【古河ユニック株式会社とは】事業内容と強みを解説

車載クレーンを備えたユニック車が並ぶ工場ヤードのイメージ ユニック車メーカー別ガイド

ユニック車を調べていると、「古河ユニックはトラックメーカーなのか」「車両のどの部分を製造している会社なのか」と迷うことがあります。

古河ユニック株式会社は、トラック本体を製造するメーカーではなく、トラック搭載型クレーンを中心とするユニック製品の製造・販売会社です。ユニッククレーンのほか、ミニ・クローラクレーン、船舶架装用のオーシャンクレーン、林業やスクラップ処理に使われるユニックパル、車両運搬用のユニックキャリアなども取り扱っています。

この記事では、古河ユニック株式会社の会社概要、歴史、製品分野、強み、サポート体制を公式情報に基づいて整理します。あわせて、ユニック車全体を確認するときに、古河ユニック、トラックメーカー、架装・販売事業者の役割をどのように分けて考えるべきかも解説します。

クレーン付きトラックと会社概要・製品分野・サポート体制の3項目でクレーンメーカーの役割を示した構成

この記事で分かること
  • 古河ユニック株式会社の会社概要と主な事業
  • 1946年の設立から現在までの主要な沿革
  • ユニッククレーンを含む6つの製品分野
  • トラックメーカーや架装事業者との役割の違い
  • 販売・整備・部品相談で確認するポイント

古河ユニック株式会社とは

古河ユニック株式会社は、トラック搭載型クレーンを中心とした荷役機械や車両運搬装置を製造・販売する会社です。

古河機械金属株式会社が全額出資しており、ユニッククレーン、ミニ・クローラクレーン、ユニックキャリアなどの開発・製造・販売を行っています。

一方、トラックのエンジン、キャブ、シャシなどを製造するトラックメーカーではありません。一般に「ユニック車」と呼ばれる車両は、トラック本体にクレーン装置や荷台を架装して構成されます。

古河ユニックがクレーン装置を担いユニック車全体はトラックや荷台との組み合わせで決まることを示した図解

確認対象 主な内容
古河ユニック クレーン装置、操作装置、安全装置、性能表、クレーン部品など
トラックメーカー エンジン、キャブ、シャシなどのトラック本体
架装・販売事業者 トラック、クレーン、荷台などの組み合わせや架装仕様の調整

そのため、古河ユニックの会社情報やクレーン仕様だけでは、完成した車両の最大積載量、車両総重量、荷台寸法などを確定できません。個別車両を判断するときは、車検証、クレーンの型式、荷台、架装内容をまとめて確認する必要があります。

古河ユニック株式会社の会社概要

古河ユニック公式サイトに掲載されている会社概要は、次のとおりです。

項目 内容
社名 古河ユニック株式会社
英文社名 FURUKAWA UNIC CORPORATION
設立 1946年4月9日
資本金 2億円
株主 古河機械金属株式会社が全額出資
本社所在地 東京都千代田区大手町二丁目6番4号 常盤橋タワー11・12階
佐倉工場所在地 千葉県佐倉市太田字外野2348
従業員数 489人(2025年7月1日現在)
主な事業 ユニッククレーン、ミニ・クローラクレーン、ユニックキャリアなど、ユニック製品の製造および販売
関係販売会社・事業所 全国42か所
指定サービス工場 全国400か所以上

全国の関係販売会社・事業所と指定サービス工場は、製品の購入相談、点検、修理、部品照会などの窓口になります。ただし、対応できる製品、修理内容、営業日、部品在庫などは拠点ごとに異なる場合があります。

古河ユニックの歴史

古河ユニックの前身は、1946年に設立された共栄開発株式会社です。現在の事業につながる大きな転換点は、1961年に日本初の積載形クレーンを発売したことです。

主な出来事
1946年 前身となる共栄開発株式会社を設立
1961年 日本初の積載形クレーンを発売し、商品名を「UNIC」と命名
1961年 1トン吊りトラック搭載型クレーン「UNIC100」と、2トン吊り「UNIC200」を発売
1968年 大森工場を閉鎖し、千葉県佐倉市に佐倉工場を開設
1970年 株式会社ユニックへ社名変更
1987年 古河機械金属グループの傘下に入る
1989年 古河ユニック株式会社へ社名変更
「UNIC」という名称の由来

