【タダノ 4tユニックの性能表】現場で使われる理由と注意点

4tユニックがアウトリガを展開して資材搬入に備える現場イメージ ユニック車メーカー別ガイド

タダノの4tユニックで性能表を確認するときは、「4t車だから十分」「2.93t級だから2t程度なら吊れる」と車格や最大値だけで判断できません。結論からいうと、ZX303・ZX304・ZX305・ZX306などの型式とブーム段数を特定し、その型式の最大作業半径・最大地上揚程・定格総荷重・アウトリガー張出条件・車両条件を照合することが重要です。

タダノZX300 seriesには3段・4段・5段・6段の型式があり、段数が増えるほど遠く・高く届く仕様になります。一方で、最大作業半径まで届くことと、その位置で重量物を吊れることは同じではありません。

タダノ4tユニックの性能表を最大値ではなく作業半径・吊り荷・アウトリガ条件で確認する図解

この記事では、タダノ4t級カーゴクレーンをZX303〜ZX306の型式・段数別に比較し、最大クレーン容量、最大作業半径、最大地上揚程、ZX305の作業半径別定格総荷重、アウトリガー条件、A性能・B性能・C性能まで具体的に確認します。

タダノユニック全体の性能表の読み方や、型式に合う公式資料の探し方から確認したい場合は、【タダノユニック 性能表】吊り能力・作業半径の見方を先に確認してください。本記事では、その一般的な読み方を繰り返すのではなく、タダノ4t級の型式別性能に絞って解説します。

著者情報
ユニック車ガイド編集部(車両選定・運用の実務目線)。性能表の最大値だけで判断せず、型式・作業半径・吊り荷・アウトリガー条件・車両条件を照合し、実車の性能表に基づいて確認する考え方を重視して解説しています。

確認条件
本記事の数値は、2026年8月時点で確認したタダノ公式「ZX300 series」および「Zest EXシリーズ仕様資料」をもとにしています。実際の性能は、型式、架装車両、性能区分、積載状態、ブーム長さ、作業領域、アウトリガー張出条件などによって異なります。最終判断は、使用する実車の性能表・銘板・注意表示・車両条件と照合してください。

まず結論|タダノ4t級はZX303〜ZX306の型式・段数を合わせて確認する

タダノ4tユニックの性能表で最大値ではなく必要半径と吊り能力を照合する図解

タダノ4t級を確認するときの要点

  • ✅ ZX303は3段、ZX304は4段、ZX305は5段、ZX306は6段です。
  • ✅ 型式によって最大作業半径と最大地上揚程が異なります。
  • ✅ 「2.93t級」でも、2.93tをどの作業半径でも吊れるわけではありません。
  • ✅ 必要な距離・高さだけでなく、その位置で残る定格総荷重を確認します。
  • ✅ アウトリガー張出条件やA・B・C性能など、実車側の条件も合わせます。

4tユニックだから4tを吊れるという意味ではありません。ZX300 seriesでは空車時最大クレーン容量2.93tの型式がありますが、その数値は型式ごとに定められた短い作業半径などの条件で成立する上限です。

そのため、タダノ4tユニックを選ぶときは、最初にZX303〜ZX306のどの型式かを確認し、必要な奥行きや高さに届くか、その位置で必要な吊り能力が残るかを順に照合します。

ZX303〜ZX306の性能比較|3段・4段・5段・6段の違い

タダノZX300 seriesでは、ZX303からZX306までブーム段数の異なる型式があります。まずは型式ごとの主要諸元を比較すると、必要な作業範囲に合う候補を絞りやすくなります。

型式 ブーム段数 空車時最大クレーン容量 最大作業半径 最大地上揚程
ZX303 3段 2.93t×2.7m(4本掛) 7.5m(0.63t) 約9.2m(2.40t)
ZX304 4段 2.93t×2.6m(4本掛) 9.8m(0.40t) 約11.4m(1.33t)
ZX305 5段 2.93t×2.4m(4本掛) 12.1m(0.28t) 約13.7m(0.93t)
ZX306 6段 2.93t×2.4m(4本掛) 14.4m(0.18t) 約15.9m(0.43t)

表の見方:最大作業半径と最大地上揚程の括弧内は、タダノ公式製品情報に示されている空車時定格総荷重です。たとえばZX306は14.4mまで届きますが、その最大作業半径で示される空車時定格総荷重は0.18tです。「遠くまで届く」と「その位置で重量物を吊れる」は分けて判断します。

