【タダノ 4tユニックの性能表】現場で使われる理由と注意点

4tユニックがアウトリガを展開して資材搬入に備える現場イメージ ユニック車メーカー別ガイド

4tユニックの性能表を見ても、「この現場条件で成立するのか」「何トンまで吊れるのか」が分からず、導入判断が止まることがあります。結論からいうと、タダノ4tユニックの性能表は、最大吊り能力を見るためではなく、現場で必要な作業半径・吊り荷重量・アウトリガ条件を照合して、作業が成立するか判断するために使います

よくある誤解は、「4tユニックだから4t吊れる」「2.93t級だから、どの位置でも2.93t吊れる」という見方です。実際には、最大クレーン容量は短い作業半径・条件が整った場合の代表値であり、作業半径が4m、5m、7mと伸びるほど定格総荷重は大きく下がります。さらに、アウトリガを最大に張り出せない現場では、中間張出・最小張出など、現場で実際に取れる条件で性能表を見る必要があります。

タダノ4tユニックの性能表を最大値ではなく作業半径・吊り荷・アウトリガ条件で確認する図解

この記事では、タダノ4tユニックの性能表を「現場での成立判断」に落とし込み、2.93t級の代表例、作業半径ごとの能力低下、アウトリガ条件、A性能・B性能・C性能、資格・安全確認まで整理します。タダノユニック全体の性能表の読み方を先に確認したい場合は、【タダノユニック 性能表】吊り能力・作業半径の見方もあわせて確認してください。

著者情報
ユニック車ガイド編集部(車両選定・運用の実務目線)。性能表の最大値だけで判断せず、作業半径・吊り荷・アウトリガ条件・車両条件を同時に照合し、現場で成立するかを安全側に判断する考え方を重視して解説しています。

確認条件
本記事の数値は、タダノ公式資料に掲載されるZX305などの代表例をもとにした説明です。実際の性能は、型式、架装車両、アウトリガ条件、ブーム長さ、積載状態、車両仕様で変わります。最終判断は、対象車両の性能表・銘板・注意表示・車検証・現場条件を必ず照合してください。

まず結論|タダノ4tユニックは最大値ではなく必要半径で判断する

タダノ4tユニックの性能表で最大値ではなく必要半径と吊り能力を照合する図解

このページの結論

  • ✅ タダノ4tユニックは「4tを吊れる車両」という意味ではありません。
  • ✅ 2.93t級のクレーンでも、2.93tを吊れるのは短い作業半径など条件が整った場合の代表値です。
  • ✅ 現場では、必要作業半径の欄で、吊り荷+吊り具込みの重量が成立するか確認します。
  • ✅ アウトリガを最大に張れない場合は、現場で取れる張出条件に合わせて性能表を見ます。

性能表を見るときは、最初に「最大吊り能力」ではなく、現場で必要な作業半径を決めます。たとえば、荷を下ろす位置が車両のすぐ横なのか、建物や障害物を避けて数m先へ届けるのかで、使う性能表の欄は変わります。

性能表上で最大値が大きく見えても、必要半径で余裕がなければ、その現場では成立しません。逆に、荷物の重量が軽くても、設置位置が遠くなり作業半径が伸びると、能力不足になることがあります。

タダノ4tユニック性能表で見るべき3項目

タダノ4tユニック性能表で作業半径・定格総荷重・張出条件の3項目を確認する図解

最初に見る3項目

  1. 作業半径:旋回中心から吊り荷位置までの距離を確認します。
  2. 定格総荷重:その作業半径で吊れる上限を確認します。
  3. アウトリガ条件:最大張出・中間張出・最小張出など、現場で取れる条件を確認します。

作業半径はブームの長さではありません。基本的には、クレーンの旋回中心から吊り荷の位置までの距離として考えます。ブームの先端が届くかどうかだけで判断すると、必要半径を短く見積もり、性能表の読み取りを誤ることがあります。

また、性能表の定格総荷重は、吊り荷だけでなく、フックや玉掛け用具などを含んだ見方が必要です。タダノ資料では、定格総荷重表がつり具等とフック質量30kgを含んだ値として示されるため、荷物単体の重量だけで「吊れる」と判断しないようにします。

3t・4t・10tの違いを比較しながら見たい場合は、【タダノ 3tユニックの性能表】吊り能力と作業範囲の目安や、【タダノ 10tユニックの性能表】大型現場での判断ポイントも確認すると、車格ごとの得意領域を整理しやすくなります。

2.93t級でも作業半径が伸びると吊り能力は下がる

タダノ4tユニックで作業半径が伸びると吊り能力が下がることを示す図解

タダノZX300 seriesのZX305は、5段ブームで、空車時最大クレーン容量の代表例として「2.93t×2.4m(4本掛)」が示されています。また、最大地上揚程は約13.7m、最大作業半径は12.1mとされています。ただし、これは代表例であり、すべての4tユニックにそのまま当てはまる数値ではありません。

