【トラックの部品名称一覧】主要パーツまとめ

トラック整備工場で主要パーツが並ぶ全体イメージ トラック基礎
エンジン系・駆動系・足回り・制動系・電装系のように機能別に整理すると、各部品の役割とつながりを把握しやすくなります。

ただし、部品名称や構成は、メーカー、車種、年式、型式、駆動方式、架装によって異なります。整備や部品手配では、名称だけでなく、車名・型式・車台番号・部品の位置・症状・写真をそろえて確認することが重要です。

トラックの定義や種類、用途から確認したい場合は、【トラックとは】意味・定義・種類・用途を初心者向けにわかりやすく解説をご覧ください。各部品が車体のどこに配置され、どのようにつながっているかは、【トラックの構造】図解でわかる基本構成と仕組みで整理しています。

この記事では、トラックを構成する主要部品を機能別にまとめ、一般的な名称、主な役割、部品名が分からないときの確認方法まで解説します。

トラックの主要部品をエンジン・駆動系・足回り・ブレーキ・電装に分けて示す構成

この記事で分かること

  • トラックの主要部品を機能別に分類した一覧
  • エンジンから駆動輪まで動力が伝わる順序
  • 足回り、ブレーキ、電装系に含まれる代表部品
  • ユニック車(クレーン付きトラック)に追加される装置
  • 部品名称が不明な場合にそろえる車両情報

トラックの主要部品を機能別に一覧で確認

トラックの主要部品を機能別に整理する考え方を示す図解

この記事でいう「部品名称」は、エンジン、ミッション、デフ、ブレーキ装置など、車両を構成する機械部品や装置の名前です。一方、「部位名称」は、フロント、側面、後部、荷台、鳥居、あおりなど、車体の場所や区画を示す言葉です。

また、「構造」は、個々の部品がどこに配置され、どのように力や荷重を伝えているかを示します。似た言葉でも検索意図が異なるため、最初に区別しておくと必要な情報へ進みやすくなります。

分類 主な部品名称 主な役割 車種差・確認点
エンジン・燃料・吸気系 エンジン本体、ピストン、クランクシャフト、インジェクター、ターボチャージャー 燃料を燃焼させ、走行や架装装置に使う動力を生み出す 排気量、気筒数、過給方式、燃料噴射方式が車種ごとに異なる
冷却・潤滑系 ラジエーター、ウォーターポンプ、オイルポンプ、オイルフィルター エンジン温度を管理し、内部部品の摩擦や焼き付きを抑える 容量、配置、交換部品は型式ごとの整備資料で確認する
排気系 エキゾーストパイプ、マフラー、DPF・DPD・DPR、SCR 排気を車外へ導き、騒音や排出ガス中の物質を低減する 後処理装置の名称はメーカーによって異なる
ミッション・クラッチ系 クラッチディスク、フライホイール、トランスミッション、トルクコンバーター エンジンの動力を断続し、速度や駆動力に合わせて変速する MT、AT、AMTで構成が異なる
駆動系 プロペラシャフト、ユニバーサルジョイント、デフ、アクスルシャフト 変速機から駆動輪へ動力を伝える 2WD、4WD、駆動軸数などで配置が変わる
フレーム・サスペンション系 サイドメンバー、クロスメンバー、リーフスプリング、ショックアブソーバー 車体と積載物を支え、路面からの衝撃を吸収する リーフ式、エア式など採用方式が異なる
ステアリング系 ステアリングシャフト、ギヤボックス、ドラッグリンク、タイロッド 運転者の操作を前輪へ伝え、進行方向を変える 操舵方式や補助装置の構成は車種ごとに異なる
ブレーキ系 ブレーキドラム、ライニング、ディスク、パッド、ブレーキチャンバー 車両を減速・停止させ、駐車時の移動を防ぐ 油圧式、空気式、複合式などで部品構成が異なる
電装系 バッテリー、オルタネーター、スターターモーター、ECU、ハーネス 始動、充電、制御、灯火、情報表示を担う 電圧やバッテリー構成は車両ごとに確認する
キャブ・外装・荷台・架装系 バンパー、フェンダー、ステップ、あおり、鳥居、PTO、油圧ポンプ 乗員保護、積載、荷役、作業装置の駆動を担う 平ボディ、バン、ウイング、ダンプ、クレーン付きなどで大きく異なる