型式別の主要諸元は、タダノ公式「ZX300 series」で確認できます。

4段ブームならZX304を確認する

「4tユニック 4段ブーム 性能表」を確認したい場合、ZX300 seriesではZX304が4段ブームです。ZX304の空車時最大クレーン容量は2.93t×2.6m(4本掛)、最大作業半径は9.8m、最大地上揚程は約11.4mです。

ただし、最大作業半径9.8mで示される空車時定格総荷重は0.40tです。4段ブームだから9.8m先まで重量物を同じ能力で吊れるわけではありません。

3段〜6段の届く距離や段数ごとの違いをメーカー横断で比較する場合は、【4tユニックのブーム長さ】3段・4段・5段の違いと使い分けも確認してください。

メーカーを限定せず4tユニック全体の性能表を確認したい場合は、【4tユニックの性能表】能力表の見方と数値で判断する注意点で確認できます。

型式を絞った後は3つの条件を確認する

タダノ4tユニック性能表で作業半径・定格総荷重・張出条件の3項目を確認する図解

  • 作業半径:実際に荷を吊る位置までの水平距離を確認します。
  • 定格総荷重:その作業半径・ブーム長で使用できる荷重を確認します。
  • アウトリガー張出条件:最大・中間・最小のうち、現場で実際に確保できる条件を確認します。

この3項目の一般的な読み方を詳しく確認したい場合は、タダノユニック性能表の吊り能力・作業半径の見方を確認してください。本記事では、以下でZX305の具体的な数値へ進みます。

ZX305の定格総荷重|作業半径とアウトリガー張出条件で比較

タダノ4tユニックで作業半径が伸びると吊り能力が下がることを示す図解

ZX305は5段ブームで、空車時最大クレーン容量は2.93t×2.4m(4本掛)、最大作業半径は12.1m、最大地上揚程は約13.7mです。

ただし、ZX305を選ぶときに重要なのは2.93tという最大値ではなく、実際のブーム長・作業半径・アウトリガー張出条件でどれだけの空車時定格総荷重が残るかです。

以下は、タダノ公式「Zest EXシリーズ仕様資料」に掲載されたZX305・A性能・側方/後方領域の空車時定格総荷重から、代表的な作業半径を抜粋したものです。

作業半径 対象ブーム長 最大張出3.6m 中間張出2.8m 最小張出2.0m
2.4m 3.52m/5.75m 2.93t 2.63t 1.33t
3.0m 3.52m/5.75m 2.18t 1.68t 0.88t
4.0m 3.52m/5.75m 1.38t 1.00t 0.53t
5.0m 3.52m/5.75m 0.93t 0.65t 0.33t
7.0m 7.95m 0.48t 0.33t 0.10t

表の条件:ZX305のA性能、側方・後方領域の空車時定格総荷重です。公式仕様資料では、ZX305の本体アウトリガー張出幅は最大3.6m、中間2.8m、最小2.0mとされています。また、定格総荷重表の数値には、つり具等(フック質量30kg)の質量が含まれます。

この表を見ると、ZX305は2.4mの短い作業半径なら最大張出で2.93tですが、5.0mでは0.93t、7.0mでは0.48tまで下がります。

さらに同じ作業半径4.0mでも、最大張出なら1.38t、中間張出なら1.00t、最小張出なら0.53tです。つまり「ZX305だからこの重量を吊れる」と型式名だけで判断できず、実際のブーム長と張出条件まで合わせる必要があります。

ZX305の空車時定格総荷重やA・B・C性能の詳細は、タダノ公式「Zest EXシリーズ仕様資料」で確認できます。

作業半径・ブーム長・アウトリガー条件から定格荷重表の該当セルを読む手順は、【4tユニックの定格荷重表】作業半径ごとの吊り能力を正しく判断で確認できます。

アウトリガー張出条件でZX305の能力が変わる

ZX305では張出条件を固定して性能を確認する

  • ✅ 最大張出:3.6m
  • ✅ 中間張出:2.8m
  • ✅ 最小張出:2.0m

ZX305のA性能では、同じ作業半径でもアウトリガー張出幅によって空車時定格総荷重が変わります。

たとえば作業半径4.0m、3.52m/5.75mブームでは、最大張出3.6mなら1.38t、中間張出2.8mなら1.00t、最小張出2.0mなら0.53tです。最大張出と最小張出では、同じ作業半径でも能力に大きな差があります。

