ラフテレーンクレーンとは、不整地や狭い現場での揚重作業に使われる自走式クレーンです。走行とクレーン操作を1つの運転席で行えるため、現場内での移動や位置替えに強い一方、実際に吊れるかどうかは作業半径、アウトリガー張出、地盤、性能表、資格条件で変わります。
結論:ラフテレーンクレーンは、不整地や狭所に強い「現場内作業向けの自走式クレーン」です。ただし、機種名や「25t級」などの呼び方だけで作業可否を判断してはいけません。
この記事では、ラフテレーンクレーンの仕組み・構造・用途・他クレーンとの違いを整理し、作業計画で確認すべき詳細記事へ進めるように解説します。アウトリガー、作業半径、性能表、安全対策、免許・資格などの詳しい判断は、各専門記事で補足します。
- ✅ ラフテレーンクレーンの定義と特徴
- ✅ ラフタークレーンとの関係
- ✅ トラッククレーン・オールテレーンクレーンとの違い
- ✅ 手配前に確認すべき条件と詳細記事への進み方
ラフテレーンクレーンの位置づけを早くつかみたい場合は、【クレーン付きトラックとは】用途・特徴・仕組みを初心者向けに解説で「トラックに搭載するクレーン装置」との違いを整理すると、混同が減ります。現場では「クレーン付きトラック」「移動式クレーン」「クレーン車」が混ざって呼ばれることがあるため、用語の粒度を揃えることが重要です。
著者情報・監修条件
ユニック車ガイド編集部(現場段取り・安全配慮・機種選定の観点で編集)
記事は「万能視を避け、条件付きで判断できる情報」に落とし込みます。法規・資格・作業可否は断定ではなく、事前確認の手順として整理します。メーカー仕様、取扱説明書、施工要領、手配先の運用ルールによって条件が変わる部分は、判断材料として「確認すべき項目」に分解して説明します。
ラフテレーンクレーンとは

不整地や狭い現場で使われる自走式クレーン
ラフテレーンクレーンは、建設現場や工事現場などで使われる移動式クレーンの一種です。大きなタイヤを備え、現場内の不整地や狭い場所での移動・据え付け・揚重作業に対応しやすい点が特徴です。
ただし、「不整地に強い=どこでも安全に作業できる」という意味ではありません。実際の作業可否は、地盤、アウトリガーの張出幅、作業半径、ブーム長さ、吊り荷重量、周辺障害物などを組み合わせて判断します。
ラフタークレーンと呼ばれることもある
現場では、ラフテレーンクレーンを「ラフタークレーン」「ラフター」と呼ぶことがあります。一般的な会話ではほぼ同じ意味で使われることが多いですが、この記事では表記を「ラフテレーンクレーン」に統一します。
ラフテレーンクレーンの仕組みと基本構造
走行とクレーン操作を1つの車両で行う
ラフテレーンクレーンは、現場内を自走して設置位置まで移動し、アウトリガーで車体を安定させてから、ブームを使って吊り上げ作業を行います。走行とクレーン作業を1台で行えるため、現場内で位置替えが必要な作業にも対応しやすいのが特徴です。
一方で、吊り上げ能力は常に一定ではありません。作業半径が長くなるほど吊れる荷重は小さくなり、アウトリガー張出幅やブーム長さによっても条件が変わります。
主な構成部品と役割
- 🧩 車体・走行部:現場内の移動と進入に関わる部分
- 🧩 上部旋回体:旋回しながらブーム操作を行う作業部
- 🧩 ブーム・フック:吊り荷を上げ下げする揚重部
- 🧩 アウトリガー:車体を支え、荷重を分散させる安定装置
詳しい各部名称は構造記事で確認する
ここでは全体像に絞って説明しています。上部旋回体、下部走行体、ブーム、ジブ、アウトリガー、カウンターウエイトなどの名称と役割を詳しく確認したい場合は、【ラフテレーンクレーンの構造】各部名称と役割を図解で解説を参考にしてください。
ラフテレーンクレーンが向く現場・向かない現場

向く現場:不整地・狭所・現場内移動が多い作業
ラフテレーンクレーンは、現場内での移動や位置替えが必要な作業、不整地を含む建設現場、設置場所が限られる現場で候補になりやすいクレーンです。特に、進入後に現場内で据え付け位置を調整しながら作業する場面では、機動性を活かしやすくなります。
- ✅ 建設現場内での資材揚重
- ✅ 比較的狭い現場での位置替え作業
- ✅ 不整地や未舗装部分を含む現場内移動
- ✅ 作業場所が複数あり、短距離移動を伴う作業
注意が必要な現場:地盤が弱い・設置スペースが狭い・作業半径が長い作業