覚え方の基本:部品名を調べるときは、「どの場所か」だけでなく、動力を生む・伝える・支える・曲がる・止まる・制御するのどの機能に属するかを確認すると候補を絞りやすくなります。

エンジンと周辺装置の部品名称

エンジン系は、燃料と空気を使って動力を生み出す中心部分です。内部部品の名称は多いものの、部品名称記事では「燃焼を行う部分」「回転運動へ変える部分」「空気や燃料を供給する部分」に分けると理解しやすくなります。

部品名称 主な役割 確認上の注意
エンジン本体 燃料を燃焼させて回転力を生み出す機関全体 エンジン型式により内部部品や補機類が異なる
シリンダーブロック シリンダーや冷却水・潤滑油の通路を備えるエンジンの基礎部分 一般に内部部品を支える大きな構造体として扱われる
シリンダーヘッド 燃焼室上部を構成し、吸排気バルブなどを収める エンジン型式によって配置や構成が異なる
ピストン 燃焼圧力を受けてシリンダー内を上下する 通常は外観から直接確認できない内部部品
クランクシャフト ピストンの往復運動を回転運動へ変える コンロッドを介してピストンとつながる
カムシャフト 吸気・排気バルブを所定のタイミングで作動させる 搭載位置や本数はエンジン設計により異なる
ターボチャージャー 排気のエネルギーを利用して吸入空気を圧縮する すべてのエンジンに同じ方式が採用されるわけではない
インジェクター 燃焼室へ燃料を噴射する 燃料噴射方式により形状や制御方法が異なる
コモンレール 高圧燃料を蓄え、各インジェクターへ供給する 高圧燃料系は専門知識なしに分解しない
エアクリーナー 吸入空気中のほこりや異物を取り除く ケース、エレメント、ダクトを分けて呼ぶ場合がある
インテークマニホールド 吸入空気を各シリンダーへ分配する 一般に吸気マニホールドとも呼ばれる
エキゾーストマニホールド 各シリンダーから出た排気を集める 一般に排気マニホールドとも呼ばれる

排気量、気筒数、ターボ、出力、トルクなど、エンジンそのものの特徴は、【トラックのエンジン】種類・特徴・選び方の基礎知識で詳しく解説しています。

冷却系・潤滑系・排気系の部品名称

エンジンを安定して動かすには、熱を逃がす冷却系、摩擦を抑える潤滑系、燃焼後のガスを処理する排気系が必要です。同じエンジン周辺でも役割が異なるため、系統を分けて確認します。

冷却系の主要部品

部品名称 主な役割 確認ポイント
ラジエーター 冷却水の熱を外気へ放出する コア、タンク、キャップなどを分けて呼ぶ場合がある
ウォーターポンプ 冷却水をエンジンとラジエーターの間で循環させる 駆動方式はエンジン型式により異なる
サーモスタット 冷却水の流れを調整して適正温度を保つ 家庭用空調の温度調整器とは役割が異なる
冷却ファン ラジエーターへ空気を通して放熱を助ける 機械式・電動式など方式が異なる
リザーバータンク 冷却水の膨張分を受け、冷却水量の確認にも使われる 高温時にキャップを開けない
ラジエーターホース 冷却水を各部へ通す 上側・下側、接続位置を添えて伝える

潤滑系の主要部品

部品名称 主な役割 確認ポイント
オイルパン エンジン下部で潤滑油を受ける 車体下部の損傷や油漏れ確認の対象になる
オイルポンプ 潤滑油をエンジン内部へ圧送する 内部部品のため外観だけで状態判断しない
オイルフィルター 潤滑油中の異物を取り除く エレメント式など形状が異なる場合がある
オイルクーラー 潤滑油の温度上昇を抑える エンジン用、ミッション用など対象を確認する