公式沿革では、「UNIC」はUNIVERSALとCRANEを組み合わせて考えられた名称と説明されています。さらに、伝説上の一角獣であるUNICORNの力強いイメージも重ねられています。

商品名として始まった「UNIC」は、1970年には社名にも採用されました。現在では古河ユニックのブランド名であると同時に、一般にはクレーン付きトラックを指す通称のように使われることもあります。

古河ユニックの主な事業内容と製品

古河ユニック公式サイトでは、製品情報を次の6分野に分けて掲載しています。

製品分野 主な役割 使用場面の例
ユニッククレーン トラックに架装し、荷物を吊り上げて荷台へ積み降ろすクレーン 建設資材、機械、設備、造園資材などの運搬・荷役
ミニ・クローラクレーン クローラで自走し、アウトリガーを展開して作業する小型クレーン 狭い場所、不整地、屋内、建物内側からの施工
オーシャンクレーン 船舶への架装を前提としたクレーン 船上での荷役や機材の積み降ろし
ユニックパル 折曲式ブームなどを使い、資材をつかむ・吊る・積み込むための装置 林業、産業廃棄物、スクラップ処理、一般荷役
グラップルローダ グラップルで木材などをつかみ、荷台へ積み込む装置 林業用フォワーダへの架装、原木の積み込み
ユニックキャリア 荷台を傾斜させ、車両や産業機械などを積載・運搬する車両運搬装置 自動車、建設機械、産業機械、故障車などの運搬

ミニ・クローラクレーンは、複数のアウトリガーを展開した姿から「カニクレーン」と呼ばれることがあります。詳しい構造や使用される現場は、【古河ユニック カニクレーンとは】特徴と使われる理由で確認できます。

ユニッククレーンは小型から大型まで対応する

小型・中型・大型ユニッククレーンのGVW区分とトラッククラスを3つの数値カードで比較した図解

トラック搭載型のユニッククレーンは、架装する車両のクラスに応じて小型・中型・大型に分けて掲載されています。

公式サイト上の主な区分は次のとおりです。

公式区分 GVWの区分 トラッククラスの表記
小型トラック架装用 GVW5~8tクラス 2~3.5t車クラス
中型トラック架装用 GVW8~20tクラス 4~8t車クラス
大型トラック架装用 GVW20~25tクラス 8~10t車クラス

GVWはGross Vehicle Weightの略で、日本語では車両総重量を意味します。車両総重量は、車両重量、乗車定員分の重量、最大積載量などを合計した数値です。

注意:上表は古河ユニック公式サイトにおける製品区分です。「GVW5~8t」は最大積載量が5~8tという意味ではありません。実際の最大積載量や車両総重量は、トラック型式、軸数、クレーン、荷台、架装内容などによって変わります。

同じ2t車や4t車という呼び方でも、ワイドキャブ、ロングボディ、増トン仕様などによって条件は異なります。購入や手配の際は、通称だけでなく車検証と架装後の諸元を確認することが重要です。

古河ユニックの強み

1961年から続く積載形クレーンの開発実績

古河ユニックは、前身の共栄開発株式会社が1961年に日本初の積載形クレーンを発売したことを公式沿革に掲載しています。

同年には、1トン吊りの「UNIC100」と2トン吊りの「UNIC200」を発売しました。その後もブーム段数、操作装置、安全装置、作業効率などに関する製品開発を続けています。

小型から大型までそろう製品構成

ユニッククレーンは、公式サイト上でGVW5~25tクラスに対応する小型・中型・大型の製品群に分けて掲載されています。

車格だけでなく、ブーム段数、つり上げ荷重、作業半径、アウトリガー張出幅、操作方式などが異なる複数の機種が用意されています。ただし、すべてのクレーンをすべてのトラックに架装できるわけではないため、シャシや架装条件との適合確認が必要です。

油圧機器を独自設計・内製する体制

古河機械金属のユニック部門紹介では、シリンダやバルブなど、クレーンの基幹部品となる油圧機器を独自設計し、内製していることが特徴として示されています。

これは製品開発や生産体制を理解するうえでの特徴です。ただし、内製していることだけで、すべての機種が他社製品より優れていると判断することはできません。実際の比較では、必要な性能や整備環境も確認する必要があります。

