【ユニック車資格】必要資格(玉掛け・小型移動式クレーンなど)を解説

ユニック車の吊り作業に必要な資格を事前に確認している現場のイメージ ユニック車

ユニック車を使うときは、公道を運転するための免許クレーン装置を操作するための資格・教育荷を掛け外しするための玉掛け資格・教育を別々に確認します。どれか1つを持っていれば、運転・クレーン操作・玉掛けのすべてができるわけではありません。

国内でよく見られるつり上げ荷重2.93tの積載形トラッククレーンを操作する場合は、1t以上5t未満の区分に当たるため、原則として小型移動式クレーン運転技能講習の修了が必要です。さらに、自分で荷にワイヤーロープなどを掛けたり、フックから外したりする場合は、玉掛け資格も別に確認します。

一方、公道を運転できるかは、クレーンのつり上げ荷重ではなく、車検証に記載された車両総重量・最大積載量と免許取得時期で判断します。「2tユニック」「4tユニック」という車格名だけでは、必要な運転免許やクレーン操作資格を確定できません。

ユニック車に必要な運転免許・クレーン操作資格・玉掛け資格の3区分

著者情報(ユニック車ガイド編集部)

ユニック車に関係する運転免許・クレーン操作資格・玉掛け資格を、法令上の数値基準と実際の担当作業に分けて整理しています。

※法令や講習制度は改正される可能性があります。最終判断は、厚生労働省、都道府県労働局、労働基準監督署、警察署、登録教習機関、事業者の安全基準、使用車両の取扱説明書などで確認してください。

結論|ユニック車に必要な資格は3つに分けて確認する

ユニック車に必要な運転免許・クレーン操作資格・玉掛け資格を確認するイメージ

ユニック車に関係する免許・資格は、次の3種類です。担当する行為によって、確認する制度と数値が異なります。

区分 担当する行為 主な判断基準 詳細記事
運転免許 トラックを公道で運転する 車両総重量・最大積載量・乗車定員・免許取得時期 【ユニック車免許】必要な運転免許(普通・準中型・中型)を整理
クレーン操作資格 ブーム、フック、旋回などを操作して荷を吊る 移動式クレーンのつり上げ荷重 【ユニック車の操作に資格は必要?】できる範囲・できない作業の境界
玉掛け資格 荷に玉掛け用具を掛ける、外す 使用するクレーン等のつり上げ荷重 【ユニック車と玉掛け】必要なケース・不要なケースを判断できる解説

重要:クレーン操作資格と玉掛け資格の区分で使う「つり上げ荷重」は、その日に吊る荷物の実重量ではありません。使用するクレーン自体に設定されたつり上げ荷重で判断します。

早見表|運転・クレーン操作・玉掛けの違い

最初に、車検証、クレーンの銘板・仕様書、作業担当者の3つを確認すると、必要な免許・資格を整理しやすくなります。

担当する行為 判断に使う数値 必要となる免許・資格 確認する資料
公道を運転する 車両総重量・最大積載量・乗車定員 普通・準中型・中型・大型免許など 車検証、運転免許証の条件欄
クレーンを操作する つり上げ荷重0.5t・1t・5t 特別教育・技能講習・移動式クレーン運転士免許 銘板、仕様書、取扱説明書
荷を掛け外しする 使用するクレーン等のつり上げ荷重1t 玉掛け特別教育・玉掛け技能講習 クレーンの銘板、作業計画、役割分担

クレーン操作資格はつり上げ荷重0.5t・1t・5tで分かれる

ユニック車のクレーン装置を操作するための資格は、トラックが2t車か4t車かではなく、移動式クレーンのつり上げ荷重で決まります。

移動式クレーンのつり上げ荷重 操作に必要な資格・教育
0.5t以上1t未満 移動式クレーン運転の特別教育
1t以上5t未満 小型移動式クレーン運転技能講習
5t以上 移動式クレーン運転士免許

一般的な2.93t吊りの積載形トラッククレーンは、1t以上5t未満の範囲に入ります。そのため、クレーン装置を操作する人には、原則として小型移動式クレーン運転技能講習の修了が必要です。