重要なのは、2.93tという最大値ではなく、必要作業半径でどれだけの定格総荷重が残るかです。以下は、ZX305の定格総荷重表をもとにした代表例です。

作業半径 最大張出の目安 中間張出の目安 最小張出の目安 読み方
2.4m 2.93t 2.63t 1.38t 短半径では最大値に近い能力が出やすい
3.0m 2.33t 1.68t 0.93t 半径が少し伸びるだけで差が出る
4.0m 1.38t 1.00t 0.53t 1t超の荷物でも条件確認が必要
5.0m 0.93t 0.65t 0.38t 2.93t級でも1t未満になる例がある
7.0m 0.55t 0.38t 長半径では余裕が小さい

注意:上記はZX305の定格総荷重表をもとにした代表例です。すべてのタダノ4tユニックにそのまま当てはまるものではありません。必ず対象車両の性能表・銘板・仕様資料で確認してください。

この表を見ると、2.93t級でも、作業半径5.0mでは最大張出の例で0.93tまで下がります。つまり、1t前後の荷物でも、作業半径やアウトリガ条件によっては余裕がなくなることがあります。

アウトリガ条件で能力が変わる理由

アウトリガは「張れた前提」で見ない

  • ✅ 最大張出が取れる現場では、性能表上の条件を活かしやすくなります。
  • ⚠️ 道路幅、敷地端、側溝、障害物、養生範囲で張出しが制限されると、使える能力が下がります。
  • ⚠️ 張出し条件を読み落とすと、性能を過大評価しやすくなります。

同じ作業半径でも、アウトリガ条件が変わると定格総荷重は変わります。たとえば、作業半径4.0mでは最大張出なら1.38tの例でも、中間張出では1.00t、最小張出では0.53tまで下がる例があります。

現場では「アウトリガは最大に張れるはず」と先に決めないことが重要です。道路や敷地が狭い、片側に側溝がある、歩行者導線を確保する必要がある、障害物があるなどの条件では、最大張出が取れない場合があります。その場合は、現場で実際に取れる張出条件に合わせて性能表を見ます。

アウトリガ条件が分からないまま最大条件で成立判定をすると、現場到着後に「思ったより吊れない」「設置位置を下げるしかない」「半径が伸びて成立しない」という手戻りにつながります。

A性能・B性能・C性能と車両条件の見方

タダノ4tユニックのA性能・B性能・C性能を車両条件と車検証で確認する図解

タダノの性能表では、同じクレーン型式でも、架装される車両条件によりA性能・B性能・C性能などの区分が示される場合があります。これは、クレーン単体の性能だけでなく、架装車両の条件も成立判断に関わるためです。

区分 車両条件の例 確認ポイント
A性能 ホイールベース4200mm未満の車両に架装した場合 対象車両の仕様と性能表の区分が合っているか確認する
B性能 ホイールベース4200mm以上、かつ車両総重量11t未満の車両に架装した場合 車両総重量とホイールベース条件を照合する
C性能 ホイールベース4200mm以上、かつ車両総重量11t以上の車両に架装した場合 同じ型式でも車両条件で見る表が変わる点に注意する

中古車や架装済み車両を選ぶ場合は、クレーン型式だけでなく、車両側の条件を確認します。性能表の区分と実車の条件が一致していないと、表の読み取りが合っていても現場判断がずれる可能性があります。

仕様資料や型式の確認を進めたい場合は、【タダノユニック カタログ】確認できる内容と入手方法も参考にしてください。

4tタダノユニックが現場で使われる理由と限界

使われる理由

  • ✅ 短〜中半径の資材荷下ろしで使いやすい場面が多い。
  • ✅ 2t・3tクラスより余裕を取りたい現場で候補になりやすい。
  • ✅ 大型クレーンを呼ぶほどではない作業で、車両とクレーンを一体で運用しやすい。

4tタダノユニックが選ばれやすい理由は、短〜中半径の作業で、運搬と吊り作業をまとめて計画しやすい点です。資材を積んで現場へ入り、その場で荷下ろしや据付補助を行うような場面では、車両とクレーンを一体で使えるメリットがあります。

一方で、長半径や高所、設置位置を寄せられない現場では、4tユニックの得意領域を外れることがあります。性能表上でギリギリ成立している条件は、張出し不足、吊り具追加、設置位置の後退、地盤条件の悪化などで不成立になる可能性があります。

日野4t車の価格・仕様選びも含めて4tユニックを検討する場合は、【日野4tユニック】新車価格・標準仕様・選定ポイントもあわせて確認すると、クレーン性能と車両選定をつなげて考えやすくなります。

購入・レンタル・外注の判断基準

タダノ4tユニックの購入・レンタル・外注を必要半径と作業条件で比較する図解

先に決めるのはコストではなく成立条件

購入・レンタル・外注を比較する前に、まず性能表で作業が成立するかを確認します。成立しない作業は、費用比較の前に作業計画の見直しが必要です。

選択肢 向きやすいケース 注意点
購入 同じような現場が多く、必要半径・吊り荷条件が安定している 将来の現場で半径が伸びる場合に不足しないか確認する
レンタル 現場ごとに必要半径やアウトリガ条件が変わる 現場条件に合う型式・能力を都度確認する
外注 長半径・高所・余裕が少ない作業がある 作業計画、設置条件、合図、立入管理まで含めて相談する