排気系と排出ガス後処理装置

部品・装置名称 主な役割 呼称・車種差
エキゾーストパイプ エンジンから出た排気を後方へ導く 一般に排気管とも呼ばれる
マフラー 排気音を低減する 会話では排気系全体を指して使われる場合がある
DPF・DPD・DPR 排気中の粒子状物質を捕集し、再生処理する装置 メーカー資料では名称が異なるため、車両の表示と取扱説明書を確認する
SCR 尿素水などを利用して窒素酸化物の低減を図る 搭載有無や構成は車種・年式で異なる
尿素水タンク SCRで使用する尿素水を貯える 燃料タンクと取り違えないよう位置とキャップ表示を確認する
排気温度センサー 排気温度を検出し、後処理装置の制御に使われる センサーの本数や位置は車両によって異なる

注意:排出ガス後処理装置は、メーカーごとに名称や表示が異なります。警告灯が点灯した場合は、名称だけで対処を決めず、取扱説明書とメーカーの案内に従ってください。

ミッション・クラッチ・駆動系の部品名称

エンジンからミッションやデフを経て駆動輪へ動力が伝わる順番

エンジンで生まれた回転力は、そのままタイヤへ届くわけではありません。クラッチやトルクコンバーター、トランスミッション、プロペラシャフト、デフなどを通り、駆動輪へ伝わります。

エンジン → クラッチまたはトルクコンバーター → トランスミッション → プロペラシャフト → デファレンシャルギア → アクスルシャフト → 駆動輪

部品名称 主な役割 搭載・呼称の違い
クラッチディスク エンジンとトランスミッションの動力をつないだり切ったりする摩擦部品 主にクラッチ機構を備える車両で使われる
クラッチカバー クラッチディスクをフライホイールへ押し付ける クラッチ一式として扱われることが多い
フライホイール エンジン回転を安定させ、クラッチとの接触面にもなる エンジンと変速機の間に配置される
トランスミッション 走行条件に合わせて回転速度と駆動力を変える ミッション、変速機とも呼ばれる
トルクコンバーター 流体を介してエンジンの動力を変速機へ伝える すべてのAT・AMTに同じ構成で使われるわけではない
プロペラシャフト トランスミッションからデフへ回転力を伝える 車体長や駆動方式により分割数や配置が異なる
ユニバーサルジョイント 角度が変化する軸同士で回転を伝える プロペラシャフトの継手として使われる
デファレンシャルギア 旋回時に左右駆動輪の回転差を許容する 一般にデフと略して呼ばれる
デフケース デファレンシャルギアなどを収めるケース 会話では内部機構を含めてデフと呼ぶ場合がある
アクスルシャフト デフから車輪へ回転力を伝える軸 駆動軸か非駆動軸かで構成が異なる

MT・AT・AMTの構造や操作性の違いは、【トラックのミッション】MT・ATの違いと特徴を整理で確認できます。デファレンシャルギアの仕組みやデフロック、不調症状については、【トラックのデフ】役割・仕組み・故障時の症状で整理しています。

フレーム・足回り・サスペンションの部品名称

「足回り」は、会話する人や整備内容によって指す範囲が変わりやすい言葉です。タイヤとホイールだけを指す場合もあれば、アクスル、サスペンション、ステアリング、ブレーキまで含める場合もあります。部品確認では、足回りという言葉だけで済ませず、対象系統を具体的に伝えます。

系統 部品名称 主な役割 確認上の注意
車体骨格 サイドメンバー 車体前後方向に延び、荷重を支えるフレームの主要部材 左右どちらか、亀裂・腐食位置を具体的に伝える
車体骨格 クロスメンバー 左右のサイドメンバーをつなぎ、ねじれや変形を抑える 前後位置と架装部との関係を確認する
車軸 アクスル 車輪を支持し、駆動・制動・操舵に関わる フロント、リア、駆動軸、従動軸を区別する
懸架装置 リーフスプリング 板ばねで車体荷重を支え、路面からの衝撃を吸収する 枚数や形状は車種・軸位置で異なる
懸架装置 エアスプリング 空気圧を利用して車体を支持する 一般にエアバッグと呼ばれる場合があるが、安全装置のエアバッグとは異なる
懸架装置 ショックアブソーバー ばねの振動を減衰させ、車体の揺れを抑える 左右・前後の位置を添える
懸架装置 スタビライザー 旋回時などの車体の傾きを抑える リンクやブッシュを分けて呼ぶ場合がある
懸架装置 シャックル リーフスプリングの端部を支持し、長さ変化を許容する ピンやブッシュを含めて確認する
ハブ周辺 ホイールハブ ホイールを取り付け、車輪を回転させる中心部 前後・左右・軸位置を明確にする
ハブ周辺 ハブベアリング 車輪の回転を滑らかに支える 異音だけで部品を断定せず点検を依頼する
タイヤ・ホイール タイヤ 路面に接地し、駆動力・制動力・荷重を受け持つ サイズ、位置、複輪か単輪かを確認する
タイヤ・ホイール ホイール タイヤを保持してハブへ取り付ける 材質、サイズ、ボルト配置などが車両ごとに異なる

