タダノユニックの性能表を見るときに最初に確認したいのは、「最大吊り能力」だけではない。2.93tなどの数値は、常にその重さを吊れるという意味ではなく、短い作業半径で、アウトリガー条件やブーム長さなどの前提が揃った場合の上限として扱う必要がある。
結論:タダノユニックの性能表は、最大吊り能力・作業半径・ブーム長さ・アウトリガー張出幅・作業領域・つり具込み重量をセットで読む。

たとえば、2.93t×2.6mのような表記は「2.93tをどの条件でも吊れる」という意味ではなく、「作業半径2.6m前後の短い条件で読む最大値の例」と考える。作業半径が3.5m、5.5m、6.5mと伸びるほど、性能表上の吊り能力は段階的に下がる。
吊り能力と作業半径の基本的な考え方を先に整理したい場合は、ユニック車の能力表で吊り能力と作業半径の考え方を確認すると、性能表の読み違いを減らしやすい。
本記事では、タダノユニックの性能表を「読む」だけで終わらせず、型式確認、作業半径の測定、アウトリガー条件の照合、資格・点検の確認まで、現場判断に落とし込む流れを整理する。
- ✅ 著者:ユニック車ガイド編集部(現場運用・安全配慮・点検手配の観点で編集)
- ✅ スタンス:性能表は判断材料の一部として扱い、型式・作業半径・アウトリガー条件・現場条件を照合して安全側に判断する
- ⚠️ 監修条件:機械操作と安全に直結するため、性能表・取扱説明書・カタログを起点にし、不明点はメーカー窓口・整備事業者・現場ルールで照合する前提で運用する
タダノユニック性能表の結論|最大値ではなく半径ごとの上限で読む

結論:タダノユニックの性能表は、「最大値を見る表」ではなく「作業半径ごとの上限を確認する表」として読む。
理由:クレーンは、荷を遠くへ出すほど負担が大きくなる。したがって、2.93tのような最大吊り能力は、短い作業半径で前提条件が揃った場合の値であり、作業半径が伸びるほど吊り能力は下がる。
具体:タダノの仕様書例では、2.93t×2.6mのように、荷重と作業半径をセットで読む考え方が示されている。これは「2.93tをどの距離でも吊れる」という意味ではなく、「2.6m前後の条件で読める上限の例」として理解する必要がある。
性能表を見るときは、最初に「自分の車両・クレーン型式に合う表か」を確認し、そのうえで作業半径、ブーム長さ、アウトリガー張出幅、作業領域、つり具込み重量を順番に照合する。
車格別に近い条件を見たい場合は、タダノ 2tユニックの性能表で能力の目安と使いどころを確認する、タダノ 3tユニックの性能表で吊り能力と作業範囲の目安を確認する、タダノ 4tユニックの性能表で現場で使われる理由と注意点を確認する、タダノ 10tユニックの性能表で大型現場の判断ポイントを確認すると、用途に近い判断へ進みやすい。
性能表で最初に押さえる3点
- ✅ 最大吊り能力は、短い作業半径で条件が揃ったときの上限として読む
- ✅ 作業半径が伸びるほど、同じ荷でもクレーンにかかる負担が増え、吊り能力は下がる
- ✅ 性能表の数値は、アウトリガー条件・ブーム長さ・作業領域・つり具込み重量とセットで確認する
性能表で確認する項目|作業半径・ブーム長さ・アウトリガー条件
結論:性能表は、1つの数字だけを抜き出すのではなく、複数の条件を同時に確認する資料である。
タダノの仕様書例では、定格総荷重表は水平堅土上でアウトリガーを使用し、機体を水平に設置した状態を前提にしている。また、定格総荷重には、つり具等とフック質量を含む考え方が示される場合がある。
そのため、荷物本体の重さだけで「吊れる」と判断せず、作業半径・ブーム長さ・アウトリガー張出幅・作業領域・フックやつり具の重さをまとめて確認する必要がある。
| 項目 | 読み方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 最大定格総荷重 | 例:2.93t×2.6mのように、荷重と半径をセットで読む | 常に2.93t吊れるという意味ではない |
| 作業半径 | 旋回中心から荷の中心までの距離として確認する | ブームのたわみを含む実半径で見る |
| ブーム長さ | 表示長さに対して該当する欄を見る | 少しでも超える場合は次の長さの性能を見る考え方がある |
| アウトリガー張出幅 | 最大・中間・最小などで該当欄が変わる | 最大張出できない現場では最大時の数値を使わない |
| 作業領域 | 前方・側方・後方で条件が変わる場合がある | 前方は制限が厳しい例がある |
| つり具・フック質量 | 荷だけでなく、つり具等の質量を含めて見る | 30kg程度のフック質量を含む例がある |
アウトリガー条件を混在させない
アウトリガー張出幅は、最大・中間・最小などで性能表の該当欄が変わる。機種や仕様によっては、3.2m、3.4m、3.6m、4.2m、4.6mなどの張出幅が条件として出てくる場合がある。
現場で最大張出ができない場合に、最大張出時の数値をそのまま使うと、前提条件が崩れる。張出幅が確保できない場合は、実際に確保できる条件の欄で読み直す。
作業半径で吊り能力が下がる理由|2.93tをそのまま使わない