性能表で余裕が少ない場合は、無理に4tユニックで成立させようとせず、機種変更、荷の分割、設置位置の変更、外注クレーンの利用を検討します。安全側に判断することで、当日の手戻りや危険作業を避けやすくなります。

安全・法規・資格の注意|性能表だけで作業可否を決めない

タダノ4tユニックの性能表だけでなく資格・玉掛け・車検証・現場条件を確認する図解

性能表で成立しても、作業可否は別確認

性能表で数値上は成立していても、運転資格、玉掛け資格、現場ルール、地盤、傾斜、風、障害物、立入管理が満たされていなければ作業可否は判断できません。

移動式クレーンの運転資格は、つり上げ荷重の区分で確認します。一般的には、つり上げ荷重5t以上は移動式クレーン運転士免許、1t以上5t未満は技能講習など、1t未満は特別教育などの確認が必要です。玉掛け作業も、1t以上は技能講習、1t未満は特別教育修了者の確認が必要になります。

確認項目 基本の見方 注意点
移動式クレーン運転 つり上げ荷重5t以上、1t以上5t未満、1t未満で区分を確認 対象機械のつり上げ荷重で確認する
玉掛け作業 1t以上は技能講習、1t未満は特別教育修了者を確認 誰が玉掛けするかを作業計画で明確にする
安全確認 30cm地切り、3秒停止、3m離隔などを確認 合図者・立入管理・吊り荷下の人払いも確認する
車両条件 車検証で最大積載量・車両総重量を確認 吊り具・工具・資材を積んだ運用状態で確認する

とくに4tユニックでは、「4t車だから積載も作業も余裕がある」と考えないことが重要です。クレーン架装、工具、資材、吊り具、台木などにより、最大積載量や車両総重量の余裕は車両ごとに変わります。性能表だけでなく、車検証と現場の積載実態を合わせて確認してください。

不明点がある場合や、性能表上の余裕が少ない場合は、作業を止めて確認する、機種を上げる、作業計画を変える、専門業者へ相談するなど、安全側の判断を優先します。

タダノ4tユニック性能表のよくある質問

タダノ4tユニックは何トン吊れますか?

A. 代表例では2.93t級がありますが、これは短い作業半径での数値です。必要半径が伸びると吊り能力は下がるため、必ず作業半径ごとの定格総荷重を確認します。

2.93t級なら2tの荷物は安全に吊れますか?

A. 作業半径とアウトリガ条件によります。短半径では成立しても、4m・5m・7mと半径が伸びると不足する場合があります。

作業半径とは何ですか?

A. ブーム長さではなく、旋回中心から吊り荷位置までの距離です。性能表では、この距離に対応する欄を見ます。

アウトリガを最大に張れない場合はどう判断しますか?

A. 最大張出ではなく、現場で実際に取れる中間張出・最小張出などの条件で性能表を見ます。

4tユニックの性能表だけで作業可否を決めてよいですか?

A. 性能表だけでは不十分です。地盤、傾斜、風、障害物、吊り具、資格、車両総重量、最大積載量を合わせて確認します。

3t・4t・10tユニックはどう使い分けますか?

A. 3tは小型・狭い現場、4tは短〜中半径の汎用作業、10tは大型・長半径寄りの現場で検討します。ただし最終判断は、必要半径と吊り荷条件で行います。

まとめ|必要半径・吊り荷・アウトリガ条件を先に固定する

  • ✅ タダノ4tユニックは、最大値ではなく必要作業半径の欄で判断します。
  • ✅ 2.93t級でも、作業半径が伸びると吊り能力は大きく下がります。
  • ✅ アウトリガ条件が最大張出か、中間張出か、最小張出かで成立可否が変わります。
  • ✅ 吊り荷だけでなく、フック・吊り具・玉掛け用具の質量も含めて確認します。
  • ✅ A性能・B性能・C性能など、車両側条件と合う性能表を見る必要があります。
  • ✅ 性能表だけでなく、資格、車検証、銘板、現場条件、作業計画まで合わせて確認します。

次の行動は、現場の必要作業半径吊り荷条件アウトリガ張出条件を先に整理することです。そのうえで、対象車両のタダノ4tユニック性能表を確認し、余裕が残るかを判断します。余裕が少ない場合は、機種変更、レンタル、外注、作業計画の変更を安全側に検討してください。

出典・参考情報

出典・参考先 確認内容
タダノ公式サイト クレーン装置・仕様・性能表の一次情報確認に使用。
タダノ ZX300 series ZX305の最大クレーン容量、最大地上揚程、最大作業半径などの確認に使用。
タダノ Zest EXシリーズ仕様資料 作業半径別の定格総荷重、アウトリガ張出条件、フック質量30kg、A/B/C性能区分の確認に使用。
厚生労働省 移動式クレーン・玉掛け・安全教育の確認に使用。
厚生労働省 安全教育資料 資格区分、玉掛け、30cm地切り、3秒停止、3m離隔などの確認に使用。
e-Gov法令検索 クレーン等安全規則など法令確認に使用。
国土交通省 車両総重量・保安基準・車両制度の確認に使用。

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