ただし、2.93tという数値は、ブームをどこまで伸ばしても2.93tを吊れるという意味ではありません。実際に吊れる重量は、作業半径、ブーム長さ、フックなどのつり具、アウトリガーの張出状態、車両姿勢によって変化します。

操作前に確認する数値

  • クレーンのつり上げ荷重
  • ブーム長さと作業半径
  • 定格総荷重表に記載された作業可能重量
  • アウトリガーの張出状態
  • フックや玉掛け用具を含む荷重条件

つり上げ荷重0.5t未満の装置についても、「誰でも安全に操作できる」「教育は一切不要」とは判断しません。取扱説明書、事業者の安全教育、作業手順、現場独自のルールを確認してください。

クレーン操作だけを担当する場合や、操作できる範囲の詳しい境界は、【ユニック車の操作に資格は必要?】できる範囲・できない作業の境界で整理しています。

玉掛け資格は使用するクレーンのつり上げ荷重1tで分かれる

玉掛けとは、荷を安全に吊るためにワイヤーロープ、チェーン、ベルトスリングなどを選び、荷やフックへ掛けたり外したりする作業です。

必要な資格・教育は、実際に吊る荷物の重さではなく、使用するクレーン等のつり上げ荷重で判断します。

使用するクレーン等のつり上げ荷重 玉掛けに必要な資格・教育
0.5t以上1t未満 玉掛け業務の特別教育
1t以上 玉掛け技能講習

例:吊り荷が500kgであっても、つり上げ荷重2.93tのクレーンを使用して玉掛け作業を行う場合は、原則として玉掛け技能講習の区分です。荷物が1t未満だから特別教育でよい、とは判断しません。

玉掛け技能講習を修了した人は、つり上げ荷重1t未満のクレーン等に係る玉掛け作業にも対応できます。一方、玉掛け特別教育だけでは、つり上げ荷重1t以上のクレーン等に係る玉掛け作業は担当できません。

「少し手伝うだけ」でも作業内容を確認する

次のような行為は、単なる周辺誘導ではなく、玉掛け作業への関与になる可能性があります。

  • 荷にワイヤーロープやベルトスリングを掛ける
  • 玉掛け用具をクレーンのフックへ掛ける
  • 吊り終わった荷から玉掛け用具を外す
  • 荷の状態を確認しながら玉掛け用具を掛け直す

一方、合図だけを担当する人に、すべての場合で玉掛け技能講習が必要とは一律に断定できません。実際に玉掛け作業へ関与するか、元請・発注者・事業者の安全基準で資格者の配置が求められているかを確認してください。

荷の掛け外し、補助作業、合図担当の具体的な境界は、【ユニック車と玉掛け】必要なケース・不要なケースを判断できる解説で詳しく確認できます。

公道を運転する免許は車両総重量と最大積載量で決まる

ユニック車を公道で運転するための免許は、クレーンのつり上げ荷重ではなく、車両側の条件で判断します。車検証の車両総重量最大積載量を確認してください。

免許区分 車両総重量 最大積載量
普通免許 3.5t未満 2t未満
準中型免許 7.5t未満 4.5t未満
中型免許 11t未満 6.5t未満
大型免許 11t以上 6.5t以上

表の数値は、各免許で運転できる主な車両範囲を整理したものです。車両総重量、最大積載量、乗車定員のいずれかが上位区分に該当すると、上位の免許が必要になることがあります。

例えば「最大積載量2t」と呼ばれるトラックでも、クレーン装置やアウトリガーを架装したことで車両総重量が増え、現在の普通免許の範囲を超えることがあります。名称ではなく、必ず車検証の数値を確認してください。

普通・準中型・中型・大型の違いを詳しく確認する場合は、【ユニック車免許】必要な運転免許(普通・準中型・中型)を整理を参照してください。

普通免許は取得時期によって運転範囲が異なる

普通免許は、最初に取得した時期によって、現在の免許証上で5t限定準中型免許や8t限定中型免許として扱われていることがあります。

普通免許を最初に取得した時期 現在の主な扱い 主な上限
2007年6月1日以前 8t限定中型免許 車両総重量8t未満・最大積載量5t未満
2007年6月2日~2017年3月11日 5t限定準中型免許 車両総重量5t未満・最大積載量3t未満
2017年3月12日以降 現行の普通免許 車両総重量3.5t未満・最大積載量2t未満