ステアリング・ブレーキ系の部品名称

ステアリング系は運転者の操作を車輪へ伝え、ブレーキ系は車両を減速・停止させます。どちらも安全に直結するため、名称を知ることと、故障箇所を自己判断することは分けて考える必要があります。

ステアリング系の主要部品

部品名称 主な役割 確認上の注意
ステアリングホイール 運転者が進行方向を操作する 一般にハンドルとも呼ばれる
ステアリングシャフト ステアリングホイールの回転を操舵機構へ伝える コラム部を含めた呼び方と区別する
ステアリングギヤボックス 操作力と回転運動を操舵リンクへ伝える パワーステアリング装置との一体・別体構成がある
ピットマンアーム ギヤボックスの動きをリンク機構へ伝える 採用される操舵方式により構成が異なる
ドラッグリンク 操舵力をナックル側へ伝える タイロッドと混同しない
タイロッド 左右車輪の向きを連動させる ロッド本体とエンド部を分けて確認する
ステアリングナックル 車輪を支持しながら操舵方向へ回転させる 一般にナックルと略して呼ばれる

ブレーキ系の主要部品

部品名称 主な役割 搭載・呼称の違い
ブレーキペダル 運転者の制動操作を入力する 先に感じる違和感は複数原因が考えられるため点検が必要
ブレーキブースター ペダル操作力を補助する 油圧ブレーキ系などで使われ、全車共通ではない
ブレーキドラム 内側の摩擦材と接触して制動力を生む円筒状部品 ドラムブレーキで使用する
ブレーキライニング ブレーキシューに取り付けられ、ドラムと摩擦して制動する ディスクブレーキのパッドとは別部品
ブレーキディスク パッドに挟まれて制動力を生む円盤状部品 一般にディスクローターとも呼ばれる
ブレーキパッド ディスクを挟んで摩擦力を発生させる ディスクブレーキで使用する
ブレーキチャンバー 圧縮空気の力を機械的な作動力へ変える 空気式ブレーキなどで使用し、全車共通ではない
エアタンク ブレーキなどに使用する圧縮空気を貯える 複数搭載される場合があるため位置を確認する
エアコンプレッサー ブレーキ系などに使う圧縮空気を作る 空調用コンプレッサーとは別の装置
パーキングブレーキ 停車中の車両が動き出すのを防ぐ 操作方式や作動部位は車種により異なる

安全上の注意:ブレーキの効き方が変わった、警告灯が点灯した、エア漏れ音がする、操舵に引っ掛かりがあるなどの異常がある場合は、部品名称だけで走行可否を判断しないでください。発生条件と位置を記録し、整備事業者へ確認します。

電装系の部品名称

電装系は、エンジン始動、発電・充電、灯火、車両制御、各種センサーの情報伝達を担います。バッテリー電圧は12Vまたは24Vなど車両によって異なるため、トラックという理由だけで一律に判断しないことが重要です。