ラフテレーンクレーンは万能ではありません。地盤が弱い、アウトリガーを十分に張り出せない、作業半径が長い、上空障害物が多い、進入路に幅員・高さ・重量の制限がある場合は、事前確認が必要です。
「機種名ではなく条件で判断する」ことが重要です。特に、据え付け位置と作業半径が決まらないまま手配すると、現場で「想定半径では吊れない」「アウトリガーが張れない」といった問題につながることがあります。
ラフテレーンクレーンで確認すべき数値
ラフテレーンクレーンを調べるときは、「何tクラスか」だけでなく、作業半径、ブーム長さ、アウトリガー張出幅、車体寸法、車両総重量をセットで確認します。以下は代表機種の例であり、実際の作業可否は必ずメーカーの性能表、取扱説明書、現場条件、手配先の確認を優先してください。
代表的な能力クラス
ラフテレーンクレーンには、13t、16t、25t、60t、70t、100t級など、さまざまな能力クラスがあります。ただし、能力クラスは機種の目安であり、「その重量をどの条件でも吊れる」という意味ではありません。
25tクラスの目安
25tクラスの代表例では、最大つり上げ能力25,000kg×3.5m、ブーム長さ9.35〜30.5m、最大作業半径27.9m、走行時寸法は全長11,530mm、全幅2,620mm、全高3,475mm、車両総重量25,495kgといった仕様があります。アウトリガー張出幅は最大6.6m、中間6.1m・5.0m・3.6m、最小3.1m/2.3mなど、張出条件によって作業可能範囲が変わります。
数値は性能表と現場条件で必ず確認する
25tクラスでも、常に25tを吊れるわけではありません。最大つり上げ能力は、短い作業半径など特定条件での数値です。実作業では、吊り荷重量だけでなく、作業半径、ブーム長さ、アウトリガー張出幅、地盤条件、風、吊具重量などを含めて確認します。
| 項目 | 目安・例 | 注意点 |
|---|---|---|
| 能力クラス | 13t、16t、25t、60t、70t、100t級など | メーカー、型式、年式、仕様で異なる |
| 25tクラスの最大つり上げ能力例 | 25,000kg×3.5m | 常に25tを吊れるわけではなく、作業半径などの条件で変わる |
| ブーム長さ例 | 9.35〜30.5m、70t級では9.8〜44.0mなど | ブームを伸ばすほど吊れる荷重は小さくなる傾向がある |
| 最大作業半径例 | 25t級で27.9m、70t級で36.0mまたは40.0mなど | 最大作業半径付近では吊れる荷重が大きく下がるため性能表確認が必要 |
| 車体寸法例 | 全長11,530mm、全幅2,620mm、全高3,475mm、車両総重量25,495kg | 進入路、旋回、道路条件、設置スペースの確認に使う |
| アウトリガー張出幅例 | 最大6.6m、中間6.1m・5.0m・3.6m、最小3.1m/2.3m | 張出幅が小さいと吊れる荷重や作業範囲が制限される |
能力クラスや寸法を比較したい場合は、【ラフテレーンクレーンの規格】能力・寸法・性能表の読み方と注意点で、トン数別の違いや確認項目を整理してください。
トラッククレーン・オールテレーンクレーンとの違い
ラフテレーンクレーン、トラッククレーン、オールテレーンクレーンは、いずれも移動式クレーンとして比較されることがあります。ただし、選定では「走れるか」だけでなく、「どこに据えられるか」「どの作業半径で吊るか」「地盤やアウトリガー条件が成立するか」を確認する必要があります。
比較表で見る主な違い
| 比較項目 | ラフテレーンクレーン | トラッククレーン | オールテレーンクレーン |
|---|---|---|---|
| 主用途 | 不整地や狭所を含む現場内揚重 | 移動と揚重の両立を考える作業 | 大型・広域・高能力作業を含む運用 |
| 得意な現場 | 不整地、狭い現場、現場内移動が多い作業 | 比較的整った現場や道路移動を含む作業 | 大規模現場、長距離移動、高能力が必要な作業 |
| 移動の考え方 | 現場内の自走・位置替えを重視 | 道路走行を含めて検討 | 広域移動を含めて検討 |
| 向き不向き | 不整地や狭所に強いが、地盤・張出条件の確認が重要 | 用途が合えば効率的だが、設置条件の確認が必要 | 高能力だが、車体寸法・重量・搬入条件の確認項目が多い |