結論:2.93tという最大値を見ても、作業半径が伸びれば同じ重さを吊れるとは限らない。
理由:荷を遠くへ出すほど、クレーンにかかるモーメントが大きくなるためである。短い半径では余裕があっても、半径が伸びると性能表上の定格総荷重は下がる。
一般的には、2.4〜2.7m前後の短い作業半径では最大吊り能力が出やすい一方、3.5m前後、5.0〜5.5m前後、6.5m以上と遠くなるほど、使える能力は段階的に小さくなる。
ただし、下記はあくまで読み方の目安であり、実際の数値は型式・仕様・ブーム長さ・アウトリガー条件で変わる。必ず自車両の性能表で確認する。
| 作業半径の例 | 見方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 2.4〜2.7m前後 | 最大吊り能力が出やすい短い半径 | 2.93tなどの最大値はこの近辺の条件で示されることが多い |
| 3.5m前後 | 能力が下がり始める範囲 | 荷の実重量とつり具込み重量を確認 |
| 5.0〜5.5m前後 | 1t台まで下がることがある | 型式別の表で必ず確認 |
| 6.5m以上 | 余裕が小さくなりやすい範囲 | 設置位置変更・車両変更も検討 |
「届く」と「吊れる」は別
- ✅ ブームが届いても、作業半径が伸びれば吊り能力は下がる
- ✅ 荷の実重量だけでなく、フック・つり具・吊り方も含めて考える
- ⚠️ 数値に余裕が少ない場合は、設置位置変更や車両変更を検討する
性能表を見る前に確認すること|型式・版・現場条件

結論:性能表を読む前に、車両・クレーン・現場の条件を揃える必要がある。
型式や仕様が違う性能表を見てしまうと、作業半径や定格総荷重の読み取りが成立しない。同じタダノ系でも、年式・仕様・ブーム段数・アウトリガー条件で前提が変わることがある。
性能表が手元にない場合は、独断で過去の表や似た表を流用せず、タダノユニック カタログで確認できる内容と入手方法を確認する、またはタダノユニック 取扱説明書の入手方法と確認ポイントを確認する流れで、照合の起点を作る。
見る前のチェックリスト
- ✅ 車両型式を確認する
- ✅ クレーン型式を確認する
- ✅ 性能表・カタログ・取扱説明書の版を確認する
- ✅ 荷の実重量を確認する
- ✅ つり具・フック・吊り方を確認する
- ✅ 作業半径を測る
- ✅ アウトリガーをどこまで張れるか確認する
- ✅ 地盤・傾斜・障害物・動線を確認する
- ✅ 不明点の照合先を決める
2t・3t・4t・10tで見るポイントは変わる

結論:タダノユニックの性能表は、車格によって見るべきポイントが変わる。
2t・3tでは、狭い現場や設置余裕、軽めの荷の扱いが重要になりやすい。4tでは、現場で使われやすい標準的な車格として、作業半径と吊り能力のバランスを確認する必要がある。10tでは、大型現場・重作業・広い作業半径での余裕確認が重要になる。
本記事はタダノ系性能表の準親記事として全体の読み方を整理し、車格別の詳しい判断は個別記事へ分岐する。
| 車格 | 向いている確認 | 内部リンク先 |
|---|---|---|
| 2tユニック | 狭い現場・軽めの荷・設置余裕 | タダノ 2tユニックの性能表で能力の目安と使いどころを確認する |
| 3tユニック | 小型〜中型現場・作業範囲の目安 | タダノ 3tユニックの性能表で吊り能力と作業範囲の目安を確認する |
| 4tユニック | 現場で使われやすい標準的な車格 | タダノ 4tユニックの性能表で現場で使われる理由と注意点を確認する |
| 10tユニック | 大型現場・重作業・広い作業半径 | タダノ 10tユニックの性能表で大型現場の判断ポイントを確認する |
性能表でできること・できないこと
結論:性能表は、作業計画の重要な根拠になる一方、現場条件を自動的に満たす資料ではない。
性能表で確認できるのは、条件下の定格総荷重や、作業半径ごとの能力低下、アウトリガー条件別の能力差などである。一方で、地盤の強さ、障害物、作業動線、資格、点検、現場ルールまで含めた作業可否を、性能表だけで断定することはできない。
特に、適合不明の表の流用、最大値だけの抜き取り、前提条件の推測での穴埋めは避ける。
| 区分 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| できること | 条件下の定格総荷重を確認する / 作業半径ごとの能力低下を確認する / アウトリガー条件別の能力差を見る / 作業計画の根拠にする | 型式・仕様・版・前提条件が一致していることが前提 |
| できないこと | 現場条件を無視して作業可否を断定する / 適合不明の性能表を流用する / 最大値だけで判断する / 資格・点検・地盤・現場ルールを省略する | 条件差分が残る場合は照合に戻る |
前方領域にも注意する
メーカー仕様書では、前方領域の定格総荷重が空車時定格総荷重の1/4扱いになる例や、ブーム長によって前方作業が禁止される例がある。つまり、同じ作業半径でも、前方・側方・後方で条件が変わる場合がある。
「横なら読める数値」と「前方でも使える数値」は同じとは限らないため、作業領域の注記を必ず確認する。
現場での読み取り手順|7ステップで確認する