部品名称 主な役割 確認上の注意
バッテリー 始動時やエンジン停止時に電力を供給する 電圧、個数、接続方法を現車表示と取扱説明書で確認する
オルタネーター エンジン回転を利用して発電し、バッテリーを充電する 一般に発電機とも呼ばれる
スターターモーター 始動時にエンジンを回転させる セルモーター、スターターとも呼ばれる
ヒューズ 過電流時に回路を遮断して配線や機器を保護する 指定容量以外へ交換しない
リレー 小さな電流で大きな電流の回路を制御する 同形状でも用途が異なる場合がある
ECU エンジンや車両装置を電子制御する 車両には用途別に複数の制御ユニットが搭載される場合がある
各種センサー 温度、圧力、回転、位置などを検出する 警告灯だけで故障センサーを断定しない
ワイヤーハーネス 電源や信号を各部品へ伝える配線の束 コネクターや分岐位置まで含めて確認する
ヘッドランプ 前方を照らし、自車の存在を知らせる 左右、ロービーム・ハイビーム、ユニットか光源かを区別する
テールランプ 後方へ車両の存在や制動などを知らせる灯火ユニット 尾灯、制動灯、方向指示器などを一体化したユニットの場合がある
方向指示器 右左折や進路変更を周囲へ知らせる 一般にウインカーとも呼ばれる

電圧確認の基本:バッテリーの個数だけで推測せず、バッテリー本体の表示、車両の取扱説明書、整備資料で確認します。ジャンプスタートや電装品の接続では、電圧違いが故障につながるため事前確認が必要です。

キャブ・外装・荷台に使われる主要名称

キャブや荷台の名称は外観から確認しやすい一方、部品と部位が混同されやすい領域です。ここでは部品名称に絞って整理し、車体の前部・側面・後部などの詳しい位置名称は別記事へ分けます。

キャブ・外装の主要部品

部品名称 主な役割 伝え方のポイント
キャブ 運転席・助手席などを収める車体部分 室内空間を指すキャビンという言葉と重なる場合がある
フロントグリル 前面開口部を構成し、冷却風の通路や外装の役割を持つ 中央・左右、上側・下側を添える
フロントバンパー 車体前部を構成する外装部品 中央部、コーナー部、ステーなどを区別する
フェンダー タイヤ周辺を覆い、泥や水の飛散を抑える 前輪・後輪、左右を明示する
ドア 乗員の乗降口を開閉する ドア本体、ガラス、ヒンジ、ハンドルを分けて伝える
ステップ キャブへの乗り降りを補助する 上段・下段、左右を確認する
ミラーステー ミラーを所定位置で支持する ミラー本体、アーム、ブラケットを分けて確認する
マッドガード タイヤからの泥や水の飛散を抑える 一般に泥よけと呼ばれる

平ボディ荷台の主要部品

部品名称 主な役割 車種差・確認点
床板 荷物を載せる荷台の床面を構成する 材質や張り方は架装仕様で異なる
あおり 荷台側面・後面から荷物が落ちるのを防ぐ開閉板 左右・後部、分割数を確認する
鳥居 キャブ後方に設けられ、積荷とキャブ側を隔てる構造部分 形状や補強、窓の有無が異なる
荷台枠 床板やあおりを支える荷台の構造部分 縦根太・横根太など細部名称が使われる場合がある
丁番 あおりなどを開閉できるよう接続する ヒンジとも呼ばれる
エビ金 あおりを閉じた状態で固定する金具の一般的な呼び方 架装メーカーの部品表では別名称の場合がある
ロープフック 荷締め用ロープなどを掛ける 位置、形状、埋め込み式か固定式かを確認する

平ボディ、バン、ウイング、ダンプでは、荷台やボディに使われる部品が大きく異なります。車体の前部・側面・後部や荷台周辺など、外観上の場所の名前は、【トラックの部位名称】車体各部の名前一覧で整理しています。

ユニック車に追加されるクレーン装置の主要名称

ユニック車(クレーン付きトラック)は、一般的なトラックの車両部品に加えて、クレーン、油圧装置、操作装置などの架装部品を備えます。車両側の型式とクレーン側の型式は別に管理されるため、部品を確認するときは、どちら側の部品かを先に分けます。