| 制約が出やすい点 | アウトリガー張出、地盤、作業半径、設置スペース | 道路移動条件、設置条件、作業半径 | 道路条件、搬入条件、組立条件、設置スペース |
選定時は「設置条件」と「作業半径」を先に確認する
クレーンを選ぶときは、能力の大きさだけでなく、設置場所と作業半径を先に確認します。吊り荷が軽くても、作業半径が長くなれば吊れる荷重は下がります。また、アウトリガーを十分に張り出せない場合も、作業範囲や能力が制限されます。
「ユニック車」と「クレーン車」の言い分けが曖昧な場合は、【ユニック車とクレーン車の違い】用途・免許・構造の違いを比較も確認しておくと、手配時の認識ズレを減らしやすくなります。
作業計画で確認するポイント

アウトリガー張出と地盤
ラフテレーンクレーンは、アウトリガーで車体を安定させて作業します。アウトリガーを十分に張り出せるか、地盤が沈み込まないか、敷鉄板や養生が必要かを確認します。具体的な張出方法や設置手順は、【ラフテレーンクレーンのアウトリガー】張出方法・設置手順・安全上の注意で詳しく整理しています。
作業半径と定格総荷重
「何t吊れるか」は、機種名だけでは判断できません。実際には、旋回中心から吊り荷までの作業半径が長くなるほど、吊れる荷重は小さくなります。作業半径の考え方や測り方は、【ラフテレーンクレーンの作業半径】性能表の見方と判断基準を解説を確認してください。
性能表の確認
性能表では、ブーム長さ、作業半径、アウトリガー張出幅、定格総荷重などを組み合わせて確認します。性能表の読み方を誤ると、能力に余裕があると思っていた作業でも、実際には条件を満たせないことがあります。読み方は、【ラフテレーンクレーンの性能表】正しい読み方と現場での使い方で確認してください。
免許・資格・作業体制
クレーン操作、玉掛け、道路走行は、それぞれ確認する条件が異なります。つり上げ荷重や作業内容によって必要な免許・技能講習・特別教育が変わり、玉掛けはクレーン操作資格とは別に確認が必要です。道路走行では、車両の運転免許、車両寸法、重量、経路条件、通行条件も確認します。
資格条件の詳細は、【ラフテレーンクレーンの免許・資格】運転・操作に必要な条件まとめで整理しています。
ラフテレーンクレーンの詳細記事
この記事は、ラフテレーンクレーン全体を理解するための親記事です。具体的な作業判断は、以下の詳細記事で確認してください。
| 確認項目 | 見るポイント | 詳細確認先 |
|---|---|---|
| アウトリガー | 張出幅、地盤、水平、敷板、設置スペース | 【ラフテレーンクレーンのアウトリガー】張出方法・設置手順・安全上の注意 |
| 作業半径 | どこから測るか、半径が伸びたときの能力低下 | 【ラフテレーンクレーンの作業半径】性能表の見方と判断基準を解説 |
| 性能表 | 定格総荷重、ブーム長さ、アウトリガー張出幅 | 【ラフテレーンクレーンの性能表】正しい読み方と現場での使い方 |
| 構造 | 各部名称、上部旋回体、下部走行体、ブーム、ジブ | 【ラフテレーンクレーンの構造】各部名称と役割を図解で解説 |
| 安全対策 | 転倒防止、地耐力、敷鉄板、風、立入管理 | 【ラフテレーンクレーンの安全対策】転倒防止・地耐力・現場での注意点 |
| 免許資格 | 操作資格、玉掛け、道路走行、作業体制 | 【ラフテレーンクレーンの免許・資格】運転・操作に必要な条件まとめ |
| 規格 | 能力、寸法、トン数別の違い、性能表の前提 | 【ラフテレーンクレーンの規格】能力・寸法・性能表の読み方と注意点 |
安全・法規・資格の注意点
注意:ラフテレーンクレーンの作業可否や必要資格は、機械の種類だけで一律に決められません。つり上げ荷重、作業内容、吊り荷、作業場所、道路走行の有無、現場ルールによって確認内容が変わります。
- ✅ クレーン操作、玉掛け、道路走行は別々に確認する
- ✅ つり上げ荷重や作業内容により、免許・技能講習・特別教育の要否が変わる
- ✅ 玉掛けはクレーン操作資格とは別に確認する
- ✅ 道路走行は運転免許、車両寸法、重量、経路条件、通行条件を確認する
- ✅ 最終判断はメーカー資料、取扱説明書、手配先、関係機関、社内規程で確認する
ラフテレーンクレーンのよくある質問
ラフテレーンクレーンとは何ですか?
