設定の有無を確認する
- ✅ 定格荷重表:ジブ使用時の表で確認できる状態にする
- ✅ 条件:アウトリガー張出・設置条件(地盤/障害物)を前提にできる
- ✅ 荷重:吊り荷重量の根拠を安全側で整理する(付属品・梱包を含めるかを決める)
- ✅ 担当:誰が荷重表を最終確認するかを決める
| ジブ種類 | 得意な目的 | 代表的な制約 | 確認ポイント | 手配での注意 |
|---|---|---|---|---|
| 固定ジブ | 半径/揚程の延長(目的が明確) | 角度固定や取り回しの制約が出やすい | ジブ使用時の定格荷重表、張出条件 | 目的(半径/揚程)を先に固定し、表で照合する |
| 折れ(オフセット)ジブ | 障害物回避、屋根下・壁際の作業 | 角度設定で到達範囲と能力が変わる | 角度条件別の荷重表、設置条件 | 角度の前提共有を必須にする |
| フックジブ/先端治具 | フック位置調整、用途の最適化 | 仕様表記の揺れが大きく、対応表が必要 | 治具の仕様名と荷重表の対応 | 仕様名を固定し、同一条件で照合する |
- ⚠️ 失敗例:ジブを付ければ吊れると思い、荷重表未確認で手配する
✅ 回避策:ジブ使用時の定格荷重表で「予定荷重×作業半径×角度×張出条件」を照合する - ⚠️ 失敗例:オフセット角度の前提が違い、当日届かない
✅ 回避策:目的(作業半径/揚程/回避)を固定し、角度設定の前提を事前に合意する - ⚠️ 失敗例:アウトリガー条件が取れず能力不足になる
✅ 回避策:現場条件(張出・地盤・障害物)を先に確定し、条件が揃わない場合は代替案へ切り替える
- ✅ ジブは固定かオフセットか、角度設定は何度か
- ✅ ジブ使用時の定格荷重表はどの張出条件で見るか
- ✅ 現場で確保できるアウトリガー張出条件はどれか
- ✅ 吊り荷重量の見積根拠は何か(梱包/付属品を含むか)
費用感・レンタル/購入/外注の考え方(条件提示で安全に)
結論として、ジブの費用感は「ジブ対応機種の選定」と「作業条件の厳しさ」で変わります。理由は、ジブの種類や角度設定、追加治具の有無、設置条件の制約によって、必要な機種や手配範囲が変わるためです。補足として、費用は一律に言い切れません。条件を揃えたうえで、安全側に倒せる手配を選びます。具体的には、荷重表確認ができない、条件が確定しない、経験者判断が必要な場合は、外注・レンタルを検討するほうが手戻りと事故リスクを減らせます。
- 🔍 ジブ有無・ジブ種類(固定/オフセット/先端治具)
- 🔍 角度設定の要否(オフセットの前提)
- 🔍 アウトリガー張出・設置条件(地盤/障害物)
- 🔍 予定荷重と作業半径・揚程の厳しさ
- ✅ ジブ使用時の定格荷重表を事前に確認できない
- ✅ 設置条件(張出・地盤・障害物)が当日まで確定しない
- ✅ 目的(半径/揚程/回避)に対して余裕が小さい
安全・法規・資格の注意(YMYL:確認手順を中心に)
結論として、安全・法規・資格に関わる判断は「確認手順」を先に固定し、不明点を残したまま進めないことが最重要です。理由は、ジブ使用時は定格荷重や安定条件がブーム単体より厳しくなり、読み違いが重大事故につながるためです。補足として、この記事は資格や法規の個別判断を断定しません。必要な場合は一次情報で確認できる形にします。具体的には、次の確認手順に沿って、条件が揃わない場合は作業を止めて責任者へ確認します。
- 対象機種の「ジブ使用時」定格荷重表を用意する
- 目的(作業半径/揚程/回避)と角度設定を確定する
- アウトリガー張出・設置条件(地盤/障害物)を前提化する
- 予定荷重を安全側で確定し、荷重表で照合する
- 不明点が残る場合は作業を止めて、上長・安全担当へ確認する
- ⚠️ 「ジブ=能力アップ」の思い込みで、荷重表の確認を省く
- ⚠️ アウトリガー張出条件や角度条件の前提が共有されていない
- ✅ 条件が揃っていないのに、経験則だけで現場判断する
- ✅ 目的(作業半径/揚程/回避)が1つに固定できている
- ✅ ジブ使用時の定格荷重表で、同一条件の照合ができている
- ✅ 設置条件(張出・地盤・障害物)を前提として共有できている
大型用途でラチスジブが前提になるケースは、同じ「ジブ」でも構造・使い方・確認観点が変わりやすいです。手配や想定のズレを減らしたい場合は、ラチスジブの役割と前提条件を別記事で先に確認すると判断が安定します。【ラチスジブ型トラッククレーンとは】大型用途での役割
FAQ(簡潔回答)
ジブはブームと何が違いますか?
結論として、ブームは主腕で、ジブは先端側の延長装置です。判断はブーム単体ではなく、ジブ使用時の定格荷重表で行います。
ジブを付けると吊れる重さは増えますか?
結論として、増えません。ジブ使用時は定格荷重が小さくなるのが原則です。作業可否はジブ使用時の定格荷重表で確認します。
固定ジブとオフセットジブはどう使い分けますか?
結論として、干渉が少ない延長目的なら固定ジブ、障害物回避や屋根下など取り回しが必要ならオフセットジブが向きます。どちらも角度条件・張出条件を固定して、定格荷重表で照合します。
荷重表はどこを見ればよいですか?(ジブ使用時の見方)
結論として、「ジブ使用時」の定格荷重表を見ます。ブーム単体の表では判断しません。角度別・張出条件別の表になっている場合は、同一条件で照合します。
アウトリガー条件が取れない場合はどう判断しますか?
結論として、想定どおりの能力を前提にしません。張出条件が変わると能力が変わるため、条件を確定できない場合は安全側に倒し、責任者へ確認します。
手配・見積で最初に確認すべき項目は何ですか?
結論として、目的(作業半径/揚程/回避)と、ジブ使用時の定格荷重表が確認できるかです。次に、角度条件・張出条件・予定荷重を揃えて照合します。
まとめ & CTA(要点→次の行動)
- ✅ ジブは「届く範囲を伸ばす装置」で、能力は下がるのが原則
- ✅ 種類(固定/オフセット等)と角度・条件でできることが変わる
- ✅ 判断は必ず「ジブ使用時の定格荷重表」で行う
- ✅ 条件(張出・設置・荷重)が確定しない場合は安全側に倒す
- 🧭 目的(作業半径/揚程/回避)を明文化する
- 🧭 対象機種のジブ仕様とジブ使用時の定格荷重表を用意し、設置条件・予定荷重とセットで照合する
- 🧭 不明点が残る場合は作業を止めて、責任者へ確認する


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