部品名称 主な役割 確認する資料 注意点
ブーム 伸縮・起伏してフックを作業位置へ移動させる クレーン型式、取扱説明書、部品表 段数や断面構造が型式で異なる
起伏シリンダー 油圧でブーム角度を上下させる 部品表、油圧回路図 油漏れや作動不良は専門業者へ確認する
伸縮シリンダー ブームを伸縮させる 部品表、油圧回路図 ワイヤ式連動機構を併用する機種もある
旋回台 クレーン上部を旋回させる基部 装置銘板、部品表 旋回ベアリングや減速機などを含む構成は機種で異なる
ウインチ ワイヤロープを巻き上げ、フックを昇降させる 取扱説明書、部品表 ドラム、モーター、減速部を分けて呼ぶ場合がある
ワイヤロープ ウインチの力をフックへ伝える 取扱説明書、点検基準 交換基準を一般値で判断せず機種資料を確認する
フック 玉掛け用具などを接続する 取扱説明書、点検記録 外れ止めの状態などを確認する
アウトリガー 作業時に車両を支持し、安定を確保する 取扱説明書、性能表 張り出し条件や接地条件は機種資料に従う
操作レバー 起伏、伸縮、旋回、巻上げなどを操作する 操作表示、取扱説明書 レバー配置や操作方向は機種で異なる
ラジコン送信機 離れた位置からクレーン動作を操作する 送信機型式、取扱説明書 対応機種、電池、非常停止方法を確認する
PTO エンジンやトランスミッションから作業装置用の動力を取り出す 車両取扱説明書、架装資料 油圧ポンプとは別の装置
油圧ポンプ PTOなどから受けた回転力で油圧を発生させる 架装仕様書、油圧回路図 ポンプ型式と接続方式を確認する
作動油タンク クレーン油圧回路で使用する作動油を貯える 架装仕様書、取扱説明書 油種や容量を一般値で判断しない

名称確認のポイント:クレーン装置の正確な部品名は、車両の車名だけでは確定できません。クレーン本体の銘板に記載されたメーカー名・型式と、該当型式の取扱説明書・部品表を照合します。

部品名が分からないときの確認手順

トラック部品の名称が分からないときに位置や写真で確認する流れを示す図解

部品の一般名称が分からなくても、修理や部品確認を依頼できないわけではありません。車両情報と現物情報をそろえることで、整備事業者や部品販売店が候補を絞りやすくなります。

  1. 車検証で車名と型式を確認する
    同じ通称のトラックでも、型式が違えば部品形状や品番が異なる場合があります。
  2. 車台番号を確認する
    製造時期や仕様を照合するために使われます。公開範囲や送付先には注意してください。
  3. 初度登録年月または年式を確認する
    仕様変更やマイナーチェンジ前後の部品を区別しやすくなります。
  4. 部品の位置を前後左右で記録する
    「左前輪の後ろ」「キャブ右側の下」「後軸の中央」など、基準になる位置を添えます。
  5. 車両全体と該当部品の写真を用意する
    全景、周辺を含む写真、部品の接写、刻印やラベルの写真を分けて撮影します。
  6. 架装装置は架装メーカーと装置型式を確認する
    クレーン、ダンプ、パワーゲートなどは、車両メーカーとは別の資料で部品を確認する場合があります。

整備や部品手配で伝える情報

情報 伝え方の例
車両情報 車名、型式、初度登録年月、車台番号
架装情報 架装メーカー、装置名、装置型式、銘板写真
位置 前後左右、高さ、どの部品の近くか
症状 異音、漏れ、割れ、不点灯、警告表示、作動不良
発生条件 始動時、走行中、低速時、積載時、クレーン操作時など
写真 全景、周辺、接写、刻印・品番・ラベル