現場では、道路幅、敷地端、側溝、建物、仮囲い、歩行者動線などにより最大張出を確保できない場合があります。そのため「最大まで張れるはず」と仮定するのではなく、実際に確保できる張出幅で判断します。

4tユニック全般の張り出し幅や設置条件も確認したい場合は、【4tユニックのアウトリガー寸法】張り出し幅と設置条件の考え方も参考になります。

A性能・B性能・C性能|同じ型式でも車両条件で表が変わる

タダノ4tユニックのA性能・B性能・C性能を車両条件と車検証で確認する図解

タダノZX300 seriesの公式仕様資料では、同じクレーン型式でも、架装される車両の条件によってA性能・B性能・C性能に分けて空車時定格総荷重が示されています。

区分 公式仕様資料の車両条件 確認ポイント
A性能 ホイールベース4200mm未満 対象車両のホイールベースを確認する
B性能 ホイールベース4200mm以上、かつ車両総重量11t未満 ホイールベースと車両総重量を両方照合する
C性能 ホイールベース4200mm以上、かつ車両総重量11t以上 同じ型式でも適用する性能表が変わる点に注意する

たとえば「ZX305の性能表」を見つけても、それだけで実車へ適用できるとは限りません。ZX305が架装されている車両のホイールベースと車両総重量を確認し、A・B・Cのどの性能区分に当てはまるかを確認します。

とくに中古車や架装済み車両では、販売情報に「タダノ4tユニック」「ZX305」「5段ブーム」とだけ記載されている場合があります。型式が一致していても、車両条件まで一致しているかを確認してください。

型式や仕様資料を確認する場合は、【タダノユニック カタログ】確認できる内容と入手方法も参考になります。

ZX303〜ZX306は必要な距離・高さから候補を絞る

ZX303〜ZX306は、ブーム段数が増えるほど最大作業半径と最大地上揚程が広がります。そのため、必要な奥行きや高さから候補型式を絞ることができます。

最大作業半径 型式 確認すること
7.5m ZX303 必要半径で定格総荷重が足りるか
9.8m ZX304 4段ブームで必要高さ・能力が残るか
12.1m ZX305 5段ブームで長半径時の能力を確認する
14.4m ZX306 6段ブームで最大半径付近の能力低下を確認する

注意:これは到達範囲から候補を絞るための見方です。「必要半径が7mだからZX303で必ず成立する」という意味ではありません。候補を絞った後に、その型式・ブーム長・アウトリガー条件に対応する定格総荷重表で吊り荷条件まで確認してください。

たとえばZX306は最大作業半径14.4mまで届きますが、その最大半径で示される空車時定格総荷重は0.18tです。長いブームを選べば吊り能力も大きくなるわけではありません。

条件に余裕がない場合は型式・設置位置・作業方法を見直す

タダノ4tユニックの購入・レンタル・外注を必要半径と作業条件で比較する図解

ZX303〜ZX306のいずれかで必要距離には届いても、必要半径で定格総荷重に余裕が残らない場合があります。その場合は、4tユニックで無理に成立させることを前提にせず、条件を見直します。

  • 車両を荷下ろし位置へ近づけて作業半径を短くできないか
  • 荷を分割できないか
  • アウトリガーをより大きく張り出せる設置位置へ変更できないか
  • 別の型式や上位能力の車両へ変更する必要がないか
  • 4tユニックで余裕がない場合は別機種や外注クレーンを検討する必要がないか

購入・レンタル・外注そのものを比較することが本記事の主題ではありません。重要なのは、先にZX303〜ZX306の性能表で作業条件を確認し、余裕がない場合に車両や作業計画を見直すことです。

最終確認|型式・車両条件・現場条件を実車で照合する

タダノ4tユニックの性能表だけでなく資格・玉掛け・車検証・現場条件を確認する図解

Web上の表だけで最終判断しない

  • ✅ ZX303〜ZX306のどの型式か確認する
  • ✅ ブーム段数を確認する
  • ✅ A性能・B性能・C性能のどれが実車に当てはまるか確認する
  • ✅ 実際に確保できるアウトリガー張出幅を確認する
  • ✅ 実車の性能表・銘板・車両条件と一致させる

同じ「タダノ4tユニック」と呼ばれる車両でも、クレーン型式、ブーム段数、架装車両、性能区分、アウトリガー条件は同じとは限りません。

また、性能表の数値上は成立していても、地盤、傾斜、風、障害物、吊り具、作業領域、資格、点検状態、現場ルールなどは別に確認する必要があります。性能表だけで作業可否を決めないでください。

タダノユニック性能表全体の確認手順や、性能表で確認できること・できないことを詳しく確認したい場合は、【タダノユニック 性能表】吊り能力・作業半径の見方へ戻って確認できます。

タダノ4tユニック性能表のよくある質問

ZX303・ZX304・ZX305・ZX306は何が違いますか?