結論:現場では、性能表の読み取り順を固定すると判断がブレにくい。
読む人によって結論が変わる状態では、条件差分が出たときに判断が止まりやすい。銘板・型式の確認から始め、荷の実重量、つり具重量、作業半径、アウトリガー張出幅を順番に確認する。
数値に余裕がない場合は、無理に続行せず、設置位置変更、荷の分割、車両変更、外注などへ戻る。
| 手順 | 確認内容 | 止めどころ |
|---|---|---|
| 1 | 銘板・型式を確認 | 型式が不明なら性能表の読み取りに進まない |
| 2 | 性能表・カタログ・取扱説明書の版を確認 | 適合不明なら照合に戻る |
| 3 | 荷の実重量+つり具重量を確認 | 荷だけでなくフック・玉掛け用具も含める |
| 4 | 作業半径を測る | 目測だけで決めず、測定点を揃える |
| 5 | アウトリガー張出幅を決める | 最大張出できないなら最大時の欄を使わない |
| 6 | 該当欄の定格総荷重を確認 | ブーム長さ・作業領域・注記も同時に見る |
| 7 | 余裕がない場合は設置位置・車両・外注を再検討 | 数値が近い場合は安全側に戻る |
失敗例 → 回避策
- ⚠️ 失敗例:最大値だけで判断 → 条件違いで数値が適用できず停止
- ✅ 回避策:型式・版の一致確認 → 前提条件を固定 → 条件差分は照合に戻る
- ⚠️ 失敗例:作業半径の取り方が曖昧 → 該当欄を読み違える
- ✅ 回避策:作業半径の定義を先に確認 → 現場の測り方も統一 → 記録を残す
- ⚠️ 失敗例:適合不明の表を流用 → 前提条件が崩れる
- ✅ 回避策:銘板・台帳で型式特定 → 照合先で一致確認 → 不明点が残る場合は中止
性能表で余裕が出ない場合|設置位置変更・車両変更・外注を検討する
結論:性能表で余裕が出ない場合は、数値を都合よく読み替えず、作業計画を戻す。
性能表上の余裕が少ないときに、荷の重さや作業半径を楽観的に見積もると、現場で停止しやすい。作業半径を短くできるか、荷を分けられるか、アウトリガー条件を改善できるかを確認し、それでも難しい場合は上位車両や外注を検討する。
保守状態に不安がある場合は、性能表だけでなく、タダノユニック 作動油の種類・交換目安・注意点を確認する、タダノユニック グリスアップ箇所と点検・給脂の基本を確認する、タダノユニック ワイヤー交換の時期と点検ポイントを確認するなど、保守系の確認も合わせて行う。
| 状態 | 判断 |
|---|---|
| 作業半径を短くできる | 設置位置を再検討する |
| 荷を分けられる | 分割搬入・分割吊りを検討する |
| アウトリガー条件が合わない | 車両変更・別設置場所を検討する |
| 性能表上の余裕が少ない | 無理に続行せず外注・上位車両を検討する |
| 性能表が適合しているか不明 | 型式特定と照合に戻る |
安全・法規・資格の注意|性能表だけで作業可否を決めない