よく混同される部品・部位の名称

似た言葉でも、完全な同義語ではない場合があります。発注や整備依頼では、どの範囲を指しているかを確認します。

混同しやすい言葉 違い 伝え方
キャブとキャビン どちらも乗員空間を指して使われますが、キャブは車体構造、キャビンは室内空間や居住性を意識して使われることがあります。 外板・構造部品か、室内装備かを添える
シャーシとフレーム フレームは骨格部材を指します。シャーシは文脈により、フレームに走行装置や動力系を組み合わせた車台全体を指します。 サイドメンバーなど骨格か、車台全体かを区別する
部品と部位 部品は車両を構成する個々の物、部位は車体上の場所や区画です。 「左後部のテールランプ」のように部位と部品を組み合わせる
ミッションとギア ミッションは変速機全体、ギアは内部の歯車や選択される変速段を指します。 装置全体か、特定の変速段・歯車かを明確にする
デフとデフケース デフは差動機構を指し、デフケースは機構を収めるケースを指します。 内部機構、ケース、オイル漏れ箇所を分けて伝える
ブレーキパッドとブレーキライニング パッドは主にディスクブレーキ、ライニングは主にドラムブレーキの摩擦材です。 ディスク式かドラム式かを確認する
ホイールとタイヤ タイヤは路面に接するゴム部分、ホイールはタイヤを保持してハブへ取り付ける部品です。 ゴム部分か金属部分かを明確にする
マフラーと排気管 マフラーは主に消音装置、排気管は排気を通すパイプです。ただし会話では排気系全体をマフラーと呼ぶ場合があります。 消音器本体か前後のパイプかを伝える
あおりと荷台 荷台は荷物を載せる構造全体、あおりは荷台側面・後面の開閉板です。 左あおり、後あおりなど位置を添える
PTOと油圧ポンプ PTOは車両から作業用の動力を取り出す装置、油圧ポンプは回転力を油圧へ変える装置です。 動力を取り出す側か、油圧を発生させる側かを区別する

FAQ

トラックの部品名は乗用車と同じですか?

エンジン、ラジエーター、トランスミッション、ブレーキなど共通する名称は多くあります。ただし、トラックではエアブレーキ用部品、複数軸、架装装置など特有の構成があり、同じ名称でもサイズや仕様は車種ごとに異なります。

シャーシとフレームの違いは何ですか?

フレームはサイドメンバーやクロスメンバーなどの骨格部材を指します。シャーシは文脈により、フレームにエンジン、足回り、駆動系などを組み合わせた車台全体を指します。

足回りにはどの部品が含まれますか?

一般にはタイヤ、ホイール、アクスル、サスペンション、ハブ周辺などを指します。会話する人によってはステアリングやブレーキまで含めるため、整備依頼では対象部品や位置を具体的に伝える必要があります。

部品名が分からなくても修理や部品確認を依頼できますか?

依頼できます。車名、型式、車台番号、初度登録年月、部品の位置、症状、全景写真と接写写真をそろえると、整備事業者や部品販売店が候補を照合しやすくなります。

ユニック車のクレーン部品はトラックメーカーの部品ですか?

すべてがトラックメーカーの部品とは限りません。車両本体とクレーン装置はメーカーや型式が別になるため、クレーン本体の銘板、取扱説明書、部品表を使って確認します。

まとめ

  • トラックの部品名称は、エンジン系、駆動系、足回り、操舵・制動系、電装系、架装系に分けると整理しやすくなります。
  • 部品の構成や呼称は、メーカー、車種、年式、型式、駆動方式、架装によって異なります。
  • ミッションとギア、デフとデフケース、パッドとライニングなど、似た言葉でも指す範囲が異なる場合があります。
  • 部品名が分からない場合は、車両情報、前後左右の位置、症状、全景写真、接写写真をそろえて確認します。
  • ユニック車では、車両側の型式とクレーン装置側の型式を分け、装置銘板や部品表を照合することが重要です。

出典・参考情報

資料名・リンク 記事内で確認した内容
国土交通省「点検整備の種類」 日常点検・定期点検と、取扱説明書やメンテナンスノートを確認する考え方
いすゞ自動車「エルフミオ 走行性能」 DPD、尿素SCR、エンジン制御装置などのメーカー表記例
日野自動車「製品、仕様、機能について」 DPRというメーカー表記と、車種別資料・販売会社での仕様確認
いすゞ自動車「PTO」 PTOが車両のエンジンから作業用の動力を取り出す装置であること
古河ユニック「カタログ・性能表」 クレーン装置の型式別仕様をメーカー資料で確認するための参照先
古河ユニック「ユニッククレーン 中型トラック架装用」 トラック搭載型クレーンが車両へ架装される装置であることと、製品区分

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