A. 主な違いの一つがブーム段数です。ZX303は3段、ZX304は4段、ZX305は5段、ZX306は6段です。段数が増えるほど最大作業半径と最大地上揚程が広がりますが、必要半径で残る定格総荷重まで確認して選びます。

4段ブームのタダノ4tユニックはどの型式ですか?

A. ZX300 seriesではZX304が4段ブームです。空車時最大クレーン容量は2.93t×2.6m(4本掛)、最大作業半径は9.8m、最大地上揚程は約11.4mです。

ZX305は最大何mまで届きますか?

A. ZX305の最大作業半径は12.1m、最大地上揚程は約13.7mです。ただし、最大作業半径12.1mで示される空車時定格総荷重は0.28tなので、届く距離と吊り能力は分けて確認します。

ZX305の2.93tはどの条件でも使えますか?

A. いいえ。ZX305の空車時最大クレーン容量は2.93t×2.4m(4本掛)です。作業半径が伸びたり、アウトリガー張出条件が小さくなったりすると定格総荷重は下がります。

A性能・B性能・C性能は何で決まりますか?

A. タダノの公式仕様資料では、ホイールベースと車両総重量によって区分されています。A性能はホイールベース4200mm未満、B性能は4200mm以上かつ車両総重量11t未満、C性能は4200mm以上かつ車両総重量11t以上です。

アウトリガーを最大に張れない場合はどう判断しますか?

A. 最大張出の数値を使わず、現場で実際に確保できる中間張出・最小張出などの条件に対応する定格総荷重を確認します。ZX305の例では、最大3.6m、中間2.8m、最小2.0mで能力が変わります。

ZX305の性能表を別のタダノ4t型式へ使えますか?

A. 型式が異なる性能表をそのまま流用しないでください。ZX303〜ZX306ではブーム段数や主要諸元が異なり、架装車両条件によってA・B・C性能も分かれます。対象車両の型式と公式性能表を一致させて確認します。

まとめ|タダノ4tは型式・段数・車両条件を一致させて確認する

  • ✅ ZX303は3段、ZX304は4段、ZX305は5段、ZX306は6段です。
  • ✅ 最大作業半径はZX303の7.5mからZX306の14.4mまで型式によって異なります。
  • ✅ 最大地上揚程も約9.2mから約15.9mまで型式によって異なります。
  • ✅ 2.93t級でも、作業半径が伸びれば定格総荷重は下がります。
  • ✅ ZX305では最大・中間・最小のアウトリガー張出条件によって能力が変わります。
  • ✅ A性能・B性能・C性能はホイールベースと車両総重量を確認します。
  • ✅ ZX305の数値をタダノ4tユニック全般の固定値として扱わないことが重要です。

タダノ4tユニックの性能表を確認するときは、最初にZX303〜ZX306の型式とブーム段数を特定します。次に、必要な作業半径と地上揚程に届くかを確認し、その位置で残る定格総荷重、アウトリガー張出条件、A・B・C性能を実車条件と照合します。

タダノユニック全体の性能表の読み方へ戻る場合は、【タダノユニック 性能表】吊り能力・作業半径の見方を確認してください。メーカーを限定せず4tユニック全体の性能表を確認する場合は、【4tユニックの性能表】能力表の見方と数値で判断する注意点へ進めます。

出典・参考情報

出典・参考先 確認内容
タダノ ZX300 series ZX303〜ZX306のブーム段数、空車時最大クレーン容量、最大作業半径、最大地上揚程、最大半径・最大揚程時の空車時定格総荷重を確認。
タダノ Zest EXシリーズ仕様資料 ZX305の作業半径別空車時定格総荷重、アウトリガー張出幅、フック質量30kg、A性能・B性能・C性能の車両条件などを確認。

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