限定条件、免許の失効・再取得、限定解除などによって個別の範囲が異なることがあります。普通免許の取得時期別条件は、【ユニック車は普通免許で運転できる?】条件と注意点をわかりやすくで確認してください。

4tユニック車については、車格名だけで普通免許・準中型免許・中型免許のどれが必要かを決められません。車両総重量と最大積載量を照合する具体的な方法は、【4tユニック車の免許】必要条件を整理で説明しています。

作業内容別|必要資格の組み合わせ

必要な免許・資格は、1人がどこまで担当するかによって組み合わせが変わります。

担当する作業 運転免許 クレーン操作資格 玉掛け資格
公道を運転するだけ 必要 操作しなければ当該業務では不要 玉掛けをしなければ当該業務では不要
現場でクレーンだけを操作する 公道運転を担当する場合に必要 つり上げ荷重に応じて必要 玉掛けをしなければ当該業務では不要
荷の掛け外しだけを行う 公道運転をしなければ不要 操作しなければ不要 つり上げ荷重に応じて必要
運転・操作・玉掛けを1人で行う 車両条件に応じて必要 つり上げ荷重に応じて必要 つり上げ荷重に応じて必要
操作担当と玉掛け担当を分ける 運転担当者が保有 操作担当者が保有 玉掛け担当者が保有

運転者が現場に到着した後、そのままクレーン操作や玉掛けまで担当するなら、それぞれに対応する資格が必要です。人員が不足したことを理由に、資格を確認していない人が掛け外しや操作を代行しないよう、手配段階で担当者を決めておきます。

資格取得にかかる標準時間

技能講習と特別教育には、法令・告示で定められた標準的な科目と時間があります。

講習・教育 学科 実技 標準合計
小型移動式クレーン運転技能講習 13時間 7時間 20時間
移動式クレーン運転特別教育 9時間以上 4時間以上 13時間以上
玉掛け技能講習 12時間 7時間 19時間
玉掛け特別教育 5時間以上 4時間以上 9時間以上

保有している免許・技能講習修了証や実務経験によって、一部科目の免除を受けられることがあります。そのため、すべての受講者が同じ時間・日数になるとは限りません。

実際の開催日程、受講料、必要書類、科目免除の条件は登録教習機関ごとに異なります。申し込み前に、受講予定の教習機関へ確認してください。

修了証の確認:作業時は、必要な免許証や技能講習修了証を確認できる状態にしておきます。紛失した場合の再交付手続きは、修了証を交付した登録教習機関などへ問い合わせてください。

2t・4tユニックやクレーン車との違いから確認する

「2tユニック」「4tユニック」の2t・4tは、一般にトラックの車格や積載クラスを示す呼び方です。クレーン操作資格の区分である、つり上げ荷重1t・5tとは別の数値です。

2t車と4t車では、車両総重量、最大積載量、車体寸法、必要な運転免許、現場での取り回しが異なります。用途や免許条件をまとめて比較する場合は、【2tと4tユニック車の違い】用途・免許・コスト比較を確認してください。

また、積載形トラッククレーンと、ラフテレーンクレーンなどの専用クレーン車では、構造、荷物を運搬できるか、道路走行に必要な免許、現場での役割が異なります。違いは、【ユニック車とクレーン車の違い】用途・免許・構造の違いを比較で整理しています。

作業前に確認する5項目

ユニック車の作業前に車両情報・クレーン能力・担当者を確認する様子

ユニック車を手配・使用する前に、次の5項目を確認します。

  1. 車検証の車両総重量を確認する
  2. 車検証の最大積載量を確認する
  3. クレーンのつり上げ荷重を銘板・仕様書で確認する
  4. クレーン操作担当者と保有資格を確認する
  5. 玉掛け担当者と保有資格を確認する

資格がそろっていても、定格総荷重を超える作業や、不安定な地盤での設置が認められるわけではありません。作業前には、取扱説明書、定格総荷重表、アウトリガーの張出条件、地盤、作業半径、立入禁止範囲、合図方法も確認します。