ラフテレーンクレーンとは、不整地や狭い現場での揚重作業に使われる自走式クレーンです。走行とクレーン操作を1つの運転席で行えるため、現場内での移動や位置替えに強い点が特徴です。
ラフタークレーンとの違いはありますか?
一般的な現場会話では、ラフテレーンクレーンを「ラフタークレーン」「ラフター」と呼ぶことが多く、ほぼ同じ意味で使われます。この記事では表記をラフテレーンクレーンに統一しています。
トラッククレーンとの違いは何ですか?
ラフテレーンクレーンは不整地や現場内での機動性に強く、トラッククレーンは道路走行や移動を含めた運用で比較されやすいクレーンです。どちらが適するかは、設置条件、作業半径、移動条件で判断します。
25tラフターは25tまで吊れますか?
常に25tを吊れるわけではありません。25t級の最大つり上げ能力は特定条件での数値であり、実際に吊れる荷重は作業半径、ブーム長さ、アウトリガー張出幅、地盤条件などで変わります。詳しくは、【ラフテレーンクレーンの性能表】正しい読み方と現場での使い方で確認してください。
公道を走れますか?
公道走行は、車両条件、経路、寸法、重量、通行条件、運転免許などの確認が必要です。移動を含む手配では、事前に手配先や関係機関へ条件を確認してください。必要な免許・資格の考え方は、【ラフテレーンクレーンの免許・資格】運転・操作に必要な条件まとめで整理しています。
転倒を防ぐには何を確認しますか?
地盤、アウトリガー張出、作業半径、定格荷重、風、周辺障害物、立入管理を確認します。特に軟弱地盤や傾斜地では、敷鉄板や養生の要否も含めて安全側で判断します。詳しくは、【ラフテレーンクレーンの安全対策】転倒防止・地耐力・現場での注意点を確認してください。
手配前に最低限伝えるべき条件は何ですか?
吊り荷重量、作業半径、必要揚程、設置場所、地盤、進入路、障害物、アウトリガー展開スペースを整理して伝えると、作業可否の確認が早くなります。写真、寸法、搬入経路、上空障害物の情報があると、より具体的に判断しやすくなります。
まとめ
結論:ラフテレーンクレーンは、不整地や狭い現場での揚重作業に使われる自走式クレーンです。現場内での移動や位置替えに強い一方、作業可否は機種名だけでは判断できません。
- ✅ ラフテレーンクレーンは、不整地・狭所・現場内移動に強い
- ✅ 「25t級」などの呼び方だけでは、実際に吊れる荷重は判断できない
- ✅ 作業半径、アウトリガー張出幅、地盤、性能表、資格条件をセットで確認する
- ✅ 詳細な判断は、アウトリガー・作業半径・性能表・安全対策・免許資格の記事で補完する
次に確認すること
- 🧭 据え付け位置とアウトリガー展開スペースを確認する
- 🧭 吊り荷重量と作業半径を整理する
- 🧭 性能表で定格総荷重を確認する
- 🧭 地盤・風・周辺障害物・立入管理を安全側で確認する


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