全国の販売・サービス網

公式会社概要では、関係販売会社・事業所を全国42か所、指定サービス工場を全国400か所以上としています。

購入後の点検や修理を考えるときは、拠点数だけでなく、自社の営業地域から相談先までの距離、対応可能な機種、部品の確認方法、故障時の連絡手順まで確認しておくと安心です。

国内市場での位置づけ

古河機械金属の公式事業紹介では、トラック搭載型クレーンとユニックキャリアについて、それぞれ国内シェア50%と記載されています。また、ユニック部門の売上高の約80%が国内であることも示されています。

この50%は、古河機械金属が示す対象製品についての数値です。「日本国内にあるクレーン付きトラックの半数がすべて古河ユニック製」という意味に広げて解釈しないよう注意が必要です。

古河ユニックとトラックメーカーの違い

ユニック車は、複数の会社や事業者が関わって完成します。それぞれの役割を分けて考えると、故障時や仕様確認時の相談先を整理しやすくなります。

関係者 主に確認する内容
古河ユニック クレーン装置、ブーム、操作装置、安全装置、油圧機器、性能表、クレーン部品、製品サポートなど
トラックメーカー エンジン、キャブ、シャシ、駆動系、トラック本体に関する仕様や整備など
架装・販売事業者 トラックとクレーンの組み合わせ、荷台、補強、配線、架装仕様、登録に関する調整など
使用者・車両管理者 車検証、クレーン性能表、取扱説明書、点検記録、現場条件、使用前点検など

実際の担当範囲は、販売形態、保証条件、架装内容、故障箇所などによって異なります。クレーンの動作不良に見えても、車両側の電装や架装部分が関係する場合があるため、症状だけで相談先を決めつけないことが大切です。

また、完成車の最大積載量は、クレーンを含む架装物の重量によって変わります。トラックメーカーのカタログ値だけで判断せず、架装後の車検証に記載された最大積載量を確認してください。

製造・販売・整備のサポート体制

古河ユニックでは、製品の製造・販売に加え、関係販売会社や指定サービス工場を通じたサポート体制を整えています。

公式サイトでは、現行モデルだけでなく、旧モデルを含むカタログや性能表も確認できます。中古車を検討している場合は、車両の広告に記載された情報だけでなく、クレーンの型式と機番を確認し、該当する資料と照合することが重要です。

問い合わせ前に整理したい情報
  1. 製品名とクレーンの型式
  2. 機番・製造番号
  3. 架装されているトラックのメーカーと型式
  4. 発生している症状と発生条件
  5. 警告表示、異音、油漏れなどの有無
  6. 過去の修理・点検履歴

公式の問い合わせ導線では、クレーンの型式と7桁の数字・アルファベットによる機番を入力する項目が用意されています。型式と機番は、同じシリーズ内の仕様差や製造時期を確認するための重要な情報です。

部品供給や修理の可否は、型式、年式、故障内容、部品在庫などによって異なります。古いモデルであっても資料が掲載されている場合はありますが、必要な部品が必ず供給されるとは限りません。

佐倉工場は、ユニック製品の製造や開発に関わる主要拠点です。所在地や工場の役割を詳しく知りたい場合は、【古河ユニック 佐倉工場】役割・所在地・対応内容を確認してください。

古河ユニックとタダノを比較するときの考え方

古河ユニックとタダノを比較するときは、会社の知名度だけで優劣を決めるのではなく、使用条件に必要な仕様を満たしているかを確認します。

比較項目 確認するポイント
つり上げ荷重 吊りたい荷物の重量に対して余裕があるか
作業半径 実際に荷物を吊る距離で必要な定格総荷重を確保できるか
ブーム段数 必要な作業半径や地上揚程に合っているか
アウトリガー 最大張出幅と現場で確保できる設置スペースが合っているか
操作装置 ラジコン、レバー配置、表示内容などが担当者に合うか
安全装置 警報、作動停止、高さ制限など、必要な機能が備わっているか
トラック・架装条件 荷台寸法や最大積載量とクレーン仕様を両立できるか
整備環境 販売店やサービス工場の場所、点検・部品相談のしやすさ
中古車の状態 年式、型式、機番、作動状態、油漏れ、整備記録など

同じメーカーでも、機種や年式によって性能と機能は異なります。中古車ではメーカーの違いより、整備状態や架装内容の差が購入後の使いやすさに影響する場合もあります。

メーカーごとの役割や比較方法を詳しく確認したい場合は、【タダノユニック 比較】古河ユニックとの違いと選び方を参考にしてください。

古河ユニック株式会社についてよくある質問

古河ユニック株式会社はトラックメーカーですか?