法令上の資格要件とは別に、元請・発注者・事業者が、入場条件、社内教育、作業責任者、資格者の配置などを独自に定めていることがあります。現場へ入る前に、法令上の条件と現場独自の条件を分けて確認してください。

よくある質問(FAQ)

Q. ユニック車の運転とクレーン操作には別の資格が必要ですか

A. はい、別に確認します。公道の運転には車両総重量・最大積載量に対応する運転免許が必要で、クレーン操作にはクレーンのつり上げ荷重に対応する免許・技能講習・特別教育が必要です。


Q. 2.93t吊りユニックの操作には何の資格が必要ですか

A. 原則として小型移動式クレーン運転技能講習の修了が必要です。2.93tは1t以上5t未満の区分に当たりますが、実際に吊れる重量は作業半径やブーム長さ、アウトリガーの状態で変わります。


Q. 玉掛け技能講習は何トンから必要ですか

A. つり上げ荷重1t以上のクレーン等に係る玉掛け作業では、原則として玉掛け技能講習の修了が必要です。基準になるのは吊り荷の実重量ではなく、使用するクレーン等のつり上げ荷重です。


Q. 吊る荷物が1t未満なら玉掛け資格はいりませんか

A. いいえ、吊り荷が1t未満でも資格が必要になることがあります。例えば500kgの荷物をつり上げ荷重2.93tのクレーンで玉掛けする場合は、原則として玉掛け技能講習の区分です。


Q. 普通免許で2tユニック車を運転できますか

A. 2tという車格名だけでは判断できません。車検証の車両総重量・最大積載量と普通免許の取得時期を確認し、免許証の条件欄を含めて運転可能な範囲を判断します。


Q. 小型移動式クレーン運転技能講習と玉掛け技能講習は両方必要ですか

A. 1人でクレーン操作と玉掛けの両方を担当する場合は、原則として両方が必要です。操作担当者と玉掛け担当者を分ける場合は、それぞれが担当作業に対応する資格を保有します。


Q. 資格取得には何時間かかりますか

A. 標準では、小型移動式クレーン運転技能講習は20時間、玉掛け技能講習は19時間です。保有資格や実務経験による科目免除があるため、実際の日数・時間は登録教習機関で確認してください。

まとめ|運転・操作・玉掛けを別々に確認する

ユニック車に必要な免許・資格は、1種類ではありません。次の順番で確認すると、判断の混乱を防げます。

  • 公道を運転する人は、車両総重量・最大積載量に対応する運転免許を確認する
  • クレーンを操作する人は、つり上げ荷重に対応する操作資格・教育を確認する
  • 荷を掛け外しする人は、つり上げ荷重に対応する玉掛け資格・教育を確認する

一般的な2.93t吊りユニックでは、操作担当者に小型移動式クレーン運転技能講習、玉掛け担当者に玉掛け技能講習が必要になるのが基本です。運転免許については、トラックの車格名ではなく、車検証と免許証の条件を照合してください。

最後に、資格だけで作業可否を決めず、定格総荷重表、アウトリガー、地盤、作業半径、立入管理、現場独自の安全基準まで確認してから作業を開始します。

出典・参考情報

出典名 確認できる内容
e-Gov法令検索「クレーン等安全規則」 移動式クレーンの運転、玉掛け、技能講習などに関する法令上の規定
厚生労働省「クレーン等運転関係技能講習規程」 小型移動式クレーン運転技能講習の科目、学科13時間・実技7時間など
厚生労働省「玉掛け技能講習規程」 玉掛け技能講習の科目、学科12時間・実技7時間、科目免除など
厚生労働省「クレーン取扱い業務等特別教育規程」 移動式クレーン運転特別教育、玉掛け特別教育の科目と時間
警察庁「準中型免許の新設」 普通免許・準中型免許の車両総重量、最大積載量と制度改正の概要
e-Gov法令検索「道路交通法施行規則」 普通・準中型・中型・大型自動車などの区分と運転免許制度
古河ユニック「カタログ・性能表」 積載形トラッククレーンの機種別仕様、つり上げ性能、定格総荷重表など

コメント

タイトルとURLをコピーしました