結論:性能表は能力の資料であり、法規・資格・点検・現場制約を自動的に満たす資料ではない。
「性能表の数字がある=作業してよい」ではない。クレーン作業では、運転資格、玉掛け、作業前点検、月次・年次点検、記録保存、地盤、障害物、作業領域、現場ルールを別に確認する必要がある。
小型移動式クレーン運転技能講習は、つり上げ荷重1t以上5t未満の範囲として確認されることが多い。5t以上では移動式クレーン運転士免許が関係するため、車両や作業内容に応じて別確認が必要になる。
不調や異音、動作不良がある場合は、性能表の読み取り以前に安全確認を優先する。症状の整理が必要な場合は、タダノユニック 修理で依頼前に確認すべき症状と注意点を確認する。
| 確認項目 | 目安・区分 | 注意点 |
|---|---|---|
| 移動式クレーン運転 | 1t以上5t未満 | 小型移動式クレーン運転技能講習の範囲として確認 |
| 移動式クレーン運転 | 5t以上 | 移動式クレーン運転士免許が関係する範囲として別確認 |
| 玉掛け | 荷の条件により別資格確認 | 運転資格と玉掛け資格は別に考える |
| 点検 | 作業前・月次・年次 | 性能表とは別に確認する |
| 記録 | 3年保存を基本に確認 | 社内ルール・法令確認とセットで扱う |
違反や事故につながりやすい誤認
- ⚠️ 性能表の数字だけで作業可否を判断する
- ⚠️ 条件の違いを推測で埋める
- ⚠️ 玉掛けや資格の確認を飛ばす
- ⚠️ 作業前点検・月次点検・年次点検・記録保存を省略する
- ⚠️ 前方領域・地盤・障害物・現場ルールの確認を後回しにする
タダノユニック性能表のよくある質問
Q1:タダノユニックの2.93tは何mまで吊れる?
A:型式・ブーム長・アウトリガー条件で変わる。性能表では、2.93t×2.6mのように、吊り能力と作業半径をセットで読む。2.93tは常に吊れる重さではなく、短い作業半径で条件が揃った場合の上限として扱う。
Q2:作業半径が伸びると吊り能力はどれくらい下がる?
A:型式により異なるが、一般的には3m台、5m台、6m台と半径が伸びるほど吊り能力は段階的に下がる。5m前後では1t台まで下がる例もあるため、必ず自車両の性能表で確認する。
Q3:性能表の数値にフックやつり具の重さは含まれる?
A:メーカー仕様書の例では、定格総荷重にフック質量やつり具等の質量を含めて見る考え方が示されている。荷物本体の重さだけで判断せず、フック・玉掛け用具・吊り方も含めて確認する。
Q4:アウトリガーを最大に張れない場合はどう見る?
A:最大張出時の性能をそのまま使わず、中間張出・最小張出など現場で実際に確保できる条件の欄を確認する。張出幅が違えば、使える数値も変わるため、条件を混在させない。
Q5:性能表だけで作業可否を決めてもよい?
A:性能表だけで作業可否を決めるのは避ける。資格、玉掛け、点検、地盤、障害物、作業領域、現場ルールを別に確認し、不明点が残る場合は作業を進めず照合に戻る判断が必要になる。
まとめ & CTA(要点→次の行動)
結論:タダノユニックの性能表は、最大吊り能力だけを見る資料ではなく、作業半径・ブーム長さ・アウトリガー張出幅・作業領域・つり具込み重量をセットで確認する資料である。
2.93tなどの最大値は、短い作業半径で条件が揃った場合の上限として扱う。作業半径が伸びるほど吊り能力は下がるため、現場では「届くか」だけでなく「その半径で吊れるか」を確認する必要がある。
性能表の数字は、車両型式・クレーン型式・アウトリガー条件・ブーム長さ・作業領域・地盤・障害物・資格・点検と照合して初めて、作業計画の根拠になる。
迷った場合は、最大値を都合よく読むのではなく、型式・取扱説明書・カタログ・メーカー窓口・整備事業者・現場ルールで照合に戻る。
- ✅ 最大値は「短い作業半径での上限」として読む
- ✅ 作業半径が伸びるほど吊り能力は下がる
- ✅ 荷の実重量だけでなく、つり具・フック質量も含めて確認する
- ✅ アウトリガー条件・作業領域・ブーム長さを混在させない
- ✅ 性能表だけでなく、資格・点検・現場条件を別に確認する
出典・参考情報
| リンク名 | 参照内容 |
|---|---|
| 株式会社タダノ(公式サイト) | メーカー公式情報の起点。仕様・取扱情報の確認や照合先の入口として利用。 |
| タダノ カーゴクレーン仕様書・カタログ | 定格総荷重、作業半径、アウトリガー条件、フック質量、前方領域などを確認する参考。 |
| 厚生労働省(公式サイト) | 労働安全・資格・制度確認の起点。 |
| 建設労働者育成支援事業|小型移動式クレーン運転技能講習 | つり上げ荷重1t以上5t未満の小型移動式クレーン運転技能講習の確認に利用。 |
| 高知労働局|移動式クレーン定期自主検査等の参考 | 月次・年次・記録保存など、点検確認の参考。 |
| 中央労働災害防止協会(JISHA) | 安全衛生に関する情報提供・教材などの起点。 |


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