いいえ。古河ユニック株式会社は、トラック搭載型クレーンを中心とするユニック製品の製造・販売会社です。トラック本体は別のトラックメーカーが製造し、完成車の仕様はクレーン、荷台、架装内容などとの組み合わせで決まります。

「ユニック」は会社名ですか、商品名ですか?

「UNIC」は1961年に発売した積載形クレーンの商品名として付けられ、1970年には社名にも採用されました。現在は古河ユニックのブランド名として使われる一方、一般にはクレーン付きトラックを指す通称のように使われることもあります。

古河ユニックはどのような製品を製造していますか?

ユニッククレーン、ミニ・クローラクレーン、オーシャンクレーン、ユニックパル、グラップルローダ、ユニックキャリアなどを扱っています。製品ごとに使用目的や架装対象が異なるため、公式カタログや性能表で確認する必要があります。

古河ユニックのクレーンは何トンクラスのトラックに対応しますか?

公式サイトでは、小型がGVW5~8tクラス、中型がGVW8~20tクラス、大型がGVW20~25tクラスに区分されています。GVWは車両総重量であり、最大積載量ではありません。実際に架装できるかは、トラック型式やクレーン仕様などを含めて確認します。

古河ユニックの修理や部品はどこへ相談しますか?

購入した販売店、古河ユニックの関係販売会社・事業所、指定サービス工場などが主な相談先です。問い合わせ前にクレーンの型式、機番、車両情報、症状を整理してください。修理や部品供給の可否は、型式や年式、部品在庫などによって異なります。

古河ユニックとタダノはどのように比較すればよいですか?

必要なつり上げ荷重、作業半径、ブーム段数、アウトリガー張出幅、操作装置、安全装置、整備環境などを同じ条件で比較します。中古車の場合は、メーカー名だけでなく年式、型式、機番、整備記録、現物の状態も確認してください。

まとめ

  • 古河ユニックは、トラック搭載型クレーンを中心とするユニック製品の製造・販売会社
  • 1946年設立で、1961年に日本初の積載形クレーンを発売
  • 公式製品情報では、ユニッククレーンを含む6つの製品分野を展開
  • ユニッククレーンは小型・中型・大型トラック架装用に区分されている
  • 関係販売会社・事業所は全国42か所、指定サービス工場は全国400か所以上
  • 完成車の積載量や寸法は、トラック、クレーン、荷台、架装内容を含めて確認する必要がある

古河ユニック株式会社の情報は、会社や製品の全体像を把握するための入口です。実際に車両を選ぶときは、会社名だけでなく、用途に必要なクレーン性能、トラック条件、荷台、整備環境まで確認してください。

出典・参考情報

出典 確認できる内容
古河ユニック株式会社|会社概要 所在地、資本金、従業員数、設立日、営業内容、販売拠点、指定サービス工場
古河ユニック株式会社|沿革 会社の歴史、1961年の積載形クレーン発売、UNICの名称由来
古河ユニック株式会社|製品情報 ユニッククレーン、ミニ・クローラクレーン、ユニックキャリアなどの製品分野
古河ユニック株式会社|小型トラック架装用ユニッククレーン GVW5~8tクラス、2~3.5t車クラスの製品区分
古河ユニック株式会社|中型トラック架装用ユニッククレーン GVW8~20tクラス、4~8t車クラスの製品区分
古河ユニック株式会社|大型トラック架装用ユニッククレーン GVW20~25tクラス、8~10t車クラスの製品区分
古河ユニック株式会社|カタログ・性能表 現行モデルと旧モデルのカタログ、性能表
古河機械金属株式会社|ユニック部門 国内シェア、油圧機器の独自設計・内製、主要製品、販売体制

コメント

タイトルとURLをコピーしました